このマイクがないスタジオやライブハウスは見たことがないと言われるほど定番のダイナミックマイク「SENNHEISER MD421MK2」。その独特の形からよく「クジラマイク」という愛称で呼ばれているこのマイクの歴史は古く、前身である「MD421」が1960年に発売されてから現在まで広く愛されてきました。使用場所としてキックやタムなどを集音するのに使われることが多く、一般的にドラムセット用として周知されているマイクですが、元はボーカル用に開発されたマイクだったようです。
SENNHEISER MD421-IIの特徴
一番の特徴はその独特な外観。このマイクのボディはプラスチックで作られていますが、大変耐久性が高いことで知られており、スティックなどで叩かれる事もあるドラムセット周りに好んで使われるのはこのためです。なお、MD-421MK2専用のマイクホルダーが用意されていますが、大変取れやすく大半の現場ではガムテープや接着剤などで固定するのが一般的となっています。なので新品以外にこのマイクのホルダー無しの状態はなかなかお目にかかれません。
次に肝心な音質面ですが、同じく超定番のボーカル用マイク「SM58」やその姉妹マイクである楽器用マイク「SM57」より中低音がより豊かに集音ができるようになっているのに併せて、高音部も幅広く集音できるのでアタックの効いた音を得ることが出来ます。また、マイクの最下部のコネクタ周辺の部分が回るようになっており、これで低音域を5段階で調節できます。これにより先に書いたドラムセット以外にもボーカルを始めアコースティックギターやエレキギターやベース、さらに管楽器などにも対応することが出来るまさにオールランドマイクとなるのです。ちなみに、ライブステージで使用する場合にはこのダイヤルが知らぬ間に回っていることもあるので、新人のステージマンの方は注意が必要です。
- 中低音がより豊かに集音!
- 低音域を5段階!
- ドラム、ボーカル、管楽器用などに最適!
総評
スタンダードなダイナミックマイクの中では比較的値段が高いマイクではありますが、その汎用性や耐久性から沢山のアーティストやエンジニアに長年愛され続けているクジラマイクことMD421MK2。さらにその見た目のインパクトからかこのマイクをボーカルマイクとして使っているRockボーカリストも居ます。このクジラマイクを一度手にとってみると今までとはまた違った音の魅力が出てくるかもしれません。
仕様
- ダイナミックマイク
- 指向特性 : 単一指向性カーディオイド
- 周波数特性 : 30 – 17,000 Hz
- 感度 : 1 kHz:2 mV
- 出力インピーダンス:200Ω
- フィルター:5段階
- PADスイッチ:あり/-54dB
- 最大SPL:143dB
- 重量:385g
- 価格:37,800 円〜(楽天市場)
サンプル音源