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ACIDは1998年に米Sonic Foundry社が”Acid pH1″として発表したループベース音楽制作ソフトで、テンポとキーが異なるオーディオループを並べるだけで自動的に同期させる仕組みを業界に持ち込んだ元祖シーケンサーです。
2003年にソニーピクチャーズデジタルが買収してSony Creative Softwareブランドで展開し、2016年5月にドイツのMAGIX社が主要DTM製品群を引き継いで以降、開発はMAGIXが継続しています。
現行最新版はACID Pro 11。さらに上位構成のACID Pro 11 Suite、入門向け廉価版のACID Music Studio 11の3グレードがラインナップされており、日本国内ではソースネクストが代理販売しています。
Windows専用(64bit)で、macOSには対応していません。
ループシーケンサーの祖というキャラクターはそのままに、Brainworxのアナログモデリング・プラグインやiZotope Ozone 11 Elements、Celemony Melodyne 5 essentialといった現代的なミキシング/マスタリング/ピッチ補正ツールを内蔵し、クラブ系・エレクトロニカ系の制作に向く性格は今もブレていません。
MIDI打ち込みやオーディオレコーディングも当然対応しており、ACID Pro 11では新搭載の「ACID Morph Pads」によって複数の音色をXYパッドでモーフィングしながら鳴らせる、新しい遊びどころが追加されています。
オーディオ
・最大24bit / 192kHzのハイレゾリューションオーディオに対応
・élastique Pro v3タイムストレッチエンジンを採用、テンポ/ピッチをリアルタイムに追従
・オーディオトラック数は無制限
MIDI
・MIDIトラック数は無制限
・MIDIインライン編集、ドラムグリッドエディター、グルーブクオンタイズに対応
・新搭載のChopperはMIDIコントロールに対応し、サンプルスライスを外部ハードから叩ける
プラグイン
・VST3/VST/ASIO/DirectXに対応
・Brainworxプラグインを内蔵(Pro 11は2種、Suiteは5種)
・iZotope Ozone 11 ElementsによるAIマスタリング
・Celemony Melodyne 5 essentialでのピッチ/タイミング補正
・MAGIX純正のessentialFX Suite/coreFX Suite/Analogue Modelling Suite
楽曲制作を支える機能
・ドラッグ&ドロップ中心のループ編集ワークフロー
・Beatmapperツールで素材のテンポを自動検出してリミックスを高速化
・セクションラベルでアレンジ全体を構造的に把握
・新搭載のACID Morph Padsで複数の音色をXYパッドからモーフィング再生
・Independence Pro Sound Library付属(Pro 11は12GB、Suiteは70GB)
ACID Pro 11のソングエディター画面
ACIDの基本動作は、ブラウザに並んだループ素材(ACIDized WAV)をタイムラインへドラッグ&ドロップすることです。
ループ側にテンポとキー情報が埋め込まれているため、プロジェクトのテンポ/キーに合わせて自動でタイムストレッチ&ピッチシフトされ、ばらばらの素材でも違和感なく重ねられます。
ACID Pro 11では13.6GB分、ACID Pro 11 Suiteでは16.6GB分のACIDizedループを標準収録しており、ドラム・ベース・シンセ・ギターといった主要パートをパッケージ内で完結させられます。
音楽理論や打ち込みスキルがなくても、選んで並べるだけで楽曲の骨格を組めるところがACIDシリーズの最大の強みです。

CDや手持ちのオーディオファイルを読み込むと、Beatmapperツールが小節線とテンポを自動解析し、プロジェクト内で任意のBPM/キーに追従させられます。
テンポを動かしても拍頭がズレない状態を担保できるため、リミックスやマッシュアップ制作との相性が良好です。
解析後は小節単位で自由にカット・並べ替えができ、エディット後も滑らかにループ再生されるので、サンプリングベースの制作フローがスムーズに回ります。
ループシーケンサー出自ながら、現代のACID Pro 11はピアノロール/ドラムグリッド/ステップエディターを備えた本格的なMIDI環境を持ち、最大24bit/192kHzのオーディオレコーディングにも対応します。
Vita系のソフト音源(Pro 11は19種、Suiteは29種)が同梱されるので、ボーカル・ギター・ベースなど生音と組み合わせた歌モノ制作にもひととおり対応できます。
ACID Pro 11は、ドイツのプラグインメーカーBrainworxによるアナログモデリング系プラグイン(bx_masterdesk/bx_console N)を軸に、iZotopeのAIマスタリングOzone 11 Elements、Celemonyのピッチ補正Melodyne 5 essentialを標準バンドルします。
