DTMの総合情報サイト
DAWソフトはパソコンで楽曲制作を行う中心となるソフトウェアで、これがなければDTMは始まりません。かつてはアマチュアが手を出せない高額なものがほとんどでしたが、近年は本格的な有料DAWでも安価で手に入るようになり、無料DAWのクオリティも有料製品と遜色ないレベルにまで到達しています。
このページでは「まずは無料DAWで感覚を養いたい」と考えるDTM初心者の方向けに、2026年現在の 本当に使える無料DAW を紹介します。あわせて、過去に定番だったものの開発終了・サービス終了となった無料DAWについても整理しました。
ここ数年で無料DAWの主役は大きく入れ替わりました。長年定番だった「Cakewalk by BandLab」は2025年8月にアクティベーションが停止され、後継の「Cakewalk Sonar」「Cakewalk Next」の Free Tier へ移行。
PreSonusの「Studio One Prime」は2024年10月のStudio One 7で廃止、さらに2026年1月にはStudio One Pro自体がFender傘下で「Fender Studio Pro」に改名されました。そのFenderからは別途、無料のエントリーDAW Fender Studio も登場しています。
つまり、現役で実用的に使える無料DAWは下の表のラインナップに整理できます。
| 製品 | 対応OS | カテゴリ | 同梱コンテンツ | 提供形態 |
|---|---|---|---|---|
| Cakewalk Sonar | Windows 10/11 | フル機能DAW | TTS-1/Studio Instruments Suite/TH3 CW Ed./Sonitus FX/Boost 11/ProChannel | Free Tier / BandLab Membership |
| Cakewalk Next | Windows/macOS 10.15+ | 新世代DAW(クラウド連携) | 内蔵Sampler/Pad Controller/BandLab Sounds(10万点超) | Free Tier / BandLab Membership |
| GarageBand | macOS/iPadOS/iOS | Apple標準DAW | Drummer/Apple Loops/ギターアンプ/ボーカルプリセット | 完全無料 |
| Fender Studio | Windows/macOS/iOS/Android/Linux | マルチプラットフォーム入門DAW | Mustang/Rumbleアンプ・ストンプBOX・ジャムトラック | 完全無料(アカウント登録で16トラック開放) |
| Tracktion Waveform Free | Windows/macOS/Linux/Raspberry Pi | 制限なしの本格DAW | 内蔵インストゥルメント4・オーディオ14/MIDI8・ユーティリティ11 | 完全無料(追加コンテンツは別売) |
| Pro Tools Intro | Windows/macOS | 業界標準DAWの無料版 | AIR Xpand!2/純正36プラグイン(EQ/コンプ/Reverb等) | 完全無料(要iLokアカウント) |
| REAPER | Windows/macOS/Linux | 軽量フル機能DAW | ReaPlugs/ReaSynth/ReaSamplOmatic5000 | 60日試用(以降は$60/$225のライセンス推奨) |
| FL Studio(試用版) | Windows/macOS | 有料DAWの無期限試用版 | 全プラグイン・全機能(プロジェクト再オープン不可) | 機能無制限・期限なし(保存ファイルは再読込不可) |
それぞれの特徴を順番に見ていきます。

Windows 10/11
かつての有料DAW「SONAR Platinum」の系譜を継ぐフラッグシップDAWで、無料の Free Tier でも64-bit浮動小数点ミックスエンジン・無制限トラック・VST3/ARA2対応・ProChannelといった上位機能をひと通り利用できます。多くのユーザーを抱えていた旧SONARのSkylightインターフェースをそのまま継承しているため、ウェブ上の旧SONAR向けチュートリアルやフォーラム情報がほぼそのまま通用するのも入門時の強みです。

Windows/macOS
SonarのMac対応はないものの、同時にリリースされた Cakewalk Next は Cakewalkブランドとして初めてmacOSに正式対応 した新世代DAWです。Arranger Inspectorによるセクション単位の曲構成、内蔵Sampler/Pad Controller、BandLabアプリとの双方向同期など、モバイル〜デスクトップを行き来する制作スタイルに最適化されています。VST/AUプラグインにも対応しているため、サードパーティ音源もそのまま利用可能です。
執筆時点の最新版はSonar 2026.04。Cakewalkシリーズの詳細とBandLab Membershipの違いは Cakewalk Sonar/Next の専用記事 にまとめてあります。

macOS/iPadOS/iOS 専用
Macに最初から搭載されているApple純正のDAWで、Appleの本格DAW「Logic Pro」と音源・プラグイン規格を共有する点が最大の魅力です。ドラム/シンセサイザー/エレピ/ストリングスといった音源、Apple LoopsやDrummer(バーチャルセッションドラマー)、ギターアンプとボーカルプリセット、Audio Unit対応の外部プラグインまで揃い、無料DAWとしては破格の充実度を誇ります。
iPhone/iPadにも無料アプリ版が提供されており、外出先で書いたスケッチをMacのGarageBandやLogic Proでそのまま開いて続きを書く、というワークフローが標準で組まれているのも強みです。プロの楽曲制作にも使用された実績があり、Macで本気のDTMを始める入口として現在もっとも安心して勧められる選択肢といえます(実例は GarageBandで作られたヒット曲 にまとめてあります)。

