iPhone/iPad用オーディオインターフェイス一覧[記事公開日]2014年11月9日
[最終更新日]2022年03月31日

iPhone/iPad用オーディオインターフェイス

iPhone/iPadで使えるDAWアプリやアンプ/エフェクト・アプリ、本格的なシンセサイザー・アプリの登場によって、iPhoneのような小さなデバイスでも本格的な音楽制作ができるようになってきました。様々なアプリを駆使しての本格的な音楽制作を手助けしてくれるのがiPhone/iPadといったiOSデバイスに対応するオーディオインターフェイスです。iOSデバイス対応のオーディオインターフェイスがあれば、出先での簡易録音やアイデアのメモ、パソコンでの音楽制作と連携させることによって作曲活動を大幅に効率アップできるなど、DTMがより身近にフレンドリーなものになるでしょう。

ギターの入力だけに特化した超小型モデルから、インターネット配信にも適したミキサー型のもに、そしてパソコンとも併用できる通常型など、用途に合わせて選ぶことができます。

ギターの入力に適した手のひらサイズの小型モデル

まずは手のひらにすっぽりと収まるほどのサイズで持ち運びにも大変便利な小型のiOS対応オーディオインターフェイスを紹介していきます。小型サイズは気軽に使用できる一方、搭載される入出力端子が少なかったりと用途が限定されてしまいますが、リーズナブルな価格で手に入るというのは大きなメリットでもあります。

IK Multimedia iRig シリーズ

iRig シリーズ

イタリアの音響メーカーIK Multimediaが発売している「iRig」シリーズは、iPhone/iPad/iPod touchにつないでギターやボーカルの演奏を録音することができるiOSデバイス対応オーディオインターフェイスの先駆け的存在です。

2010年に初登場した「iRig」は、iPhone/iPadのマイク入力に接続してギターを演奏することができるアナログ・タイプ。次に登場した「iRig HD」はA/Dコンバータを装備し、エレキギター入力専用端子を装備したデジタル式を採用し、初代モデルに比べて音質が非常に良くなっています。その次に登場した「iRig PRO」は、A/Dコンバータに加え高性能なマイクプリアンプを装備したデジタル式オーディオ/MIDIインターフェイスと進化を遂げました。
「iRig」「iRig HD」「iRig PRO」3機種については、以下のページで実際に使用したレビューを確認することができます。

iRig/iRig HD/iRig PRO 徹底比較レビュー! – エレキギター博士

現在は「iRig HD 2」「iRig UA」「iRig PRE HD」「iRig PRO Duo」「iRig Pro I/O」「iRig PRE」など、第二世代モデルや派生製品が続々と登場し、この界隈をリードしています。


iRig HD

iRig HD 2

iRig Pro I/O

iRig PRO Duo
サンプリング 24bit/48kHz 24bit/96kHz 24bit/96kHz 24bit/48kHz
入出力 1in 2in/1out 1in 2in/2out
ファンタム電源 X X
ヘッドフォン端子 X
MIDI X X IN/OUT IN/OUT
電源 iOSデバイス、USB iOSデバイス、USB 単3乾電池 x2
USBバスパワー
単3乾電池 x2
USBバスパワー
備考 FX/THRUスイッチ、ボリューム調節付きのヘッドフォン ボリューム調節付きのステレオヘッドフォン ボリューム調節付きのヘッドフォン
価格 ¥8,078 ¥10,562 ¥17,064 ¥22,140

iRigシリーズ4機種比較:価格はサウンドハウス(2018/9時点)

Apogee JAM シリーズ

Apogee JAM シリーズ

Apogee JAM 96k は iOSデバイスで 24bit/96kHz でのレコーディングが可能にするオーディオインターフェイスです。レコーディング用のアプリに装備されている、エレキギターのアンプやエフェクトなどの音を再現できます。このクラスのオーディオインターフェースの中では高解像な録音が可能です。(2014年11月現在)

MiC 96k はiOSデバイスおよびMac用のレコーディングマイクです。こちらも 24bit/96kHz のデジタルレコーディングに対応しています。ボーカル録音はだけでなく、ピアノやアコースティックギター、ドラムなどのアコースティックな楽器全般の録音作業に使用可能です。

JAM 96k・MiC 96k ともに iOSデバイス/Mac のオーディオ機能 Core Audio に対応しており、各機器に接続するだけで使用することが可能です。GarageBandやLogic、MainStage など多くの音楽編集ソフトにも対応しています。

Apogee JAM – Supernice!DTM
Apogee JAM 96k – Supernice!DTM
Apogee JAM MIC 96k – Supernice!DTM

