後継機種を数多く生み出した、源流を作ったハードウェア機材たち[記事公開日]2015年3月18日
[最終更新日]2021年06月21日

今日、パソコンのDawソフトを開いて当たり前のように鳴らしているシンセ音源。様々なサウンドがありますが、元々はかつて人々を魅了したハードウェア機材のサウンドを再現しているものも少なくありません。アナログシンセ再評価の流れの中、このページでは「後継機種を数多く生み出した、源流を作ったハードウェア機材たち」というテーマで、【定番の音色】を生み出した機材について紹介していきたいと思います。

KORG TRITON pro

KORGのTRITONシリーズは、世界的に高い評価を受けて大人気となったTRINITYの後継機として開発されました。そのTRINITYから受け継がれた特徴的なサウンドはTRITONシリーズになってからも、世界中のミュージシャンを魅了してやみません。

1999年、初代 TRITON が発売されました。61鍵以外のモデルは、鍵盤数ごとに名前の語尾が変わり、76鍵がTRITON pro、88鍵がTRITON proXと表記されます。

TRITON taktile-25 TRITON taktile-49 TRITON taktile 25鍵、49鍵

2000年には鍵盤のない音源部のみのモジュールであるTRITON Rackを発売。 2001年には初心者向けモデルTRITON Leを、翌2002年にはプログレード向けに更にスペックを高めたTRITON STUDIOを発売。2004年には真空管でアナログな音色も搭載したTRITON Extremeを発売。翌2005年にTRITON Leの後継機種TRを発売。そして、2014年に最新の音楽制作環境にフィットさせながら、KORGの過去の遺産を詰め合わせたとも言えるプロダクト TRITON taktile を発売しています。

歴代のTRINITYやTRITONを自分の機材として長く愛用しているミュージシャンの多さからも、このプロダクトの素晴らしさが伝わってきます。

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KORG MS20

MS20 は KORG から1978年に発売されたシンセサイザーです。当時はシンセサイザーは非常に大きなサイズで、業界では「箪笥(たんす)」などとも呼ばれていました。また実際に家具と呼ばれてもおかしくない、箪笥に匹敵するほどの大きさでもありました。

そんなシンセサイザーをよりコンパクトにして、机の上にでもおけるサイズにおさめ、世界中の多くのミュージシャンにシンセサイザーに触れる機会、所有する機会を提供し、シンセサイザーの社会的認知度をUPする役割を演じた伝説的シンセのひとつが、KORG MS20です。

現代に蘇ったMS20「MS20-mini」

2013年に発売された MS20-mini は、当時の MS20 の回路を完全に再現して現代に蘇らせたモデルです。これは単に MS20 に似せた訳ではなく、35年前の MS20 の開発者を責任者として、完全なる音源回路の再現を目指したところに KORG の本気が伺えます。オリジナル機の使用そのままに 2VCO、2VCF、2VCA、2EG、1LFOで構成されており、その上で機体のサイズを当時の86%に縮小して、よりコンパクトなサイズとしたそうです。

端的にいって正真正銘の本物のアナログシンセであり、アナログシンセ特有の魅力である、丸み・温かみがありつつも、分厚く密度の高い音を味わうことができます。今でも世界中のミュージシャンを虜にしてやまない MS20 特有の音の質感が完全に再現されています。入手した際は、是非とも一度はオーディオインターフェイスを通さないで、直接スピーカーに出力してその音色の質感を味わってみてください。

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Moog Little Phatty

アメリカの電子工学者ロバート(愛称:ボブ)・モーグ博士(Robert Moog 1934年5月23日 – 2005年8月21日)によって設立された MOOG はシンセサイザーの発展の歴史に大きく貢献してきました。これまでにリリースされた多くのプロダクトは今でも世界中のミュージシャンに愛され続けており、ロック、ポップス、EDMだけでなくアンダーグラウンドな音楽シーンにも大きく貢献しています。

Little Phatty stage II

Little Phattyは2006年に発表され、2013年まで発売されていたモデルです。2015年1月現在では、音源を忠実に継承しつつMIDIクロックの同期でDAW環境などとのデジタルなシンクロも可能となったモデル Little Phatty stage II が発売中です。

