DTM初心者向け入門講座

おすすめのアナログシンセサイザー入門機

アナログシンセサイザー

独特のサウンドと操作性でDTMerを魅了して止まないアナログシンセサイザー。アナログシンセの独特の暖かみやエグい音質などは年々評価され、音楽ソフトウェアで再現されていたりします。ですが真のアーティストたるもの、やはり直感的に操作できて自分だけの音色を作れるハードウェアのアナログシンセを持ちたいもの。

敷居が高いと思われるアナログシンセですが、近年では10万円以下のコンパクトな「アナログモデリング」ではない100%アナログのシンセサイザーが登場するようになり、未経験者でも手に入れやすくなっています。

そこで今回は、入門機種としておすすめのアナログシンセを紹介していきます。

アナログシンセサイザーとは?

アナログ・シンセサイザーは、独特の温かみのある太い音色を持ったアナログ回路で構成されたハードウェアシンセサイザーのことで、1960年代に登場、その後90年代に入り再評価されデジタル技術が発展した現在においても高い人気を誇り、近年ではUSB端子を搭載した機種が登場したりと、いまだに各社とも新商品をリリースする分野でもあります。

アナログシンセの仕組みは、ノコギリ波/サイン波/パルス波など波形をVCOで設定、VCFで音色を決め、VCAでエンベローブや音量を調整、その後LFOなどを経て音にエフェクトを付加し音を作り込んでいきます。
アナログシンセを製造するブランドとして有名なのが Moog、KORG、Dave Smith Instrumentsなどです。

モノフォニックとポリフォニックの違い

シンセのスペックを確認すると必ずといっていい程、モノフォニックとかポリフォニックとか書かれていると思います。
モノフォニックとは同時に1音しか出せない(和音が出せない)シンセのことを言います。「一音しか出せないなんて使えない」と思うかもしれませんが、おかげで独特の演奏方法を持っていたりメリットもあるんです。ベースやリード・プレイの時はモノフォニックがいいですね。
アナログシンセは基本的にモノフォニックです。

一方ポリフォニックは同時に複数の音を鳴らせる(和音を出すことができる)シンセのことを言います。

ノコギリ波、サイン波?波形って何?

波形 KORG MONOTRIBE:波形を選択する

アナログシンセサイザーでは一から音色を作るのですが、最初にオシエーターで基本となる波形を選ぶところから始まります。波形そのものの説明は難しいのですが、音色を構成する要素の最小単位といったところでしょうか。そのときに選ぶことになる代表的な波形が「サイン波」「ノコギリ波」「矩形波」「三角波」の4種類。簡単にそれぞれの波形の解説をしていきましょう。

サイン波(sine wave)

日本語表記では正弦波とも呼ばれます。サイン波には倍音が全く含まれていないため丸い音がします。主張しすぎない優しい音色なのでR&Bなどでイントロや間奏のメロディーラインとして使われることが多いですね。

ノコギリ波(sawtooth wave)

デジタルシンセサイザーにプリセットされているリードシンセ系の音色にはよく「Saw Lead」「Saw Wave」のようなネーミングがありますが、あれはこのノコギリ波から作られているのです。いかにもシンセらしいド派手な音色を作りたいときには重宝します。

矩形波(Square wave)

難しい漢字ですが読みは「くけいは」です。ノコギリ波ほど倍音がないので派手さは控えめですが使いやすいリード向きの音ですね。その世代の人は聴けばすぐ分かると思うのですが、いわゆるファミコンの音です。

三角波(triangle wave)

三角波は矩形波よりもさらに倍音が控えめなのでおとなしく丸い音がします。イメージとしてはサイン波と矩形波の中間のような音色でしょうか。楽器でいうとフルートなど優しい音色を作るのに重宝するのではないでしょうか。

フィルターって何?

MOOG MINITAUR:フィルターMOOG MINITAUR:フィルター部分

前述したようにアナログシンセサイザーではオシエーター部で基本となる波形を選ぶところからスタートします。そして次にフィルターという音色を加工するセクションに進むことになります。基本波形を加工してよりシンセサイザーらしい音色にするための重要なセクションです。

このように説明するとフィルターはシンセサイザーの専門用語と思われるかもしれませんが、ドリップコーヒーを濾すときに使うコーヒーフィルターや有害サイトのフィルタリングなど、実は日常的に見かける単語ですね。簡単に言うと「特定の成分を取り除く」という意味合いになります。

さてフィルターには様々な種類がありますが、その中でも代表的なフィルターが「ローパスフィルター」「ハイパスフィルター」「バンドパスフィルター」の3種類になります。

ローパスフィルター(LPF)

