音作りに欠かせないエフェクター。音質を変化させ、楽曲の分離をよくします。ミックス作業で最も地味な部分ですが、ここをしっかり抑えていないとエフェクトも生きてきません。
各トラックの人間の耳には聴こえにくい30Hz以下をカット・耳障りな高音域をカットするなど不必要な音域をカット、強調したい音域を持ち上げていきます。イコライザーをかける時はバランスが悪くなるのを防ぐ為一つのトラックだけを聞いて作業していくのでなく、常に全体を聞きながら作業しましょう。
イコライザーでトラックの分離を良くしよう!
イコライザーを使うにあたって重要な事は、音を持ち上げることよりも不必要な音をカットする作業であると断言します!
不必要な音域をカットすることでアンサンブルをスッキリと聞かせることができ、よりプロっぽい楽曲に仕上げることができます!
まずトラック単体に特定の周波数だけを強調するようにイコライザーをかけ、かけるポイントを左右にずらして最もうるさい位置を特定します。
Logicのイコライザー「Channel EQ」
ハウリングしたりキンキンと耳障りなポイントが1,2カ所見つかればその部分をカットします。
うるさい場所の音量をちょっと下げる
他にも気になるトラックに全て施してあげればOK。
ベース、ギター、ボーカルなどがゴチャっとして聞こえる時は以上の方法を試して下さい。劇的に聞こえ方が良くなりますよ!
必要な帯域を持ち上げる
不必要な帯域をカットしすぎると、逆に曲全体が物足りなくなる場合があります。カットしつつ欲しい帯域は持ち上げると良いでしょう。
帯域カットと同じ要領でブーストさせたい帯域を探します。特に生楽器は倍音を持ち上げると音に艶が出ます。やってみて下さい。
イコライザーの使用例
ボーカルトラック
ボーカルトラックの使用例 上:男性ボーカル 下:女性ボーカル
100Hz以下の無駄な低音をカット、必要に応じてキンキンと目立つ帯域をカット、強調したい帯域を持ち上げた状態。画像上は男性ボーカル、下は女性ボーカルのイコライジングの例です。
3〜5kHz部分のキンキンする帯域を不自然なく減退させるのに「ディエッサー」と呼ばれるコンプを使用する場合もあります。
バスドラム
バスドラムの使用例
バスドラムの主な周波帯域は75Hz周辺。
50〜100Hzあたりに”ドスっ”というローエンドの音が存在します。ほんの気持ちだけ持ち上げることでキックの圧力が上がります。
その他250〜500Hzあたりに胴鳴りの部分が、1〜2.5kHzにアタック音、8〜10kHzにビーター音があります。それぞれ曲に合わせて必要な部分を上げ下げしていきましょう。
スネア
2kHz〜5kHzをブーストすれば前に出てきます。
ボーカルやギターと帯域がかぶる楽器ですので、それぞれの音をよく聞きながら音決めしていきましょう。
ハイハット
400Hz以下のロー部分をバッサリとカット。8〜10kHzをブーストすることでハイファイになります。
ベース
ベースの使用例
ベースはドラムに低音がかぶるケースが多いので、バスドラムより下の無駄な帯域をカットします。例のベースではモコモコしていたので高音域を下げました。
700〜1kHzをブーストすることでパンチが出るようになります。
ギター
ギターの使用例
100Hz以下の無駄な低音域をカットします。例では中域を下げていますが、お好みで。
250〜500Hzでふくよかさが、1.5〜2.5kHzで張り出した感が、5kHzでジャリっとした感が、10kHz以上でクリーントーンの質感が、それぞれ強調されます。