MAGIX純正のエフェクトスイート群(essentialFX Suite/coreFX Suite/Analogue Modelling Suiteなど)と組み合わせれば、ミキシングからマスタリングまでをACID内で一通り完結させられる構成です。
ACID Pro 11 SuiteではBrainworxのbx_console系コンソール・エミュレーターやヴィンテージ・シンセサイザーbx_oberhausenなど計5種に拡張され、加えてMAGIX独自のdynamicEQも追加されます。
これらは他のDAWでも使える単体ライセンスとして登録できるため、ACID単体で完結させなくてもプラグイン資産として活きるところが大きな魅力です。
ACIDシリーズはプロフェッショナル向けの2グレードと、入門者向け廉価版の合計3製品で構成されています。Music StudioはACID Pro 9相当の機能をベースにした簡易版で、収録ループ容量・搭載エフェクト・対応プラグイン形式に差が付けられています。
| 項目 | ACID Pro 11 Suite | ACID Pro 11 | ACID Music Studio 11 |
|---|---|---|---|
| カテゴリ | ループシーケンサー型DAW(フラッグシップ) | ループシーケンサー型DAW(標準) | 入門向けDAW |
| 対応OS | Windows 10/11(64bit) | Windows 10/11(64bit) | Windows 10/11(32/64bit) |
| 対応フォーマット | VST3 / VST / ASIO / DirectX | VST3 / VST / ASIO / DirectX | VST / ASIO / DirectX |
| 必要スペック | 1GHz以上(マルチコア推奨)/RAM 1GB(8GB推奨) | 1GHz以上(マルチコア推奨)/RAM 1GB(8GB推奨) | 1GHz以上(2GHzクアッドコア推奨)/RAM 1GB(8GB推奨) |
| 同梱コンテンツ | 16.6GB ACIDizedループ/Vita音源29種/エフェクト38種/Independence 70GB | 13.6GB ACIDizedループ/Vita音源19種/エフェクト31種/Independence 12GB | 3GBループ/essentialFX Suite/am|track SE/Vandal SE |
| 主要バンドル・プラグイン | Brainworx 5種/Ozone 11 Elements/Melodyne 5 essential/dynamicEQ | Brainworx 2種(bx_masterdesk/bx_console N)/Ozone 11 Elements/Melodyne 5 essential/modernEQ/VariVerb II | essentialFX Suite/am|track SE/Vandal SE |
| バージョン | 11 | 11 | 11 |
シリーズ最上位グレード。Brainworxのコンソール・エミュレーター(bx_console N、bx_console Focusrite等)やヴィンテージ・シンセサイザーbx_oberhausenを軸にプロ仕様のBrainworxプラグインを5種抱え、さらにMAGIX独自のdynamicEQも追加されます。
Independence Pro Sound Library 70GB、29種のVita楽器、16.6GBのACIDizedループを束ねた、ACID Pro 11の全部入り構成です。
国内DTMメディアでは同梱プラグインの市価合計を約40万円相当と紹介しており、ACID単体で完結させない場合でも他DAWで活用できる資産としての価値が大きい構成です。
スタンダードグレード。Brainworxはbx_masterdeskとbx_console Nの2種、Ozone 11 ElementsとMelodyne 5 essentialを標準バンドルし、Vita楽器19種、エフェクト31種、Independence Library 12GB、ACIDizedループ13.6GBが付属します。
マスタリングまでACID内で完結させたい個人クリエイター向けに、必要十分なパッケージとしてバランスが取られたグレードです。
シリーズ最廉価の入門グレード。ACID Pro 9世代の機能をベースに、初心者向けにシンプル化しています。3GB分のループ素材、essentialFX Suite(4種)、コンプ/プリアンプの am|track SE、ギターアンプシミュレーターのVandal SEといった必要最小限の構成です。
32bit版にも対応する数少ない現行DAWの一つで、古いPC環境をそのまま使いたいユーザーにも選択肢になります。MelodyneやOzoneといったサードパーティ・プラグインは含まれず、これらが必要であればACID Pro 11以上を選ぶ構図です。

Acid について…
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