これはその名の通りローパス(低音を通す)フィルターで、別名ハイカットフィルターとも呼ばれます。ローパスフィルターはシンセサイザーのフィルターの中でもっとも使用頻度の高いフィルターで、中にはローパスフィルターしか搭載されていないシンセサイザーもあるほど。そのためとりあえずローカットフィルターの使い方さえ覚えておけば間違いありません。

ハイパスフィルター(HPF)

これはローパスフィルターとは真逆で高音を通すフィルターで、別名ローカットフィルターとも呼ばれます。ローパスフィルターに比べると地味な存在ですが、低音を削っていくことですっきりした音を作ることができます。

バンドパスフィルター(BPF)

ローパスフィルターとハイパスフィルターを組み合わせることによって中音域だけの音を通すのがバンドパスフィルターです。ローパスフィルターやハイパスフィルターほど使用頻度は高くありませんがなかなか便利に使えるので覚えておきましょう。

エンベロープって何?

KORG MS-20 mini:エンベロープ KORG MS-20 mini:エンベロープ部分

シンセサイザーの音作りでよく出てくるのが「エンベロープ」という用語。前述した波形とフィルターは音色を変化させる部分ですが、エンベロープは音量を変化させる部分になります。エンベロープには「ADSR」と呼ばれる4つのパラメーターがあり、それぞれに意味があります。

A=アタック

アタックは打鍵してから最大音量になるまでの時間を設定することができます。アタックを上げていくとふわっとした音の立ち上がりになっていくため、パッドなどの音色の場合はアタックの値を大きめに設定しましょう。逆にピアノやオルガンのように打鍵した瞬間を最大音量にしたい場合はアタックの値は0に設定します。

D=ディケイ

ディケイではアタックで最大音量に達してからサステインに移行するまでの時間を設定します。これはサステインの効果と一緒じゃないと理解しにくいと思うので、詳しくは下記のサステインの部分で解説します。

S=サステイン

サステインでは打鍵している間の最終的な音量を設定します。オルガンのようにずっと音量変化のない楽器だとサステインは最大に、ピアノのように徐々に減衰していって最終的に音がなくなる楽器だとサステインは0に設定します。またその際どのくらいのスピードで音量が減衰してくるかという値をディケイで設定します。ちなみにサステインを0以外に設定していると打鍵中(アタック・ディケイ通過後)は途切れずずっとその音量で鳴り続けることになります。

R=リリース

鍵盤から指を離してから音が鳴り止むまでの時間を設定します。オルガンのように離した瞬間に音が途切れる楽器の場合はリリースを0に、パッドのようなふわっとした音色の場合はリリースを長めに設定してあげましょう。全ての生楽器はリリースが完全に0だと不自然になるためほんの少しだけ上げるとそれらしく聞こえるようになります。

KORG MONOTRIBE

コンパクトなサイズと1万円代というリーズナブルな価格ながら、正真正銘アナログ100%のシンセサイザー「Monotribe」。8つのステップ・シーケンサー(16ステップ対応)と鍵盤を搭載、フィルター系統はKORGの伝説的アナログシンセ「MS-20」と同じものを搭載、外付けのUSB端子「USBtribe」を購入するとパソコンのDawソフトとも同期できるようになるなど、おもちゃ感覚で使えるにもかかわらず本格的です。

monotribeのいいところは、とにかく簡単なところ。
ツマミをテキトーに操作していると、いつの間にか面白い音が出るポイントがつかめたりするなど、あるいみ原始的な楽器であるともいえ、アナログシンセの面白さを体感することができます。アナログシンセ初心者はまずMONOTRIBEを手にしてみてはいかがでしょうか。

KORG MONOTRIBE – Supernice!DTM

MONOTRIBE単体の操作でも面白い演奏ができますが、他の機材と同期させることでより世界が広がります。

シンセサイザーと同期

Elektron Machinedrumを使って、シンセサイザーの音をmonotribeにシンクロ(同期)させています。ベースラインとフィルターのかけ具合だけで延々と引っ張っていきます。

monotribeのSync Outを、KORG RADIAS RのAudio Inputに接続し、RADIASのEnvelop Followerを使って音源をトリガーしています。上の動画とは逆に、こちらではmonotribeの音をシーケンサーにシンクロ(同期)させているんですね。

アナログシンセサイザーと同期

monotribeのSync信号を、KORG MS-20のExternal Signal Processerでプロセスし、トリガー信号とSample&Hold用のクロックを取り出しています。

こちらはMS-20と並ぶアナログシンセの名機、Roland TR909との同期。TR-909からmonotribeに同期信号を送っています。まさにミニマル・テクノといった趣。

こちらは、Doepher社のアナログ・シンセサイザーDark EnergyのSync Outputから、monotribeのSync Inに接続し、アナログ・シーケンサーDark Timeがマスターとして動いてます。