Windows/macOS/iOS/Android/Linux 対応
2025年5月にFenderが投入した完全無料のマルチトラックDAWです。後にFender傘下でリブランドされた「Fender Studio Pro(旧Studio One Pro)」と同じチームが開発しており、Studio Oneと共通のDNAを持ったすっきりとした操作系が特徴です。
初期状態で 8トラック、無料アカウント登録で 16トラック・MP3書き出し・追加エフェクト/アンプ/ジャムトラックが解放されます。FenderだけあってMustang系ギターアンプとRumble系ベースアンプのモデリング、ストンプBOXエフェクトが内蔵されており、ギター/ベースの宅録から入りたい人にとって特に相性が良い無料DAWです。
Linux版が用意されている数少ない選択肢でもあります。

Windows/macOS/Linux/Raspberry Pi 対応
イギリスTracktion社が提供するシングルウィンドウ型DAWの無料版で、執筆時点の最新は Waveform Free 13.5。商用利用も含めて トラック数・書き出し・プラグイン数すべてに制限がない という、無料DAWとしては破格の方針が貫かれています。
VST/VST3/AUに対応し、内蔵で4種のインストゥルメント・14種のオーディオエフェクト・8種のMIDIエフェクト・11種のユーティリティが付属。Linux/Raspberry Pi 3 Model Bにまで対応しているため、Mac/Windows以外の環境でDTMを始めたい人にとっては事実上の第一候補となります。
Waveform Free – Tracktion Software

Windows/macOS 対応
プロのレコーディングスタジオで業界標準として使われ続けてきたAvid「Pro Tools」の無料エディションです。2022年に旧「Pro Tools First」を全面置換する形で登場し、有料版と 同一のコードベース・同一のセッションファイル形式 を共有する点が大きな進化です。
トラック数はオーディオ8/インストゥルメント8/MIDI8の合計24トラックに制限されていますが、AIR Xpand!2(2,500プリセット超)を含む36種のAvid純正プラグインを同梱。サードパーティ製のAAXプラグインにも対応するため、将来的に有料版のPro Toolsにステップアップする想定がある人にとっては、最初に触れる無料DAWとして合理的な選択肢です。
利用にはiLokアカウント(無料)の登録が必要となります。

Windows/macOS/Linux 対応
アメリカのCockos社が開発する軽量DAWで、執筆時点の最新版は v7.73。インストーラがわずか十数MBという小ささと、低スペックPCでも軽快に動作する設計から、ハードに依存しないDAWを探すユーザーから根強く支持されています。
ただし注意点として、REAPERは厳密には完全無料のDAWではなく 60日間のフル機能評価版 が提供されているソフトです。評価期間を過ぎたあとも機能制限なく起動できる仕様ですが、継続して使う場合は個人ライセンス60米ドル/商用ライセンス225米ドルの購入が公式に求められます。
なお購入したライセンスは REAPER v8.99までの全アップデートを含む ため、長期で見ると有料DAWの中でも最安クラスです。

Windows/macOS 対応
ベルギーImage-Line社の有料DAW「FL Studio」には期限のない試用版が用意されており、 全エディションの全プラグイン・全機能・WAV/MP3/OGG/FLAC/MIDIの書き出しまで制限なく 利用できます。ウォーターマークや音質劣化もありません。
ただし試用版には唯一にして決定的な制限があり、保存した .flp プロジェクトファイルを 試用版から再オープンすることができません。つまり「曲を完成までもっていく」用途には向かず、有料版購入を前提に「FL Studioという製品の使い心地を本気で見極める」ためのデモ版という位置づけです。

Windows/macOS/Linux 対応
オープンソースの波形編集ソフトで、2021年からはMuse Group傘下で開発が続けられています。執筆時点の最新は v3.7.7。
マルチトラックでの録音・編集には対応しているものの、MIDIシーケンス制作や本格的なバーチャルインストゥルメントの利用には向かないため、厳密には「DAW」ではなく 録音・編集・マスタリング用の波形エディタ として位置づけたほうが正確です。
無料DAWで作った楽曲のミックス済みファイルに対するノーマライズ、フェードイン/アウト、コンプレッサーやリバーブのかけ録り、ノイズ除去(OpenVINOによるAI音声分離も追加)、各種フォーマット変換などに重宝します。
ポッドキャストやナレーション制作、テープ/レコードのデジタル化など、楽曲制作以外の用途も含めて持っておきたい1本です。
以上、2026年時点でWindowsやMacパソコンで実用的に使える無料DAWの紹介でした。
なお近年はオーディオインターフェイスの多くにCubase LE/AI、Studio Oneの限定版、Ableton Live Liteといった無料DAWがバンドルされているケースが増えています。ハードと無料DAWをまとめて揃えたい場合は、まずオーディオインターフェイスを選ぶところから検討するとよいでしょう。

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