DTMの総合情報サイト

ブラウザベースの音楽制作環境はこの10年で劇的に進化し、いまやインストール不要でプロ品質のミックスやマスタリングまで完結できる時代になりました。Web Audio API の成熟、リアルタイム協業機能の普及、そしてAIアシスタントの統合によって、PC・スマホ・タブレットを問わずブラウザだけでDTMが可能です。
今回は2026年の今、無料で本格的に使えるブラウザDTMサイトを厳選して紹介します。シンセサイザー、ドラムマシン、本格DAW、教育系の音楽実験ツールまで、目的に合わせて選べるラインナップです。

スウェーデン発のオンラインDAWで、2017年にSpotifyが買収。今やブラウザDAWの代表格として世界中の制作者に使われています。Chrome / Safari / Firefox / Edge から、Windows / macOS / Linux / iOS / Android のいずれでも同じプロジェクトを開けます。
24,000以上のループとサンプル、860種類超のバーチャル楽器、ボーカルチューナー、AIマスタリングまでブラウザ内で完結。リアルタイムの共同編集機能により、離れた場所にいる仲間と同じプロジェクトを同時に編集することもできます。
無料プランでも作曲・録音は十分可能で、月額9.99ドルの「Soundtrap for Music Makers Premium」にアップグレードすると、ループ素材や楽器ライブラリが大幅に拡張されます。Spotify Premiumとのバンドルプラン(月19.99ドル)も用意されており、聴く側と作る側を一気通貫で楽しめる設計です。
サイト:Soundtrap

シンガポールを拠点とするBandLab Technologiesが運営する、機能制限のほぼない完全無料のクラウドDAW。ブラウザでもiOS/Androidアプリでも同じプロジェクトを編集でき、保存容量も無制限。無料プランで以下のような機能がすべて使えるのが圧倒的な強みです。
楽曲のmp3/WAVエクスポートも無料プランで可能なため、初心者が「とりあえずブラウザだけでDTMを完結させたい」という用途に最も向いています。
サイト:BandLab

スウェーデン発のオンラインDAWで、Ableton Liveに似たクリップベースのワークフローを採用。ドラムマシン、サンプラー、シンセ、リバーブ/ディレイ/EQ/コンプを内蔵し、20,000以上のロイヤリティフリーループを利用できます。
無料トライアルから始めて、Starter(月9.99ドル)/Creator(月14.99ドル)/Pro(月49.99ドル)と段階的にプロジェクト数・トラック数・サンプル数を解放できる構成。リアルタイム共同編集にも対応しているため、リモートでセッションする用途にも適しています。
月間アクティブユーザーは15万人を超えるコミュニティ規模で、世界中のクリエイターと作品を共有できます。
サイト:Soundation

ドイツ発、2010年から続く老舗のブラウザDAW。最大の特徴は、仮想スタジオの机にハードウェアシンセ/ドラムマシン/エフェクターを物理的に並べてケーブルで結線していくモジュラー式ワークフローです。
Roland TR-808/TR-909ライクなビートマシン「Beatbox 8/9」、減算合成からウェーブテーブル合成までカバーするシンセ群、28種の内蔵FXなど、深いサウンドメイクが可能です。
2026年1月にオープンベータが始まり、5月26日には新しい「Audiotool Studio」と開発者向けAPI「Nexus」の正式版がローンチされました。Nexusは、サードパーティが自由にプラグインや楽器、AIアシスタント機能までブラウザDAW内に追加できる業界初のオープンプラットフォームで、DAWそのものを拡張できるという発想は注目に値します。
20万件以上のシンセプリセットと100万曲超のコミュニティ楽曲が公開されており、リミックス文化を楽しめるのも魅力です。
サイト:Audiotool

Googleが教育目的で公開している無料の音楽実験ツール集。Chromeでの利用が推奨されていますが、Web Audio APIに対応した他のブラウザでも動作します。アカウント登録は不要で、ページを開いた瞬間から遊べる手軽さが魅力。
収録されているのは以下のような14種類のミニツールです。
子供の音楽教育や、シンセサイザー初心者が「音とは何か」を直感的に把握するのに最適です。
サイト:Chrome Music Lab
John “shaktool” Nesky氏が個人開発しているオープンソースのブラウザ作曲ツール。チップチューン/8ビットサウンドのスケッチに特化していて、ピアノロール・ドラムロール・複数チャンネル・コードプリセット・スケール選択など、シンプルながら本格的な作曲機能を備えています。
最も独特なのは楽曲データをすべてURLに格納する仕組み。ノートを編集するたびにブラウザのURL自体が更新されるため、保存はそのURLをコピーするだけ、共有もURLを送るだけで完結します。アカウントもサーバーも一切必要ありません。
派生プロジェクトとして、ピッチチャンネル40本やモジュレーション機能を追加した「JummBox」、より多機能な「ModBox」「Pandora’s Box」なども公開されており、好みに応じて拡張版を選べます。
サイト:BeepBox
YAMAHA「TENORI-ON」にインスパイアされた16×16グリッドのペンタトニックステップシーケンサー。マス目をクリックして点灯させると、列ごとに上から音が再生される単純な仕組みで、誰でも数秒で美しいパターンが作れます。
かつて andre-michelle.com で公開されていたFlash版はサービス終了済みですが、開発元のAudiotoolが現行版をHTML5ベースで継承公開しています。
C4/D4/F4/G4/A4から始まるペンタトニックスケール限定なので不協和音が出ないのが特徴で、音楽理論を知らない人でも雰囲気のあるフレーズを生成可能。短時間で人を音楽に触れさせる入口として、未だに教育現場でも使われている定番ツールです。

HTML5/JavaScriptで動作するシンプルなブラウザドラムマシン。テンポ・シャッフル・スウィングを設定し、グリッドをクリックしていくだけで4小節〜のループを組めます。
複数のドラムキット、ミュート/ソロ、シーケンスのループ再生といった必要十分な機能を備えていて、画面のシンプルさゆえに初心者でも迷わず操作できます。
ブラウザDAWに比べると機能は限定的ですが、「リズムだけ素早くスケッチしたい」というシーンには今でも十分役立つ存在です。
サイト:Patternsketch

旧 mudcu.be/piano から miko.art を経て、現在は colorpiano.com として運営されているブラウザピアノ/音楽学習サイト。Miko Meowが2008年から継続的にメンテナンスしています。
特徴は1音1色を割り当てた共感覚的な視覚表現で、MIDIファイルを読み込むと演奏中のノートがカラフルに発光します。スケール/コード/プログレッションの理論学習セクションも整備されていて、PCにMIDIキーボードを繋げばその場で弾きながら学べます。
サイト:Color Piano
10年前にこの記事で紹介していたサイトの多くはFlashの終焉とともに姿を消しましたが、その間にWeb Audio APIが成熟し、ブラウザDAWは「お試し用」から「本番制作用」へと完全にステージを変えました。
本格制作ならSoundtrap/BandLab/Soundation/Audiotoolのいずれかを選び、リズムやコードのアイデア出しにはBeepBox/ToneMatrix/Patternsketch、音楽教育や子供向けにはChrome Music Lab/Color Pianoが定番です。
インストール不要・無料・どの端末からでも続きが触れる――この手軽さは、DTMを始める入り口を間違いなく広げています。気軽に試して、自分の制作スタイルに合うサービスを見つけてみてください。
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