《58の上位機種》SHURE BETA 57Aの特徴と使い方

[記事公開日]2025/8/7 [最終更新日]2026/5/9
[編集者]神崎聡

SHURE BETA 57A

世界的スタンダードのボーカル用ダイナミックマイク「SHURE SM58」の上位機種が「SHURE BETA 58A」であるのに対し、楽器用ダイナミックマイクの定番「SHURE SM57」の上位機種にあたるのがこの「SHURE BETA 57A」です。
ネオジウムマグネットを採用したハイゲイン設計と、スーパーカーディオイドの鋭い指向特性により、輪郭のはっきりした抜けの良いサウンドを得ることができます。

「57シリーズ」はもともと楽器用マイクとして設計されているため、ギターアンプ・スネアドラム・管楽器の収音などで使われることが圧倒的に多いマイクですが、SM57よりも一回り大きなウインドスクリーンを備えていることもあり、ボーカル用として使うミュージシャンも一定数います

SHURE BETA 57Aの特徴

「SM57」よりもハイゲインでクッキリとした輪郭があり、高音域の抜けが良い収音ができます。
姉妹機の「BETA 58A」が球状のウインドスクリーンを持つのに対して、この「BETA 57A」は樽(バレル)状のウインドスクリーンを採用しているのが外観上の大きな違いで、ギターアンプのキャビネットなど狙いたいポイントへの近接が容易になっています。

指向特性は「SM57」のカーディオイドに対して、より鋭いスーパーカーディオイドに変更されており、周囲音のカブリが少なく、ハウリングも起こしにくいのが特長です。
ライブ現場での分離感はもちろん、宅録環境でも暗騒音の混入を抑えやすく、特定の音源にフォーカスした収音に向いています。

内部には、外部からの振動やハンドリングノイズを軽減するエアー式ショックマウントを搭載。さらにグリル部は硬化スチールメッシュで保護されており、ステージでのハードな扱いにも耐える堅牢な作りです。

楽器の収音を主眼に置いた設計

BETA 57Aには内蔵ポップフィルターも備わっていますが、ボーカル用に最適化されたSM58 / BETA 58Aと比べると、楽器の収音を主眼に置いた設計です。
そのためボーカル用途で近接させて使う場合は、マイクに息が直接当たらないよう角度を調整するか、ややオフマイク気味にセッティングするか、必要に応じて専用の外付けウインドスクリーン「A57AWS」を併用するなどの工夫があると安心です。

  • 用途:ギターアンプ、アコースティック楽器、スネアドラム、管楽器、ボーカル
  • ボーカル近接時はオフマイク気味 or A57AWS併用がおすすめ

SM57との違い

SM57

同じ楽器用ダイナミックマイクのSM57とBETA 57Aは混同されがちですが、設計思想がはっきり異なります。
BETA 57Aはネオジウムマグネット採用で出力が大きく、周波数レンジもSM57の40Hz〜15kHzに対して50Hz〜16kHzと高域寄りに広がっています。指向性もカーディオイド→スーパーカーディオイドへ変更されているため、よりピンポイントで音源を狙う使い方に向きます。

逆に言えば、SM57の中域がぎゅっと詰まったザラついたキャラクターを期待する用途(特にロックギターアンプの定番サウンド)では、SM57の方がしっくりくる場面も多く、両者は用途で使い分けるべき別キャラのマイクと捉えるのが正解です。

詳しく見る:
SHURE SM57 – Supernice!DTM機材

SHURE BETA 57A の総評

この「BETA 57A」やボーカル用の姉妹機「BETA 58A」を含む「BETAシリーズ」は、「SMシリーズ」と比べると誰でもすぐに使いこなせるマイクではありません。
ハイゲイン・スーパーカーディオイドという特性を理解した上でセッティングを詰めていく必要があり、適当に置いただけでは持ち味を引き出せないこともしばしばです。
ただ、その特性を踏まえて使えるようになれば、ドラム・ピアノ・ギターアンプ・管楽器からボーカルまで幅広くこなせるオールラウンドなマイクとして、長く活躍してくれる1本になるでしょう。

  • 形式:ダイナミック型
  • 指向特性:スーパーカーディオイド
  • 周波数特性:50Hz〜16,000Hz
  • 出力インピーダンス:定格150Ω(実効値290Ω)
  • 感度:-51dBV/Pa(2.8mV)
  • サイズ:Φ43mm × 長さ160mm
  • 重量:275g



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