シーケンサーと同期

ELECTRIBE・SXのIndividual Output3から、monotribeへ同期信号を出しています。
ハードウェアのELECTRIBEを持っていなければ、iPadアプリ版のiELECTRIBEでも対応できます。

Elektron社OctatrackのCue Outputから、同期信号をmonotribeのSync Inに送り、monotribeのAudio Outputを、OcatrackのAudio Inputに接続

Dawソフトと同期

オーディオ・インターフェイスのOutput 1/2から、Ableton Liveのマスター・アウトを、Output 3/4から同期信号をmonotribeに送り同期を取っています。
MIDIコントローラーとしてNovation社のLaunchPadを使用、シンセのリードパートをmonotribeで演奏していますね。

ゲーム機と同期

ゲームボーイにダフトパンクの楽曲「Derezzed」の旋律が入っていて、それにmonotribeでドラムや効果音で味付けしています。

生ドラムと同期

生ドラムと同期することも可能!ドラムキットに取り付けたピエゾ・ピックアップをmonotribeのSync Inに接続しています。もはや楽器であれば何でも同期できそうですね。

KORG MONOTRIBE – Supernice!DTM

KORG volcaシリーズ

KORG volca sample KORG volca keys KORG volca beats KORG volca bass

2013年に初登場したKORGのコンパクトなアナログシンセサイザー「volca」シリーズ。小さいながらも本格的なアナログサウンドは MONOTRIBE 同様、それまで高価格で大型なのが当たり前だったアナログシンセの常識を打ち破ったモデルです。ベースシンセの「volca bass」、リズムマシンの「volca beats」、リードシンセの「volca keys」、そして2014年に登場したサンプラー/シーケンサー「volca sample」の4種類がラインナップ。価格も1万円半ばとリーズナブルです。

いずれの機種も

  • ELECTRIBE直系の最大16ステップのループシーケンサー
  • SYNC端子/MIDI in端子
  • 自動チューニング機能、スピーカー内蔵、ヘッドフォン出力端子 (ミニジャック)
  • 作成したシーケンス・パターンは最大8個まで本体に保存可能
  • それぞれと「monotribe」を接続同期しての演奏や、MIDI端子と繋げることによって他の機材との同期やパソコンと接続してMIDIキーボードでDawソフトとの連携が可能

4台揃えてSYNC端子でつなげば、アナログのElectribeのような構成に変身します。

volca keys

olca_keys

3VCO、1VCF、1VCA、1LFO、1EGのスタンダードな構成の3音ポリフォニック・アナログシンセサイザー。
3つのオシレーターによるコード演奏や、リング・モジュレーションによる過激な金属音も搭載。さらにアナログディレイ・エフェクターを搭載しているので、テープ・エコーのようなピッチの変化を発生させることもできます。

KORG volca keys – Supernice!DTM

volca bass

volca_bass

ベースラインに特化したステップ・シーケンサー付モノフォニック・アナログシンセ。3オシレーターによって太くエグめのサウンド作りまで対応。動画を見れば分かりますが、かなり幅広い音作りの方法が用意されています。Monotribeと違って狙った音程にアジャストできるのは嬉しい。
ステップの使い方次第で様々なパターンを生み出すことができるようになっています。

VFCフィルター

フィルター部分もGood!甘く丸い音から明るく伸びのある音まで。Peakツマミで歪み成分を付け加えることもできます。

Roland TB-303を意識したルックスも堪りませんね。

KORG volca bass – Supernice!DTM

volca beats

olca_beats

ビートメイキングに特化したのがこの「volca beats」。
リズムマシンの名機Roland TR-808をリファレンスにしたアナログドラムサウンドが特徴で、キック・スネア・タム・ハイハットなどのアナログシンセ音源の他、クラップ・Claves・Agogo・ClashなどPCM音源を使って自由にリズムトラックを作成できます。

beats-2

キックドラムはClick、Pitch、Decayの3つのツマミで、スネアはスナッピーの量まで調節が可能。
ハイハットの値も変種可能で、好みのリズムトラックを作成することができます。

STTUTER

また「volca beats」で最も注目するべき「STUTTER 機能」では、トリガーの連打でフィル効果を生み出し、シーケンスを大胆に変化させることができます。
スタッターのツマミの動きはもちろんシーケンス上に記録可能!

volca beats – Supernice!DTM

KORG volca sample

コンパクトなアナログシンセサイザー volca シリーズの最新作、リズムパターンの打ち込みや自分の声などをサンプリングして加工できるデジタル・サンプラーです。
直感的な操作でリズムトラックの作成ができるし、音色の編集によって1つのサンプルからでも様々な音色に変えることができるなど、面白い機材です。
パターンの保存は10種類、ソングの保存は6種類と、機能的に不満もありますが、持ち運びにも便利なコンパクトさ/monotribeや他volcaシリーズとの同期してのジャム/そして価格帯と、魅力は十分です。

volca sample – Supernice!DTM

KORG MS-20 mini

MS-20 mini

コルグがリリースした伝説的なアナログシンセサイザー「MS-20」。オリジナルの機種 MS-20 が登場してから35年以上の月日が経ちますが、有名クリエイターが MS-20 を未だに愛用していると発言したり、iPad アプリiMS-20でのリメイクなど、アナログシンセサイザーにとっていつも目標とされてきた心震わすホンモノの音がそこにはありました。

