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その独特のフォルムから「ガイコツマイク」「エルヴィスマイク」の愛称で呼ばれることが多い、SHUREのアイコニックなボーカル用ダイナミックマイク「55SH Series II」(型番表記は「55SH2」とも)。
原型は1939年にSHUREのエンジニア・Ben Bauerが設計した「Unidyne 55」で、当時としては画期的な単一指向性を実現したマイクとして放送局・PA現場で広く使われ、エルヴィス・プレスリー、フランク・シナトラ、エラ・フィッツジェラルド、米大統領の演説台にまで登場した歴史的な1本です。
2014年には設計の独創性が評価され、IEEE Milestone(電気電子技術の歴史的偉業)にも選定されています。
現代に復活したリイシューモデルが、この「55SH Series II」。サウンドキャラクターは超定番ボーカルマイク「SHURE SM58」に近い素直なカーディオイド設計で、レトロな見た目とは裏腹にライブ・スタジオ・配信のあらゆる現場で実用的に使えるサウンドを備えています。
日本国内では完実電気が国内正規流通版「55SH SERIES II-X」として取り扱っており、2年保証付きで安心して導入できます。
55SH Series IIは、ボーカルマイクの定番SM58に近い周波数特性とサウンドキャラクターを持ったカーディオイド・ダイナミックマイク。
指向性はカーディオイド、周波数特性は50Hz-15kHzとSM58と同一スペックで、PA現場で慣れ親しんだ素直なボーカルトーンをそのまま得られます。
ただし筐体形状が大きく異なるため、SM58と比べると中音域がふくよかで丸いサウンドになりやすい傾向があり、シャウト系よりはバラード/ジャズ/クルーナー系のボーカルや、ラジオ/配信のスピーチ用途に特に好相性です。
ボディ下部のスタンドマウント部分にはON/OFFスイッチを装備。これは元々ラジオ放送やスピーチ用途の卓上マイクとして使われていた名残で、MCや司会、対談形式の配信などで「使わないときに即ミュートしたい」場面で便利な機能です。
一方でハンドヘルドで激しく動き回るステージングではスイッチを誤って触ってしまうリスクもあるため、ライブ用途では事前にガムテープで固定したり、後述の上位機Super 55(スイッチ無し)に乗り換えるアーティストもいます。
重量は624gと、SM58(約298g)の2倍以上。クロームメッキのダイキャストボディでずっしりとした手応えがあり、基本的にはマイクスタンドへの設置を前提に作られたマイクです。
スタンドマウント運用を想定した設計らしく、内部のカートリッジはショックマウント方式。スタンドを介して伝わってくる足音や床の振動などを物理的に吸収し、ステージや収録現場でのノイズを抑え込みます。
ハンドヘルドでも使えますが、本領発揮はやはりスタンド固定での歌唱・スピーチ・ナレーション収録にあります。
SHUREの「ガイコツマイク」系統は、現代では55SH Series IIと、その上位機にあたるSuper 55シリーズの2系統で展開されています。
両者は見た目こそ似ていますが、内部のトランスデューサー・指向性・サウンドキャラクターまで明確に違う別物のマイク。Super 55には標準のサテンクロームに加え、限定生産のカラーバリエーションも存在します。
| 項目 | 55SH Series II | Super 55 | Super 55-BLK |
|---|---|---|---|
| 形式 | ダイナミックマイク | ダイナミックマイク | ダイナミックマイク |
| 指向特性 | カーディオイド | スーパーカーディオイド | スーパーカーディオイド |
| 周波数特性 | 50Hz – 15kHz | 60Hz – 17kHz | 60Hz – 17kHz |
| 感度 | -58.0 dBV/Pa | -53.0 dBV/Pa | -53.0 dBV/Pa |
| インピーダンス | 150Ω | 150Ω | 150Ω |
| ON/OFFスイッチ | あり | なし | なし |
| サイズ | 幅55.6×高188×奥77.8mm | 幅56×高188×奥78mm | 幅56×高188×奥78mm |
| 重量 | 624g | 656g | 656g |
| 出力コネクタ | XLR3ピン(オス) | XLR3ピン(オス) | XLR3ピン(オス) |

このページの主役、定番リイシューモデル。SM58に近い素直なカーディオイドサウンドを継承しつつ、原型のアイコニックなフォルムをほぼ完全に再現したクロームメッキボディが特徴です。
ON/OFFスイッチ付きでスタンドマウント運用が前提。624gと重量級ですが、その分ステージ上での存在感は唯一無二で、楽器演奏のサポート役ではなく「主役」を張れるビジュアルマイクとして長年愛されています。

2009年に新規開発された上位モデル。見た目は55SH Series IIに似ていますが、中身はSHURE Beta 58Aと同系統の高出力トランスデューサーに置き換わっており、指向性もスーパーカーディオイドに変更。周波数特性は60Hz-17kHzとSeries IIより高域が伸び、感度も-53dBV/Paと約5dB高くなっているため、PAから見るとハウリングマージンが大きく出力も稼げるライブ実戦寄りのマイクに仕上がっています。
サテンクロームのボディにブルーフォームが映える独自配色、ON/OFFスイッチは省略され、上下方向にチルト可能なセルフテンショニング・スイベルマウントを一体化しているのも実用面でのアップデート。
55SH Series IIとSuper 55は外観こそ似ていても、サウンドの性格は明確に違います。
SM58系のナチュラルでウォームなトーンが欲しいなら55SH Series II、Beta 58A系の抜けの良い高出力トーンとハウリングマージンが欲しいならSuper 55。スピーチ/配信/ジャズ・クルーナー系ボーカルなら55SH Series II、ロック・ポップスのライブメインボーカル用ならSuper 55、と棲み分けるのが定石です。
「ビジュアルだけ似せる」マイクではなく、明確に音の方向性で選ぶことが、両機を上手く使い分けるコツになります。
55SH Series IIもSuper 55も、624g/656gという重量と独特のフォルムから、基本的にはスタンドに固定して主役として立たせる使い方が想定されています。
ジャズボーカル、ロカビリー、シティポップ、配信トーク番組のメインマイクなど、ビジュアルそのものが演出の一部になる場面に投入すると、機能面でもステージ演出面でも費用対効果が非常に高い1本になります。
55SH Series IIはダイナミックマイクなので、家庭用のオーディオインターフェースで運用する場合はゲイン不足に注意。出力レベルがやや低めなので、可能であればCloudlifterやFetHeadのようなインラインプリアンプを併用するか、ゲインに余裕のあるオーディオインターフェース(RMEシリーズ、Audient iD、UAD Apollo等)と組み合わせると音質を最大限引き出せます。
コンデンサーマイクと違って空調ノイズや生活音を拾いにくいため、自宅環境のトーク配信・ナレーション収録ではむしろ強みが生きる1本です。
インパクトの強い見た目だけが取り上げられがちなマイクですが、中身は1939年Unidyne 55から続く正統派ダイナミックマイクで、現代版の55SH Series IIはSM58に近い周波数特性とサウンドキャラクターを継承した音もビジュアルも本物のリイシュー機。配信・スピーチ・ジャズボーカル用として手元に1本あると、現場の主役マイクとして唯一無二の存在感を発揮してくれます。
抜けの良い高出力トーンとハウリング耐性をさらに突き詰めたい場合は、内部設計をBeta 58A系に置き換えた上位モデル「Super 55」が用意されているので、用途に合わせて使い分けるのが正解。
デザインだけが取り柄のマイクではなく、シリーズ全体で「見た目を妥協せずに現場で使える」選択肢が用意されているのが、SHUREの55シリーズが80年以上愛され続けている理由です。
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