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Logic Pro(ロジックプロ)とは、Appleが開発・販売するMac専用のDAW(デジタル・オーディオ・ワークステーション)ソフトです。
Pro ToolsやCubase、Ableton Liveなどと並ぶ主要DAWの一つに数えられ、その中でApple純正・Mac専用という立ち位置から、Macユーザーに絶大な支持を誇ります。
2026年時点の最新版はLogic Pro 12で、バージョンアップを重ねるたびに機能や音源の強化が図られてきました。
(本記事の情報は2026年7月時点のものに更新しています)
新大阪にてギター教室を運営する傍ら、某人気YouTuberへの楽曲提供、フリー音楽素材サイトDova-Syndromeにて人気曲を配信するなど、コンポーザーとしても活動。使用DAW : Logic Pro。2015年 著書「ロック・フュージョン アドリブ指南書: マイナー7th上で多彩なフレーズを生み出す方法」、2016年 著書「六弦理論塾〜ギタリストのためのよく分かる音楽理論」上梓。
LogicはドイツのEmagic社が1993年に初代バージョンを発表しました。
当時はMIDIシーケンサーソフトとして知られており、外部音源をつなぎ、打ち込んだものを鳴らすためのソフトウェアという位置づけでした。
のちにLogic Audioとしてレコーディング可能な製品が登場し、さらにそれがメインのシリーズに統合され、現在におけるLogicの源流が作られました。
2002年にはEmagicがAppleに買収され、それとともにWindows版のLogicは開発が停止、以後はMacintosh専用ソフトとしてその歴史を築いていくことになりました。
Intel MacとしてのMac OS X以降、Logic Pro 9を含む音楽制作スイートLogic Studioとしての販売を経て、2013年にはLogic Pro Xへとバージョンアップします。
その後、名称からは「X」が外れて「Logic Pro」となり、2024年にはメジャーアップデート版のLogic Pro 11、2026年にはLogic Pro 12が登場と、現在に至るまで進化を重ねています。
パッケージ版などは存在せず、現在もMac App Storeでの取り扱いのみとなっています。
MacとiPadでシームレスに使えるLogic Pro
多数の使用者が存在するLogicですが、開発元がAppleであることからMac専用のソフトとなっています。
ホストとなるMacやOSに最適化されているため動作は非常に軽快で、Apple Silicon搭載のMacBook Airのような比較的手頃なモデルでも、一定以上の作業を快適に行うことができます。
なお、Logic Pro 12ではIntel Macのサポートが終了し、Apple Silicon搭載Macが必須となった点は購入前に押さえておきたいところです。
同じくApple製品であるiPhone、iPadとの連携も非常にシームレスで、中でも代表的な機能がLogic Remoteです。
これはiPhoneやiPadでMacのLogicを操作する機能で、ミキサーや再生・停止などのトランスポートパネルとして利用したり、サンプラーのトリガーとしてMIDIコントローラーのように利用するなど、Logicの多くのパラメータをコントロールできます。
また、iPhoneやiPadに付属するGarageBandはLogicの下位アプリにあたり、プロジェクトのやりとりなどもスムーズに行えます。
現在のDAWソフトにおいて付属プラグインは相当に充実しているのが普通であり、それだけで大抵の音楽が作れてしまうほどになっていますが、Logic Proについては他の製品と比べても質・量ともに群を抜いています。
エフェクトプラグインには、リニアフェイズやヴィンテージ系まで選べる7種類ものEQ、用途別に使える4種類のリバーブ、ステレオイメージャーやトレモロなど、一般的なものからマニアックなものまで網羅しています。
さらに圧巻なのが音源で、サンプラーのSampler/Quick Samplerをはじめ、サンプリング、ヴィンテージ、物理モデリングまで様々な種類のシンセが10種類以上、キーボード音源にはオルガン、クラヴィネット、エレピ、メロトロンの専用音源が各種用意されています。
Retro Synth
他にも20種類以上のアンプモデルを内包するギターアンプモデラーAmp Designer、ドラム音源としてDrum Kit Designer、NI Batteryを彷彿させるドラムサンプラーDrum Machine Designerなどが用意され、極めつけに20,000以上のオーディオサンプル集”Apple Loops”が付属します。