このMS-20 miniは驚くほどコストダウンが徹底され、手に入れやすくなってたモデルです。

KORG MS-20 mini


AKAI Rhythm Wolf

2014年12月に登場した AKAI のドラムマシン/ベース・シンセサイザー/ステップ・シーケンサー Rhythm Wolf。MPC サンプラーで知られている AKAI がまさかドラムマシンをリリースしてくるとは思いませんでした。

ドラム・ベースをシーケンサー上で鳴らせるということで、ベースとなるリズムトラックの作成をしたい人にとってはピッタリのアイテムだと言えるでしょう。しかも3万円を切る価格帯、同サイズのハードウェア・リズムマシンに比べてもとても魅力的です。

AKAI Rhythm Wolf – Supernice!DTM

Arturia MINIBRUTE

2012年登場、まさに現代のアナログシンセと呼ぶに相応しいのが Arturia の MINIBRUTE。
25鍵盤、4モードのアルペジエーター機能、伝説のフィルターと呼ばれている「Steiner Parker」に加え「Brute Factor」「Ultrasaw」「Metalizer」といったユニークなパラメーター、USB MIDIイン/アウトを搭載したコンパクトなアナログシンセサイザーです。コンパクトなサイズと操作性のよさから使いやす過ぎるアナログシンセとして人気が高い機種です。

  • 100%アナログの信号経路
  • 25鍵キーボード
  • ボルテージコントロールドオシレーター(DCOではありません)
  • Steiner-Parkerマルチモードフィルター
  • サブオシレーター
  • オシレーターミキサー
  • LFO1:6種類の波形とバイポーラモジュレーション
  • LFO2:3種類のヴィブラートモード
  • 2系統のADSRエンベロープジェネレーター
  • 外部オーディオイン
  • Brute Factor:サチュレーションとリッチな倍音
  • Ultrasaw:ノコギリ波に「揺れ」を付加
  • Metalizer:三角波に強烈なハーモニクスを付加
  • ピッチベンド/モジュレーションホイール
  • 14基のフェーダーと29個のノブ
  • アルペジエイター機能
  • 重量:4kg

Arturia MINIBRUTE – Supernice!DTM


Arturia MICROBRUTE SE

Arturia MICROBRUTE SE は Arturia のコンパクトなアナログ・シンセサイザー MICROBRUTE の完全数量限定カラー・モデル。
ホワイト、ブルー、オレンジのポップな3色ラインナップです。

Arturia MICROBRUTE – Supernice!DTM

その他、注目のアナログシンセ

MOOG MINITAUR

Moogのベースシンセ「タウラス」のコアだけを取り出して超コンパクトにまとめたのがこの「Minitaur」。
2012年登場のこの”ミニタウ”はベースに特化したアナログシンセで、とにかく音が太い・太過ぎるぐらいぶっといのが特徴。購入すると箱の中に耳栓が入っているという開発者のジョークも納得の極太サウンドです。Moogのシンセは20万円近くするので手が届かない…という人でも、MINITAURならMoogの本物サウンドを気軽に楽しめるようになっています。
鍵盤はついていないのでMIDIキーボードを用意する必要があります。
また、外部音源に接続してフィルタープレイだけのために使うっていう手もありますね。ルックスもカッコいいです。

MOOG MINITAUR – Supernice!DTM


Moog Little Phatty Stage 2

Moog Little Phatty Stage 2

歴史的名器「Mini Moog」の遺伝子を受け継いだモノフォニックな本格派アナログシンセ。
伝統的なMoogサウンドにUSB接続端子とアルペジエイター機能を搭載、ゴツい4つのツマミを様々なパラメータに割り当てて音作りが出来ます。プリセットも100個入っているので音にも困りません。
【195,800円】

Moog Little Phatty Stage 2 – Supernice!DTM


Dave Smith Instruments Prophet 08

Dave Smith Instruments Prophet 08

アメリカのKEYBOARD MAGAZINE 11月号の新製品レビューおいて「キーボードの歴史上、最高に音が良く、最も演奏するのが楽しいアナログ・ポリシンセ」と絶賛され、世界中で高い評価を受けているアナログシンセ。本気でアナログシンセを触りたい人ならこの機種ですね。
【239,800円】

Dave Smith Instruments Prophet 08 – Supernice!DTM


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