DTM初心者向け入門講座

グライムス(Grimes)

ここ数年で急速に注目を集めているカナダのバンクーバー出身の女性アーティスト、Grimes(グライムス)。トラックメイカー、シンガーソングライターとしてだけでなく、PVの制作においては監督(ディレクター)もつとめ、プロデューサーとしても活躍している、20代半ばの女性ミュージシャンです。

2014年には、世界的な流行になっているアイスバケツを頭からかぶる「ALS ICE BUCKET Challenge」への参加を拒否して話題になりました。これはカリフォルニア州の干ばつによる水不足を配慮してのことだそうです。また、この「ALS ICE BUCKET Challenge」キャンペーンを実施しているALS財団が動物実験を行なっている点を指摘して寄付も拒否し、その代わり教育を支援しているマララ基金へと寄付したことを表明しました。

このように社会の流れに流されることなく、自分のポリシーで判断し行動する態度は、言動だけでなく音楽性、映像作品、ファッションも含めて、彼女全体の世界観に表現されています。その意味でも「すべてが独特な存在感を放っているアーティスト」と言えるでしょう。

バイオグラフィー

本名:Claire Elise Boucher (クレール・エリス・ブーシェ)

1984年3月17日  カナダ・バンクーバー出身。
バンクーバーの西の地方であるウエストポイントグレイのロードビング・セカンダリースクールを卒業しており、在学中にはバレエを学んでいました。その当時はまだ音楽の創作や活動しておらず、一人のリスナーとして楽しむスタンスで音楽に接していました。マリリン・マンソンやトゥールなどのロックバンドを好んで聴いていたそうです。またメタル系のアートワークや中世的の芸術的表現を好んでいました。

18歳になるとカナダのモントリオールにある大学、マギルユニバーシティに入学しました。そこではロシア文学と神経科学を学んでいたとのことです。しかし最終的には授業に出席しなくなり、結局大学は退学しました。

丁度その時期に、彼女が13歳の頃から付き合っている友達が主催し、モントリオールを中心に活動していたアーティストコミュニティに深く関わるようになります。このアーティストコミュニティはのちに「アルブスツ」という音楽レーベルへと発展していきます。このアルブスツの友人達の影響を受け、創作と音楽活動を開始しました。

この頃は現在のようなポップな要素を含んだ音楽を作ってはおらず、本人曰く「実験的なドローン音楽のようなもの」で、とてもダークでダウナーかつ難解な音楽を創作していたそうです。やがて、ポップな感覚も作品に取り入れるようになり作品も現在に近い音楽へと変化していきます。

そして2010年に音楽レーベル「アルブスツ」よりファーストアルバム「Geidi Primus」をリリースしてから、精力的に活動をしており、わずか数年で世界的にその動向が注目されるアーティストとなりました。


サードアルバムVisionsより「Oblivion」

グライムスの音楽的なスタイル

Grimesの作品は、クラブカルチャー的アンダーグラウンドな音楽を背景としながらも、エレクトロでポップな感覚と、トライバル(民族的)で儀式的、ヨーロッパの中世的な世界観など、極端ないくつもの要素が融合されており、他のアーティストの追随できない独自な世界観を構築しています。音楽は全くの独学だそうです。

音楽も含めた創作全般で心がけていることは、「受け手に分かりやすい要素をどこかに入れること」とあるインタビューには答えています。女の子として自分が好きなポップでキュートなものと、一人の人間として自分が魅かれて止まない中世の世界観などのものとを掘り下げって言った結果、この独特の世界観に到達したようですね。


サードアルバムVisionsより「Genesis」

彼女は20代前半で注目され始めたころにはもう、(年相応の女の子でありながらも)ひとりの人間としても、アーティストとしても精神的に成熟しているオーラを放っていました。そのオーラは、作品やパフォーマンスの技術や論理的な未熟さをカバーしてあまりあるものでした。

彼女はいつもありのままの自分を生きています。そして、その態度こそが極めてアーティスト然としているという逆説的真理を体現しているアーティストでしょう。普通の人間ではメディアに伝えないようなプライベートでな事柄も、様々なインタビューへ赤裸々に解答しています。

メディアを通じて、彼女から紡がれくる言葉は、決してりきみすぎることなく、しかし信念と確信とインスピレーションに充ちています。またインターネットをにぎわせた「ALS ICE BUCKET Challenge」キャンペーンへの不参加の表明や理由、またその代わりに取った行動などからみても、とても深い精神性をもったアーティスト、希有なポップ・アイコンの誕生と言えそうです。


ユニット Grimes & D’eon のアルバム Darkbloom より「Vanessa」

グライムスの使用機材

日本の音響機器および音楽制作機器の専門誌「サウンド&レコーディングマガジン」2012年8月号での巻頭インタビューなどでは使用している音楽機材に関しても言及しています。率直な印象としては、極めてアマチュア的な機材群で、既存の価値観でプログレードと呼べるものは日本でもおなじみのマイク「SHURE SM58」ぐらいでしょうか。

驚くべきは(このインタビュー当時は)モニタースピーカーも使用しておらず、macbook pro 内蔵のスピーカで制作しているとのことです。音響的なまとまり感をリッチにしていく既存のプロフェッショナリティからかけ離れていて、発想や表現力こそが大切というのを体現していますね。こういう感覚も新しい世代のアーティストとして輝く一因なのかも知れません。

PC:Apple Macbook pro
DAW:Apple GarageBand
マイク:SHURE SM-58
シンセサイザーRoland Gaia SH-01Roland Juno-G
ヴォーカルプロセッサー:Roland VE-20
サンプラーRoland SP-404SX
エフェクター:Line6 M9 Stompbox Modeler
ミキサー:MACKIE MACKIE 802-VLZ3



(↑1:11付近から)

どうやらRoland好きみたいですね!

ディスコグラフィー

2010年にファーストアルバムGeidi Primesをリリース。
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2011年にセカンドアルバム、Halfaxaをリリース。
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同2011年、ユニット Grimes & D’eon としてアルバムDarkbloomをリリース。
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2012年にサードアルバム、Visionsをリリース。
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2014年 シングル「Go ft. Blood Diamonds」をリリース。

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