総ファイルサイズ数十GBをこえるこれらのコレクションはまさに他のDAWソフトが霞むほどの充実ぶりであり、後述のコストパフォーマンスにつながるこの付属プラグイン・サンプルの圧倒的な量こそが、Logicの人気を決定づける一つの要素となっています。
ギター博士の練習曲「#4 閃光のハカセェイ」
楽曲「#4 閃光のハカセェイ」は、Logic Proで録音/ミックスダウンが行われている
ギター博士がLogic Proを使って録音・編集した楽曲が上の音源です。
この音源のようなバンドものからストリングスが入ったアレンジ、ダンス/エレクトロ/EDMなど打ち込み系のトラックメイキングまで、幅広いジャンルに対応した楽曲制作が行えます。
複数のテイクをつなぎ合わせるクイックスワイプコンピング機能や、ボーカルのピッチや打楽器のタイミングを内部エンジンのみで修正するFlexの存在は、オーディオレコーディングをメインとする制作には必須と言える機能でしょう。
さらにLogic特有の機能として、ドラムパターンの自動生成機能であるDrummerの存在が挙げられます。
ジャンルやスタイルを選ぶだけで最適なパターンを自動で作り出してくれるこの機能は、ドラムに詳しくないギタリストやボーカリストにとって非常に有用であるほか、ドラムトラックの簡易的なメモにも役立ち、MIDIトラックに落とし込んで手直しして使うことも可能です。
Drum Kit Designer
またバージョン10.5より追加されたLive Loop機能は、ループ素材をリアルタイムにマス目へ貼り付けながら制作を進めていく、さながらAbleton Liveを彷彿させるツールで、それまでの制作方法とは一味違う手法が取れるようになりました。
このバージョンからは、それまでLogicがあまり得意としてこなかったサンプラー系についても多くのアップデートが施され、まさに死角のないDAWになりつつあります。
ここまで紹介してきた機能に加え、Logic Pro 11(2024年)以降はAIを活用した新機能が相次いで追加され、制作の幅がさらに広がっています。
中でも代表的なものが、AIが曲に合わせて演奏を生成する「Session Players」や、既存のミックスをパートごとに分離する「Stem Splitter」です。
主な新機能を、追加されたバージョンとあわせて整理すると次のようになります。
| 機能名 | 概要 | 追加バージョン |
|---|---|---|
| Session Players | 従来のDrummerにBass Player・Keyboard Playerが加わり、AIが曲に合う演奏を自動生成。12ではSynth Playerも追加 | 11〜12 |
| Stem Splitter | ミックス済みの音源をドラム/ベース/ボーカル/その他の4パートに分離(Apple Silicon搭載Macが必須) | 11 |
| Mastering Assistant | 楽曲を解析し、バランスを整えたマスタリングを自動で施す | 11 |
| ChromaGlow | 真空管系のサチュレーションやドライブを加えるプラグイン | 11 |
| Chord ID | オーディオやMIDIからコード進行を解析・抽出する | 11〜12 |
Session Playersは、ドラムに続いてベースやキーボード、シンセの伴奏までAIが提案してくれる機能で、ひとりで制作するギタリストやボーカリストにとって心強い存在です。
Session Players:AIが曲に合わせて伴奏を生成する(画像はKeyboard Player)
Stem Splitterは、既存の楽曲から特定のパートだけを抜き出したいときに便利で、リミックスや練習用音源の作成にも活用できます。
Stem Splitter:ミックス済みの音源をパートごとに分離できる
いずれもAppleが自社チップの性能を活かして実装した機能であり、Apple Silicon搭載Macならではの快適さで動作します。
Mastering Assistant:楽曲を解析して自動でマスタリングを施す
前述の通り、膨大な付属音源やサンプルが用意されていながら、買い切りの製品価格は30,000円(税込)です。
この価格は長らく据え置かれており、全機能をこの一本で使えるDAWとしてはかなり手頃な部類に入ります。
たとえばFL Studioは手頃なエディションも用意されている一方、全プラグインを揃えた最上位版は6万円以上、競合製品のCubaseも上位版のProでおよそ5万円を超えることを考えると、Logic Proのコストパフォーマンスの高さがよくわかります。
さらにLogicにはグレードの区分がないため、「上位版のみに付属するエフェクト」といった制約とも無縁です。
かつてはPro Toolsのようなサブスクリプション形態を持たず、買い切りのみという点が強みでした。
