DTMのメインマシンに!オススメのBTOパソコン特集[記事公開日]2016年6月1日
[最終更新日]2021年06月21日

「DTMを始めたいけど、どのパソコンを選べば良いのかわからない…」という方はとても多いです。インターネットで検索を掛けると「CPUは性能が良い物を選ぼう」だとか「メモリは16GB以上で」という内容を目にしますが、そもそもどのパーツが何の役割をするのかさえ分からない方が殆どと言えます。これは知らなくて当然と言えるでしょう。

さて、家電量販店に足を運んでみるとSONYやNECなど大手メーカーが販売しているパソコン(既製品)を目にしますが、結論から言って、DTMだけ楽しみたいのであれば既製品を選ぶ必要はありません。これからDTMを始める方は受注生産方式を採用した「BTOパソコン」を購入することを強くオススメします。ここではBTOパソコンを選ぶ上のポイントや、導入するメリット、オススメのショップを紹介します。

そもそもBTOパソコンとは?

BTOは「Build To Order」の略称であり、受注生産方式のことを言います。いわゆるオーダーメイドのことで「CPUはi7でメモリが16GB以上欲しい」、「パソコンケースはこのメーカーの物がいい」という具合に「パーツ単位で細かく指定」することができます。

もちろん専門的な知識は必要ありません。ショップ側はパソコンの知識が無い方でも安心して購入できるように「PCゲーム向け」、「グラフィック用途向け」、「DTM用途向け」という具合に各用途に特化したBTOパソコンを組んで販売しています。

また、BTOパソコンはオプションなどを付けない限り本体のみの販売となるので、初期投資を抑えることが可能です。これに関しては後述で詳しく解説していきます。

BTOパソコンを導入するメリット

BTOパソコンを導入するメリットとして以下が挙げられます。

  • 既製品よりも安くてスペックの高いマシンが手に入る
  • 購入後は必要に応じてカスタマイズできる
  • 受注生産ではあるが保証やサポートがしっかりしている

それぞれ一つずつ見ていきましょう。

既製品よりも安くてスペックの高いマシンが手に入る

これは最大のメリットと言っても過言ではありません。まず第一に、家電量販店で販売されているメーカーパソコンは「あらゆる用途を想定している」ため、本体の他に会計ソフトや年賀状ソフト、家計簿など、様々なソフトウェアを付属しています。言い換えれば「本体価格+ソフトウェア販売価格=店頭表示価格」ということになります。

BTOパソコンにはこれらのソフトウェアが付属しないので、販売価格を既製品よりも安く設定することが可能となっています。さらにパソコンの組み立ては注文が入ってからメーカーではなくショップのスタッフが行うので、その点でも販売コストを下げることに成功しているのです。

家計簿や会計ソフトは意外と高価なもの。その分をDAWやオーディオインターフェースの購入費用に回せると考えたら、BTOパソコンを選ばない手は無いと言えるでしょう。

購入後は必要に応じてカスタマイズできる

BTOパソコンはショップのスタッフがマザーボードやCPU、メモリなどのパーツを組み上げて作ります。意外と知られていませんが「デスクトップパソコンはプラモデルと同じくらい作るのが簡単」なもの。ケースやマザーボードにパーツを取り付け、電源から伸びる配線を各パーツに繋げるだけです。最低限の知識さえあれば誰でもデスクトップパソコンを組むことができます。

基本的には抜き差しだけでパーツを変えることができるので、スペックに物足りなさを感じてより性能の良いパーツを載せたくなったり、故障によりパーツを交換しなければならなくなった場合、わざわざショップに持って行かなくても自らの手で対応可能です。まずはショップ側が推奨しているDTM用マシンを購入し、追々自分好みにカスタマイズしていくのも良いでしょう。

受注生産ではあるが保証やサポートがしっかりしている

BTOパソコンは受注生産かつリーズナブルな価格設定なので保証やサポートが弱いと思われがちですが、3年保証+24時間365日サポート対応などの手厚いサービスを受けることができます。万が一故障して動作しなくなっても迅速に対応してくれるので安心です。

