DTM初心者向け入門講座

Pro tools

Pro Tools

Pro Toolsとはアメリカに本社を置くAVID社が開発、保守を行っている「業界標準のDAW」です。世界中の音楽スタジオを筆頭とする商業施設に導入されており、プロミュージシャンやエンジニアはPro Toolsのプロジェクトで楽曲のやりとりをするのが一般的となっています。

Pro Toolsには大きく分けて2つのバンドルが用意されており、1つはアプリケーションをPCにインストールして使用する「Pro Tools(Native)」、もう1つはオーディオシステムそのものを構築して使用する「Pro Tools HD」です。

前者はアマチュアおよびプロが個人レベルで使用。パソコンのCPUによって処理を行う一般的なDAWと同じものとなります。後者はMacProなどのPCIに差し込み、DSPを使って処理するため、高速演算と極めて低いレイテンシー、大量のIN/OUTを実現。音響スタジオなどの商業施設で使われるのが殆どであり、個人レベルで導入しているユーザーはそう多くありません。

Windowsでも動作しますが、基本的には「Macで使うことが推奨」されています。2015年6月には「プロと同じツールを誰にでも」というコンセプトの元、「Pro Tools First」と呼ばれる無料バージョンの配布を開始するなど、業界標準のプロ仕様DAWではありますが徐々に導入の敷居は下がりつつあります。

ちなみに、Pro Toolsはバージョン9以前まで、専用のオーディオインターフェースでしか起動しませんでした。9以降は各社から販売されているインターフェースが併用できるようになったものの、相性の良し悪しがあるので、導入前にチェックしておくと良いでしょう。

Pro Toolsを導入することの強み

プロクオリティのレコーディングを自宅で

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冒頭にもあるように、Pro Toolsはプロミュージシャンやエンジニア、および商業施設が導入するプロ仕様のDAWです。その理由として、再生およびレコーディング時の「出音の良さ」が挙げられます。

Pro Toolsは32bitかつ192kHzの高解像度オーディオを、極めて低いレイテンシーでレコーディングすることが可能です。HDはもちろん、Nativeでも高解像度のサウンドを鳴らすことができ、インターフェースさえ対応していれば自宅でスタジオクオリティのレコーディングが可能となります。

様々なユーザー層に合わせたラインナップを用意

Pro Tools HD

Pro Toolsには計4種類のラインナップが用意されています。

  • 最上位グレードの「Pro Tools HD」
  • スタンダードな「Pro Tools(Native)」
  • MboxなどのOIにバンドルされている「Pro Tools Express」
  • 無料配布されている「Pro Tools First」

です。

Pro Tools ExpressはMboxなどのオーディオインターフェース製品にバンドルされており、Nativeの機能制限バージョンとなります。一方Pro Tools Expressはメールアドレスなどのユーザー情報を登録することでダウンロードできる無料版のソフトで、Express以上に機能制限があるものの、気軽にPro Toolsを試せる入門用のバージョンとなっています。DTMをこれから始めるアマチュアから、音楽スタジオに在籍するプロフェッショナルまで、あらゆるユーザーに対応できる柔軟さを持ち合わせているDAWです。

AAXという名の専用規格を用意

Pro Toolsはオーディオプラグインに「AAX(Avid Audio eXtension)」と呼ばれる専用の規格を採用しています。これは「HDとNative間の音質変化を無くす」ために開発された規格です。

通常、CPUベースで処理をする場合と、DPSベースで処理をする場合では、それぞれ音質が異なるものです。AAXが採用されるまでは、Nativeでレコーディングおよび打ち込みをしたプロジェクトをHDに取り込むと、音質変化により出音が変わってしまう現象が起きていたため、それを回避するため共通の規格を用意した訳です。

余談ですが、規格が一本化されたものの、実際はNaïveで動作するものを「AAX-Native」、HDで動作するものを「AAX-DSP」と細かく分類しており、名称は違いますが音質は同じです。

エラスティックオーディオ機能による快適なオーディオ編集

バージョン7.4から実装された機能で、オーディオのテンポをMIDIのようにフレキシブルに編集できるものとなります。これにより、レコーディング後のオーディオ編集が快適なものとなります。

例えば、プロジェクトのテンポとトラックにインサートしたいオーディオファイルのテンポが異なる場合、エラスティックオーディオ機能を使うことで、限りなく音質を劣化させずにオーディオファイルのテンポを合わせることが可能です(今日のDawソフトの多くに同様の役割の機能が搭載されています)。

75種類以上のハイクオリティな音源・プラグイン群を付属

BF76 Compressor BF76 Compressor

実際にプロの現場で使用されるハイクオリティな音源・プラグイン群を75種類以上も付属。レコーディング現場に欠かせない1176コンプレッサーをモデリングしたBF76 Compressorや、高品位なリバーブプラグインとして有名なD-Verbなど、即戦力となるプラグインを多数内蔵しています。他にもBig Fish Audioによる8GBにも及ぶサウンドライブラリーや、マルチティンバー音源であるXpand!2など楽曲制作に必要なツールをほぼ網羅しています。

エンジニア向けのDAWと言われているPro Toolsですが、現行バージョンはミュージシャンおよびコンポーザー、アレンジャー向けの機能やツールを多数搭載しており、クリエイターにも強くオススメできます。

楽譜制作ソフトの最高峰であるSibeliusとの連携

プロの現場ではミュージシャンが即演奏可能な高品位の譜面が求められます。Pro Toolsは売り上げ世界トップクラスの楽譜制作ソフト、Sibeliusと強力な連携を実現しており、ワンクリックで制作している楽曲のプロジェクトをSibeliusに転送し、譜面化することが可能です。Sibeliusはプロ品質の楽譜をスピーディーに作成できため、現場ではとても重宝されています。

Pro toolsの主なソフトシンセ

Pro toolsでは60種類以上のバーチャル・インストゥルメント、エフェクトが使用できます(Pro Tools FirstではXpand!マルチティンバー・ミュージック・ワークステーション2種、20種類以上のエフェクト等)。

Xpand!2

Xpand!2

ドラムのリズム、シンセサイザー、ギター、ベース、ボーカル、エスニック音源、ループなど多彩な楽曲が収録されているマルチ音源ソフト。

各カテゴリー毎におよそ2000音色をプリセット、あらゆるジャンルの音源を網羅しておりMIDIでの打ち込みもしやすく、30種類のアルペジエイター機能を搭載。初心者でも操作しやすく様々なインスピレーションを与えてくれるソフトです。

BOOM

Pro Tools BOOM

BOOMは16ステップシーケンサーのドラムマシンで、10種類のドラムキットで打ち込み系リズムを作成することが可能です。キット数が少ないので、デモを作る時のラフ音源として用いることが多いでしょう。

Vacuum

Vacuumはアナログシンセをシミューレーションしたモノフォニック真空管シンセサイザー音源で、アナログならではの太くエッジの効いたエグいサウンドが特徴です。ファットなシンセリードやシンセベースなど、リード系のフレーズやエレクトロ音楽で重宝するプラグインです。

Protoolsと連携できる外部機器

CME UF50 V-Control Pro AC-7 Core

MIDIキーボードの他、iPhone/iPadなどのアプリでProtoolsのフェーダーなどを遠隔操作でコントロールできるようになります。

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