2026年からはAppleの月額サービス「Apple Creator Studio」(Logic ProやFinal Cut Proなどをまとめて利用できるバンドル)も選べるようになり、個人向けで月額1,780円・年額17,800円、学生・教職員向けで月額480円という価格設定が用意されています。
とはいえ従来どおり30,000円の買い切りで購入すれば、以降のアップデートは追加費用なく受け取れるため、長く使うほど割安になる構図は健在です。
実際、頻繁にマイナーアップデートが行われ、その度に音源やプラグインが少しずつ増えていくため、ユーザーからの満足度は高く、高いコストパフォーマンスを維持し続けています。
Vintage Console EQ
バージョン10.4から追加されたEQコレクションです。
Console、Graphic、Tubeの3種が含まれており、それぞれNeve系、API系、Pultec系となっています。
いずれも本家のものをうまく再現しており、かねてより付属していたChannel EQではなかなか出すことができなかった質感の付与が可能となりました。
特にその質感の部分は柔軟にコントロールできるように作られており、そのために右端に用意されたDriveとOutput Modelの2種のコントロールが特徴的です。
その恩恵もあり、音作りの幅が広く、多彩な可能性を持ったEQプラグインとなっています。

LogicでのリバーブといえばコンボリューションタイプであるSpace Designerが真っ先に挙がりますが、その対極となるアルゴリズムリバーブがこのChromaVerbです。
14種類の部屋のタイプを選び、細やかな設定で追い込むことができる王道のリバーブプラグインです。
部屋のタイプはどれも「音が徐々に吸収される円形の構造物」が想定されており、自然な減衰を含んだナチュラルな残響が得られるのが特徴です。
バージョン10.4から新たに搭載された後発のプラグインだけあって品質は高く、詳細なパラメータも相まって作れるサウンドは多岐に渡ります。
Amp Designer
ギターアンプモデリングのプラグインです。
昨今のDAWソフトではおなじみとなっているカテゴリですが、使用できるアンプの数は付属プラグインとしてトップクラスのバリエーションを誇り、ベースアンプとギターアンプで別枠になっていることからもその充実ぶりが見て取れます。
音質はサードパーティ製の専用品にはさすがに及ばないものの、ハードロック、ヘヴィメタルやギターインストなど、ギターが曲中の大半を埋めるような音楽でなければ、十分に対応できるレベルが担保されています。
Pedalboard
これもまた別枠となっているギター用エフェクター専用プラグインPedalboardの存在と合わせて、あらゆるギターサウンドが構築できるでしょう。

ロックミュージシャンを中心に大変な人気を誇るHammond B3をモデリングした音源です。
Logicの付属インストゥルメントの充実ぶりを示す際によく挙げられる存在で、オルガンの専用音源がデフォルトで搭載されているDAWはLogic以外にはなかなか見当たりません。
さながら本物のB3のようにドローバーをコントロールして音色を作っていくことができ、ドライブやロータリースピーカーの設定も可能と、ハモンドオルガンに必要な要素をすべて備えた優秀な音源です。
プリセットは数が多く完成度も高いため、そのまま曲中に使用することもできます。
Logicのキーボード専用音源は他にクラヴィネット、エレピ、メロトロンがあり、いずれも非常に高品質です。
これらの楽器が大活躍した70年代ごろのロックやフュージョンが好きな人にとっては、垂涎もののコレクションとなっています。

バージョン10.2より追加された、4つのオシレーターを持つソフトシンセです。
4つのベーシックな波形、往年のシンセの銘機からモデリングされた多数の波形が搭載され、それらに7種類の合成エンジンを施してサウンドを作ります。
オリジナル波形のインポート機能や、16もの重ねがけができるModulation、オシレーターごとに調整可能なアルペジエイターなど、専門的にも非常に込み入った調整ができる奥の深いシンセです。
その一方で、8マスを適当に選択するだけでサウンドを激変させられるトランスフォーム機能や、膨大なプリセットがDAWのサウンドライブラリと一体化した構成など、シンセ初心者にもとっつきやすい側面を持ち、あらゆる層を満足させられる高いポテンシャルを備えています。
もともとはCamel Audioという会社が約249ドルで販売していた製品で、それが付属として使えるようになったものであり、そのクオリティは無料の付属音源のレベルを完全に逸脱しています。
この存在だけでLogicを使う価値があると言われるほどで、Logicを代表する音源の一つと言ってよいでしょう。
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