BTOパソコンを選ぶ際にチェックすべきポイント

CPUとメモリは妥協しない

DTM用途のマシンで重要とされるパーツは「CPU」と「メモリ」です。他にも大容量の音源データを保存するハードディスクや、プラグインや音源のインターフェースを描写するグラフィックボードなどもありますが、特に重要なのが上記に二つとなります。多少予算が厳しくても妥協せず、高性能なモデルを積みましょう。

予算と相談にはなるものの、CPUは「Intel社の i7(最低でもi5)」、メモリは「16GB以上を推奨」します。メモリは後々増設可能ですが、CPUは高価かつマザーボードとの相性もある頻繁には交換できないパーツです。基本的には「コンシューマー向けで、現行最も高性能なモデル」を選ぶことをオススメします。

HDDは二つ用意しよう

大容量ソフトウェア音源はインストール先に「Cドライブ(OSがインストールされている場所)以外のHDDを推奨」しています。そのため、HDDを二つ積んでいるBTOパソコンを選ぶようにしましょう。

殆どの場合オプションサービスでHDDを追加できるので、欲しいパソコンに一つのHDDが積まれていない場合はオプションを利用することをオススメします。もし予算に余裕があるのであれば、メインドライブにはHDDではなく、高速でデータの読み込みが出来るSSDを選ぶことをオススメします。

USB端子やPCI Expressの本数をチェック

グラフィックボードやサウンドボードはマザーボードに用意されているPCI Expressに差し込んで使用します。PCI Expressはこれらの他「USB端子などの拡張」にも使うので、機材の接続によってUSB端子が不足した場合とても重宝する訳です。もちろんマザーボードに用意されているUSB端子の本数もチェックしておく必要があります。

高性能なパソコンケースを使った物を選ぶ

どれだけ性能の高いCPUやメモリを積んでもパソコンケースが粗悪な物であれば意味がありません。パソコンケースはただ単にパーツを組み込むためにあるのではなく、CPUやグラフィックボードから生じる「熱を逃がす役割」を持っています。

良質なパソコンケースは吸気および排気効率に優れており、ケース内の熱を効率良く逃がすことでパーツへの余計なダメージを抑えます。パソコンのパーツは消耗品ですが、ケースが良い物だとそれだけ寿命も長くなるので、予算に余裕があるのであれば高性能なパソコンケースを使ったBTOパソコンを選ぶと良いでしょう。

オススメのBTOパソコンショップ

ドスパラ

全国20店舗を構えるBTOパソコンの定番ショップ。納期が早く、最短で当日出荷、細かくパーツを指定しても二日〜三日で発送してくれるのが特徴です。標準で1年保証ですが、オプションで保証を延長できるのも魅力でしょう。取り扱っているパーツの種類およびメーカーは膨大であり、自信が無ければスタッフと直接相談しながら決めるか、DTM・DAW用PCというモデルが予め用意されているので、それをチョイスすると良いです。

パソコン工房

全国70店舗を展開する大手ショップ。ドスパラ同様、標準で1年間の保証が付きますが、オプションで延長することが可能です。電話によるサポートを24時間365日受けることができるため、いつ何時トラブルに遭ってもすぐに対処することができるでしょう。クリエイターパソコンというカテゴリにDAW・DTM編集向けと呼ばれるモデルが用意されており、DAWの動作確認も済んでいるので安心して購入することができます。

マウスコンピューター

数年前まで上記二つのショップが定番となっていたものの、ここ最近新たな定番となりつつあるのがマウスコンピューターです。保証等はドスパラやパソコン工房同様、基本は1年ですがオプションで3年に変更することができます。トップページ上部中央にあるクリエイターPCの項目からDAW・DTM編集向けのモデルを探すことが可能です

Rock oN

DTM関連商品を主に取り扱うRock oNでもBTOパソコンを取り扱っています。「Sound Cubeシリーズ」は同ショップがOM FACTORYとコラボしたことにより生まれたBTOパソコンで、最新のチップセット構成によって処理性能に優れたCPU、大容量のメモリ、高速データ通信を実現するストレージを積載。スペックが高いのは当然のこと、音楽制作専門の動作検証を行っているため、高い安定性と様々な機材への互換性を誇ります。マシントラブルが許されないプロの現場で大いに活躍することでしょう。