LINE6 Sonic Port

LINE6 Sonic Port

LINE 6から発売されている SONIC PORT では、24bit/48kHzの入出力が可能です。ギターの入力だけではなく、ライン接続の楽器にも対応しており、サンプラーやシンセサイザーからの録音や、DJミキサーなどの機器へ音の出力することもできます。(別途コードが必要になります)

iOSの接続には Lightningコネクタ と、それ以前の 30pinコネクタ に対応した2本のケーブルが同梱されていますので、現在SONIC PORTが対応しているiPhoneとiPadであれば、変換コネクタを使用せずに直接接続するこができます。

また、iOSデバイスがマルチ・エフェクターとして使える、LINE 6のフリーiOSアプリ Mobile POD を使用できます。16種類のストンプボックスと32種類のアンプ、そしてラック・エフェクト、16種類のスピーカー・キャビネットを搭載しています。更に Mobile POD にはエレキギター用の10,000以上のプリセットも含まれています。

LINE6 Sonic Port – Supernice!DTM

TASCAM iXZ

TASCAM iXZ

iOSデバイス対応のオーディオインターフェイスの中でも、抜群のコストパフォーマンスを誇るのが、TASCAMの「iXZ」です。3,510円(2018/9時点)という価格で、ファンタム電源を搭載したXLR/TRS対応のコンボジャックを搭載し、ギターやベースからコンデンサーマイクまで、通常サイズのオーディオインターフェイスでできる楽器録音と同等の作業が可能となっています。またマイク入力時は単三乾電池2本で動作、ギター入力時は電源なしで動作するということで、自宅から持ち運んで屋外でモバイルレコーディングというにも便利です。

常に最新モデルが求められるこの界隈の中で、「iXZ」は2011年の登場からロングセラーを続けるモデルとなっています。

TASCAM iXZ – Supernice!DTM

パソコンとも繋ぐことができる最新モデル

iOSに対応したUSB接続タイプのオーディオインターフェイスは、イヤホン接続タイプに比べ、複数の入力端子を備えている製品が多く、それでいて音質に優れているのが特徴です。多少高価な製品が多いですが、本格的にDTMを楽しみたい方はUSB接続タイプを選ぶことをオススメします。モデルによってはWindowsやMacにも対応しているので、iOSで制作した楽曲をパソコンに取り込み、ミキシングやマスタリングを別に施すといったことも可能です。デモ制作はiOSで、仕上げはパソコンで、という具合に使い分けるのも良いでしょう。

Steinberg UR12 , UR22mkII , UR44 , UR242

Steinberg UR12 Steinberg UR22mk Steinberg UR44 Steinberg UR242

Windows/Mac/iOS 対応。
Steinberg のURシリーズは、コストパフオーマンスの高いエントリーモデルながら、24bit/192kHz と最高音質でのレコーディングが可能となったベストセラー・USBオーディオインターフェイス。入出力の違いやDSPミキサーの付属など、グレードによって差があります。
2014年12月登場した UR12 は1万円前後と非常にリーズナブル、2015年11月にはロングセラーモデルである 2in/2out の UR22 の第二世代モデル UR22mkII が登場するなど高い人気を誇っています。UR22mkII ではインターネット配信に便利な「ループバック機能」を搭載しています。

Steinberg UR12オススメ
Steinberg UR22mkIIオススメ
Steinberg UR44
Steinberg UR242

ZOOM UAC-2 , UAC-8

ZOOM UAC-2 ZOOM UAC-8

Windows/Mac/iOS 対応。
ZOOM UACシリーズは2015年の春に登場した USB 3.0 対応オーディオインターフェイスで、USB 2.0 に比べて転送速度が速く超低レイテンシー/高音質を実現しているモデルです。
UAC-2 はオーソドックスな 2in/2out。UAC-8 はAD/DAコンバータ搭載で最大 18in/20out と、一世代前ならば十万を優に超える高級機種並みのスペックを搭載しています。

ZOOM UAC-2
ZOOM UAC-8

TASCAM US-2×2 , US-4×4 , US-16×08

TASCAM US-2×2 TASCAM US-4×4 TASCAM US-16×08

Windows/Mac/iOS 対応。
TASCAM USシリーズは サンプリングレート 24bit / 96kHz の USB 2.0 対応オーディオインターフェイス・シリーズ。モデル名が入出力を表しており、US-2×2 が 2in/2out、US-4×4 が 4in/4out、US-16×08 が 16in/8out となっています。
本シリーズは Daw ソフト「SONAR X3 LE」及び「Ableton Live 9 Lite」が付属するという点が大きなメリットとなっています。

TASCAM US-2×2
TASCAM US-4×4
TASCAM US-16×08

2014年以前のモデル

Focusrite Scarlett シリーズ

Focusrite Scarlett シリーズ

Focusrite Scarlettシリーズ は、レッドの筐体のアルミボディがとても印象的な USB2.0接続のオーディオインターフェイスです。

ラインナップも非常に豊富で、すべてのモデルに業界でも高く評価されているFocusriteマイクプリアンプを搭載していますので、高品位な録音と、低ノイズかつ高音質のモニター環境を手に入れることできます。