アナログシンセはその音色的特性からリードやベース、あるいはシーケンス音といった単音に使用されることが一般的で、現代のPCM音源の様に万能に活躍という訳には行きませんが、その点を補ってあまりある魅力があるからこそ、今でも多くのミュージシャン達が愛用し続けるのでしょう。DTMやシンセ好きな方には是非とも一度はチェックしておいて欲しい魅力的なプロダクトです。

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Moog Minimoog

アメリカのMoog社から1970に開発され、翌年に発売されたアナログシンセサイザーMiniMoogは音楽史、シンセサイザー史に燦然と輝く伝説的な機材の1つです。Moog社の創設者でもあり、電子工学者のロバート(愛称:ボブ)・モーグ博士(Robert Moog 1934年5月23日 – 2005年8月21日)によって設計・開発されました。その音を愛するミュージシャンは多く、キース・エマーソン、リック・ウェイクマン、ヤン・ハマーなど時代的なミュージックシーンを彩って来たトップミュージシャン達の機材として長く使われています。

Moog Minimoog Voyager Old School

2002年に発売されたミニモーグ・ボイジャーは、モーグ博士が最後に開発したシンセサイザーです。ボイジャーシリーズは今でもMoog社を象徴するプロダクトであり、エディションとしていくつもの機体が発売しています。アナログシンセのウォームで厚みのありながら、Moogしか出せない音色はこれからもミュージシャン達のあこがれであり続けるでしょう。

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Novation Bass Station

アメリカのNavationから1993年に発売されたベース音専用シンセサイザー Bass Stationは、Roland のベース音専用シンセ TB-303のオルタナティブな機材として大ヒットし、以降の各社から発売される303クローン機材の先駆け的存在となりました。

Roland TB-303 は発売当初はそこまで評価されておらず数年で生産は完了しました。1980年代の後半に音楽シーンで流行し始めたアシッドハウスという音楽ジャンルで人気に火がつきます。フィルターをいじって発生する音色の変化と、内蔵シーケンスから生み出される独特のグルーヴが再評価され、多数のアーチストが中古のTB-303を入手し始めて一気にに中古価格は高騰し、一躍一世を風靡するシンセサイザーとなりました。 この潮流にあっていち早く市場に要求に答えたのがNavationのBass Stationでした。

Bass Station II

2015年1月現在、発売中の現行機種の Bass Station II は、Bass Station を基盤として再設計しなおされたピュア・アナログ・モノフォニック・シンセサイザーとなっています。
2基のフィルター、2基のオシレーターに加えて1基のサブオシレーターを装備しており、ユーザーの設定が可能なエフェクト機能や、ステップシーケンサー、アルペジエーターなどの様々な機能も装備しています。

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Roland SP-404

Rolandから発売のSP-404は、世界中のDJやトラックメイカー、アンダーグラウンドなミュージックシーンで活躍するミュージシャン達を中心に大人気となっているサンプラーです。

ユーザーインターフェイスデザインは非常にシンプルで直感的に操作しやすくなっており、トップ・パネルはタフな使用にも耐えるアルミ仕様の設計です。そのルックスはとても高く評価されており、世界的にもサンプラーの定番ともいえるプロダクトです。

SP-404SX

現行機種のSP-404SXは初代SP-404よりもさらに多機能な音楽的可能性が広がる仕様になっています。ACアダプターが付属していますが、電池でも駆動するので、電源確保の困難な屋外でもアクティブに活躍させることができるでしょう。

エフェクトも多数搭載され、またマイクを使ったボイス・パフォーマンスに使用できるボイス・トランスフォームもついており、エフェクターとしても効果的です。

記録メディアとしてはSDカードが採用されています。SDHCカード(32Gバイト)にも対応しており、最長(モノラル)で合計96時間分ものサンプルを記録することが可能です。同梱されているSDカードには、HIPHOP、R&B、ELECTROなど、様々なDJ、ダンス・シーンの音楽に使用できるループ・サンプルや、ワンショット・サンプルを60種類収録(12サンプル × 5バンク)されています。

デザインも機能的にも優れていて、非常にタフな環境にも耐え、継続して使用できる点がとても魅力的な機材です。

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