DTM初心者向け入門講座

スクリレックス(skrillex)

もはや世界的な音楽シーンのメインタイドとなったEDM。そのEDM界でデビッド・ゲッタやZEDD、Avicii、dead Mau5らと並ぶ象徴的アイコンでもあり、全米を代表するアーティストの一人ともなったskrillex(スクリレックス)。世界各地の音楽フェスやEDMのフェスに出演する彼の収益は年間16億円とも言われています。カリスマ的存在のスーパーDJ/トラックメイカーとして活躍し、ここ数年のグラミー賞では様々な賞を受賞して、社会的な評価も確立されて来ています。アメリカ版のダブステップとも言うべきブロステップを、結果的に世界に広めた立役者とも言えるでしょう。
また、日本好きを公言しており、KYOTOという楽曲もつくっています。日本では2012年以降度々来日して公演しています。

バイオグラフィー

1988年1月15日 アメリカ カリフォルニア州 ロサンゼルス出身

2004年に15歳でポスト・ハードコアバンド ”フロム・ファースト・トゥ・ラスト”に加入し、ボーカルを担当しましたが、声帯を痛めて数年でバンドを脱退しています。2007年以降はソロとしての活動を本格的に始動させました。

2008年に現在のskrillexの名義で活動を始め、2010年に自主制作のEP(シングルレコード)「My name is Skrillex」を発売。また同年10月にセカンドEPの「Scary Monsters And Nice Spirits」を発売。そして2011年にはサードEP「Bangarang」を発売しました。

「Scary Monsters And Nice Spirits」と「Bangarang」の大ヒットで世界的な評価を確立し、世界各地の様々な音楽フェス、EDMのフェスへの出演を精力的に行って来ています。

2014年3月に初のアルバム「Recess」(レセス)を発売しました。なお、この作品がデビューアルバムとなっています。

音楽的なスタイル

skrillexは一般には、brostep(ブロステップ)と呼ばれる音楽ジャンルの代表的アーティストと目されています。(現在進行形の音楽ジャンルは発生、派生、融合、細分化のサイクルが極めて激しいので、厳密な定義はしにくいのですが…)このジャンルは英国発祥のdubstep(ダブステップ)というジャンルの音楽がアメリカで独自の発展をとげたものです。しかし、brostepをdubstepの中に含めるのか、それとも別のジャンルとするのかは、趣味嗜好や意見の分かれる点となっています。(2014年12月現在)

brostep の源流である dubstep の誕生は2000年代初頭です。英国・ロンドンのクラブシーンで、dub(ダブ)と呼ばれるジャンルの音楽で2ステップの楽曲に、別の音楽ジャンルであるブレイクビーツや、90年代に生まれた(英国発の)音楽ジャンルであるジャングルやドラムンベースの要素を加えて、音楽をリミックスする手法が流行して誕生しました。

そのサウンドは瞬く間に人々の心をとらえて伝播していきました。わずか数年で広く欧米のアンダーグランドミュージックシーンやクラブシーンに普及した後は世界的にブレイクし、メジャーな音楽シーンにも多大な影響を与えます。そしてアメリカで、聴覚への訴求力がより高い中音域の音色を使ってdubstep的な音楽の構築をアプローチする潮流が、2000年代後半に現れました。これがやがてbrostepと呼ばれることになる音楽ジャンルとなっていきます。

丁度その時期、2000年代後半から活動をはじめた skrillex(スクリレックス)は、このdubstep的なグルーブとサウンドを取り入れながら、アメリカ的なhiphop的テイストと、自分の持つハードコアロック的な感覚を融合させた音楽的アプローチを試みて、音楽的にも商業的にも大きな成功を収めていきます。

本来のdubstepは、ベースの低音をメインにすえて、しかもそのベースのフレーズをドラム的・パーカッション的にも使用し、三連・六連の細かいリズムを絡めたグルーブが強調されます。それに対して、brostepは中音域でのエレクトロな音色が楽曲の中核となり、それを(ダブステップ的グルーブの中で)パーカッシブなリズムを構築していくアプローチが大きな特徴となっています。

skrillexの作品もベースの低音が極端に強調されることはなく、中音域を中心としたノイジーな音色をリズミカルでパーカッシブに多用しつつ、全体としてキャッチーでポップなニュアンスのある音楽にバランスが整えられています。最先端の音楽要素を取り込みつつ、アメリカ的感覚を軸にして楽曲を構成・展開するセンスが非常に優れたアーティストと言えます。

使用機材(推定)

※動画の映像や楽曲などから推定できる機材
以下の動画でskrillexが、Apple MacbookPro で Ableton Live を使用しているのが確認できます。また楽曲の音色的な特徴から推定すると、Native Instruments 社の Massive や FM8 的な音色の使用を聞き取ることができます。

制作機材

Apple Macbook pro
Ableton Live
Native instruments Massive
Native instruments FM8
など

またステージパフォーマンスではbeatsのヘッドフォンとpioneerの機材を使用していることが確認できます。

18秒〜35秒付近

Native Instruments KOMPLETE 10 – Supernice!DTM

ライブ機材

Pioneer CDJ-2000
Pioneer DJM-900 nexus

ステージではDJ-ing(機材で楽曲の再生させながらエフェクトやループを使って楽曲に多様な音響効果を絡めていくスタイル)でプレイをしています。skrillex本人が特定の楽器の演奏したり、(元ボーカルですが)本人が歌を歌ったりすることは現在ではありません。

DJ-ingは現在の日本では10代〜20代以外の世代では音楽のプレイスタイルとしては、まだまだ一般的ではありません。「DJはただスイッチを押してるだけ」などの意見もあります。しかし、skrillexのプレイスタイルに見られるように、DJ-ingはこれからの音楽表現のひとつの選択肢として広がりつつあります。また、EDMシーンはDJ-ingをカルチャーとして推進させる大きな潮流ともなっていると言えるでしょう。

ヘッドフォン

Beats by Dr. Dre Pro

ディスコグラフィー

Scary Monsters And Nice Spirits (EP)

この楽曲はスクリレックスの出世作となった作品です。ブロステップ特有のノイジーかつリズミカル・パーカッシブなグルーブ感と、幻想的なメロディが絶妙な感覚でミックスされていて、スクリレックス独特の感性が発揮されています。2012年の第54回 グラミー賞では、最優秀新人賞にノミネートされ、本作「Scary Monsters and Nice Sprites」が最優秀ダンス・エレクトロニカアルバム賞および最優秀ダンス・レコーディング賞を受賞しました。

Bangarang (EP)

2011年に発表されたスクリレックスの4th EPである本作「Bangarang」もブロステップを中心軸に据えた音楽的なアプローチが踏襲されています。2013年の第55回グラミー賞で、本作にて最優秀ダンス エレクトロニカアルバム賞および最優秀ダンスレコーディング賞を受賞しました。

RECESS (LP)

スクリレックス初のアルバム。2007年から本格的な活動をしているにも関わらず、2014年にデビューアルバムを発表するというのも、既存の音楽業界の仕組みからするとおかしな話ですが、彼はyoutubeでも精力的に作品を発表して来たので、既存の業界の「アルバムの発売ありき」なシステム外のアーティストとして「ビジネスモデル自体の変革を象徴する存在」とも言えるかもしれません。

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