また Scarlettシリーズ は共通して、音楽制作に使うDAWにプラグインエフェクトとして使用可能なScarlett Plugin Suiteが付属しています。

このプライグインにより、高いレベルのエフェクト処理(EQ,コンプ,リバーブなど)がコンピュータ上で行えるようになります。この点でも非常に大きな魅力を持ったオーディオインターフェイスとなっています。

Focusrite Scarlett シリーズ – Supernice!DTM

Focusrite iTrack シリーズ

Focusrite iTrack シリーズ

Focusrite iTrackシリーズ は Focusrite のオーディオインターフェイスの中でもiOSに特化したプロダクトのラインナップとなっています。

コンパクトな単体の iTrack Solo、それを中心に据えたDTM用のオールインワンパッケージの iTrack Studio。

iPadとドッキングさせて使用する iTrack Dockと、それを中心とするオールインワンパッケージの iTrack Dock Studio Pack。

そして、iPhoneに接続させて、自分を撮影しながらレコーディングが可能な、とてもユニーク iTrack Pocket が発売されています。(2014年11月現在) Youtubeなどへ「弾いてみた」動画を制作・投稿する際などに非常に便利です。

iOSデバイスを活用したDTMシステムの構築を考えている方は是非チェックしてみてください。

Focusrite iTrack Solo – Supernice!DTM

ALESIS iO HUB

ALESIS iO HUB

ALESISなiO Hubは、MacやWindows、またiOSデバイスでも使用することが可能な、コンパクトな2チャンネルのオーディオ・インターフェイスとなっています。

2つのコンボXLR端子を備えており、チャンネル1でが48Vファンタム電源スイッチを使用できます。チャンネル2では、ギター用のハイ・インピーダンス切り替えスイッチを搭載しているので、ギター、ベース、キーボード、ボーカルなど、あらゆるオーディオ・ソースを直接に接続可能です。

出力端子は、一般的な1/4”ステレオ出力端子とヘッドフォン端子が装備されています。メイン出力とヘッドフォン出力は、別々に独立してボリュームコントロールができます。ダイレクトモニタスイッチも装備されて、レイテンシー(遅延)が無く、最適な音量でモニタリングすることが可能です。

ALESIS iO HUB – Supernice!DTM

MOTU 8M/16M/AVB

Focusrite iTrack シリーズ

今回紹介しているラインナップの中では、このMOTUのAVBシリーズ 8M と 16A は非常にハイクラスなオーディオインターフェイスです。その分価格も高価ですが、プロフェッショル・レベルの用途にも充分に答えてくれるスペックを備えています。

8Mは8つのマイク/ライン入力(コンボXLR) と8つのライン出力(TRSフォーン)、そしてヘッドフォン出力を装備しています。最大では24チャンネルの入力と26チャンネルの出力が可能です。

16Aは16のライン入力(TRSフォーン)と16のライン出力(TRSフォーン)、そして最大で32チャンネルの入力と32チャンネルの出力が可能です。通常のオーディオインターフェイスとしてだけでなく、入出力の拡張やパッチベイなどにも利用することが可能です。コンピューターとはThunderboltあるいはUSB 3.0互換のUSB 2.0で接続します。

また、MOTU AVBシリーズは、ハードウェアと同期するWebアプリケーションでコントロールが可能です。同一のネットワーク内の、任意のプラットフォーム(Mac、Windows、Linux、iOS、Android)で、任意のWebブラウザを通じて操作することが出来る点も大きな魅力です。

MOTU 8M – Supernice!DTM

Apogee ONE/Apogee Duet

Apogee Duet2

Apogeeの製品は重量感のある音質が評価されていますが、 One for iOS & Mac は、比較的中高音域の抜けの良い音質に仕上がっています。モバイラビリティも考慮されていて、単三電池2本でも駆動して、iOS用として使用する事が可能です。Macで使用している場合はUSBから給電されます。

Duet はUSB 2.0接続の2IN/4OUTのオーディオインターフェイスで、最高で24bit/192kHzに対応しています。手前にヘッドホン出力があり、後ろにブレイクアウトケーブルを接続することで様々な楽器やマイクとの入出力を行います。

Macと接続するにはUSBケーブル(同梱)を使用し、iPadと接続するには付属のLightningケーブルもしくは30pinDockケーブルを使用します。ファンタム電源のスイッチ、ミキサー部分の操作や、タッチパッドのスイッチアサインなどを管理するアプリケーションとしてMaestro がiOS/Macに無料でダウンロードして利用できます。

Apogee Duet2 – Supernice!DTM