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ダフトパンク(Daftpunk)は2人組のダンス・ミュージックユニットです。ライブやビデオクリップではヘルメットを着用していて、その外見に見覚えのある人も多いことでしょう。その匿名性から放たれるダンス・ミュージックの数々は多大なる評価を受けています。ハウスからテクノ、そして他ジャンルとのコラボレーションなど結成以来、音楽の幅を無限に広げています。
日本では漫画家である松本零士とコラボレーションしたミュージックビデオ「One More Time」が話題となりました(たぶん日本ではこの曲が一番馴染みがあるかもしれませんね)。また現在も映画のサウンドトラックを手がけたり、様々なアーティストと作品を作り続け、活躍の場を広げています。
ダフトパンクは、トーマ・バンガルテルとギ=マニュエルによるダンス・ミュージックユニットです。2人は中学生の頃からの付き合いでダフトパンク結成以前には「ダーリン」という名義でレコードをリリースしていました。しかしリリースしたレコードをプレスから「ダフトパンク(おろかなクソパンク)」と酷評されてしまい、これがきっかけで「ダフトパンク」という名前になったと言われています。94年にリリースした「ニュー・ウェイブ」でデビューを果たします。ダンス・ミュージックシーンに衝撃を呼んだモンスターヒット作品「ホームワーク」を筆頭に数々の名盤を世に残してきました。
ライブやビデオクリップではヘルメットの様なものを被り素顔を公開しないという形をとっています。その匿名性も彼らの名を世に知らしめた原因の一つでもあります。
日本でもセカンドアルバム「ディスカバリー」の先行シングル「ワン・モア・タイム」がリリースされ大ヒット。日本の漫画家、松本零士が手がけるプロモーションビデオは日本でも話題となり、クラブ系のアーティストの中では異例の30万枚のセールスを記録しました。またこのアルバム自体がアニメーションとなった作品「インターステラ5555」も高い評価を受けました。音楽だけではなく映像に関しても新進気鋭のクリエーターを起用するなど、高いセンスを持ち合わせています。サードアルバム「ヒューマン・アフター・オール」は、たった6週間という短い期間で制作され、前作と打って変わって無機質な世界観を表現し話題を呼びました。2009年のグラミー賞ではダンス部門2部門さらにベストアルバム賞も受賞しています。その翌年には映画「トロン:レガシー」のサウンドトラックを手がけ、映画のサウンドトラックをリリースするとビルボードのアルバムチャートTOP10に入るなど、映画のサウンドトラックでは珍しい快挙を成し遂げました。2013年には「ランダム・アクセス・メモリーズ」を発表。今現在も音楽シーンに多大なる影響を与え続けています。
彼らのサウンドの特徴は、ディスコ感あふれるテクノサウンドにあります。電子音を最大限に生かしたピコピコとして音の中に、ディスコで流れるようなノリの良いビートが乗っかり、曲が進行していきます。何度もリピートされる無機質なビートの中でも、シンセサイザーやボコーダー(声を変化させることのできるエフェクターの一種)を巧みに使いこなし変化を生んでいきます。
また通常のテクノサウンドとは違い、ポップのエッセンスを加えてキャッチーに仕上げることでダンスミュージック的な踊れる要素も盛り込んでいます。ソウル・ミュージックやリズム&ブルース、ディスコ、フュージョンなど様々な音楽から影響を受けている彼らだからこそ、唯一無二のサウンドを作り続けることができるのかもしれません。
彼らは主にDawソフト「Ableton live」を使用してサウンドを構築しています。また彼らが流行らせたといっても過言でない、ボーカルを変化させ独特の音を作り上げる「ケロケロボイス」は、プラグイン「antares Auto-Tune」を用いて作成されています。
随所に散りばめられた魅力的な電子音の数々は、様々なエフェクトが搭載されたローランドの「Juno-106」や発売以来根強い人気を誇るコルグ「MS-20(復刻版:KORG MS-20 mini)」、そして老舗モーグ「Minimoog Voyager XL」などを使用して作られています。ループしていく無機質なビートを作り上げているのは、主にオーバーハイムのリズムマシン「Oberheim DX」やローランドのリズムマシンを使用して綿密に計算されたリズムを生み出しています。
その他の使用機材は以下の通り
無機質でリズミカルなビート、うねりながらも体に響いてくるベース、シンプルな構成ながらも、いつの間にかその世界観から離れられなくなってしまう、そんなサウンドを味合うことが出来ます。彼らの初期の作品でありながら高い完成度と上質なサウンドは聴いて損することはないでしょう。ダンス・ミュージックの教材のような作品です。
1997年リリース
日本でも話題となった「ワン・モア・タイム」が収録されている本作。しかし名曲はこれだけではありません。前作とは打って変わってポップでキャッチーなメロディを余すこと無く堪能することができます。ただキャッチーなだけではなく玄人好みのセンスフルなサウンドの数々は、耳の肥えた人でも楽しむことが出来ます。当時テクノやディスコ・サウンドがあまり浸透していなかった日本でムーブメントを起こした本作、聴いて損することはありません。
2001年リリース
こちらの作品はライヴ・アルバムになっています。「ディスカバリー」を発表した年に発売したアルバムで、バキバキのライブ・サウンドが展開されています。タイトルにもある通り、ホームワークが発売された1997年に行われたライブが収録されており、彼らの存在証明のようにあえて発売したように感じさせます。シンプルで踊れてキャッチーな本作を味わってみてはいかがでしょうか。
2001年リリース
「ディスバカリー」の路線で来ると思いきや、さすがは彼ら良い意味で期待を裏切ってくれます。わずか6週間という期間で作り上げた本作は冷たい機械のようなサウンドでアプローチしてきます。重厚感を全面に押し出し実験音楽的な要素を含める本作は賛否両論を巻き起こしましたが、今までの音楽に飽き飽きとしていた人にとっては、良い刺激となるのではないでしょうか。
2005年リリース
こちらも「アライヴ1997」に続いて2作品目のライブアルバムになります。フランスで行われたライブを収録した本作はただのライブアルバムとは違い、彼らのこれまでに発売した名曲達をマッシュアップ(曲同士を繋ぎ合わせる手法)して一つの曲にしていくという刺激的な内容になっています。ライブアルバムと言いつつもしっかりと練り上げられた楽曲を聴くことができるので、ライブアルバムが苦手という方にもおすすめできます。かなり初期の曲や新しい曲など年代を問わずに次々と繋ぎ合わせていくセンスは正に彼らの真骨頂なのかもしれません。
2007年リリース
「トロン・レガシー」という映画のサウンドトラックとなる本作、映画の雰囲気を壊さないようにしつつも彼らのセンスをふんだんに散りばめています。ビートを全面に押し出した作品は少ないものの重厚なストリングスを重ねたオーケストラさながらのサウンドは彼らのセンスを存分に体感することができるのではないでしょうか。今までのダンス・ミュージックを期待していると肩すかしを食らうかもしれませんが、彼らの新たな一面を垣間見ることが出来ます。
2010年リリース
彼らの最新作であり、アルバムとしては約8年ぶりの作品である本作。どんなダンス・ミュージックを展開してくれるのかと期待している人が多い中、また彼らはやってくれました。まるでタイムスリップしたかのようなサウンドの数々。ファンクやフュージョンを思わせる、ギターのカッティングや渋いベースライン、今までのダフトパンクのサウンドを踏襲しつつもまた新たな局面に入ったと感じさせるのが本作の特徴です。また本作では様々なアーティストとのコラボレーションが多いのも特徴の一つで、個性と個性のぶつかり合いが素晴らしい曲を生み出しています。どんな人にもおすすめすることができる名盤となること間違いなしです。
2013年リリース
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