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audio-technica ATH-SX1a にヘッドフォンカバー mimimamo を装着した様子
モニターヘッドフォンは放送局、音響に関わる仕事、ライブやレコーディングの現場などで使われる業務用のヘッドフォンです。一般的に音楽を鑑賞するリスニング用ヘッドフォンとは分けて考えられ、音楽や音を聞く仕事で使われるものですが、DTMの広がりも後押しして、今日ではプロだけでなくアマチュアまで幅広い層に利用されています。
音楽制作では主にモニタースピーカーで音を聞きながら作業を進めますが、モニターヘッドフォンはより細かな音を聞いて音を作り込んだり、音のバランスをより細かく調整するといった使い方をします。また楽器レコーディング時のモニタリングにも、モニターヘッドフォンは欠かせません。
リスニング用とモニタリング用の大きな違いは「音の解像度(情報量)」と「音のバランス」です。
単に自分の演奏を聞いたり好きな音楽を楽しむのが目的なら、リスニング用ヘッドフォンでも構わないでしょう。しかし楽曲制作、特に、
といった作業では、音源をありのまま忠実に、正確にリスニングすることが重要です。
ギタリストやベーシストといったプレイヤーは自分の作った音を正確に捉える必要がありますし、ボーカリストは歌を録音するのにバッキングトラックを正確に捉えなくては安定して歌えません。モニターヘッドフォンはリスニング用ヘッドフォンに比べて高い解像度と高音質を実現しているため、リスニング用ヘッドフォンでは聞き取れないような音や、クリアな状態の音源を正確に捉えることができます。
またリスニング用ヘッドフォンは音楽を楽しむためのものなので製品によって個性がバラバラですが、モニタリング用のヘッドフォンは全周波数帯域をフラットに、そしてワイドレンジに出力します。味付けのないストレートな出音を聞き音源の悪い部分をチェック、クオリティの高い音源制作を目指し作業を続けるのです。
楽曲制作で使用するヘッドフォンの品質で出来上がる音源のクオリティが左右されるわけですから、モニターヘッドフォンは非常に重要ということがわかります。
ヘッドフォンの構造は、主にハウジング(イヤーパッドの反対側 = ヘッドフォンの外側を覆う部分)が密閉されている「密閉型(クローズ型)」と、密閉していない「開放型(オープンエア型)」の2種類があり、それぞれに長所・短所があります。
密閉型は、耳を密閉し、ハウジングが周りの音をシャットアウトすることによって、ヘッドフォンからの音が漏れにくくなっていますが、密閉することによってある一定の周波数が共鳴しやすくなり、音の歪みなどが発生する原因にもなります。しかし、騒がしい環境で音楽を聞きたい場合など、周りの音をシャットアウト出来る/力強い低音を再生できることは大きな利点でしょう。モニターヘッドフォンとして使う場合はオーバーヘッドの密閉型が標準的です。
開放(オープン)型ヘッドフォンの場合、クローズよりも全体的が鮮明で抜けのよい音質となりますが、構造的に結構大きな音漏れがどうしてもおこります。また、周囲の音も聞こえてしまいます。しかし、密閉型と違い、ハウジングの外に響くことで音がこもらず、より自然な音を聞くことができます。また長時間リスニングしても「聞き疲れ」しにくいなど、継続的なDTM作業時に向いているともいえます。
現在販売されているモニターヘッドフォンには「3.5mmステレオミニプラグ」あるいは「6.3mmステレオ標準プラグ」が採用されています。そのため、使用機器によっては変換プラグが必要となることを覚えておきましょう。たとえば、自分の使っているオーディオインターフェイスが6.3mmステレオ標準プラグのみ対応している場合、ヘッドフォン側が3.5mmのミニプラグだと使えないので要注意です。ヘッドフォンを購入する前に、まずは使用機器が対応しているプラグのタイプをチェックするようにしましょう。
私達が普段から使っている「音楽プレイヤー」や「パソコン」、「テレビ」などがこのタイプを採用しています。直径3.5mmのプラグで「イヤホンが刺さるタイプ」と覚えておくのが良いでしょう。もちろんモニターヘッドフォンでも3.5mmを採用している製品は多数あるので、インターフェースが6.3mmだった場合は変換プラグが必要になります。
音響機器や有線マイクなどに使われているプラグタイプであり、このタイプを採用しているオーディオインターフェイスが多いです。逆に6.3mmを採用したヘッドフォンは音楽プレイヤーやパソコンに接続することができないので、もし使いたい場合は「6.3mmを3.5mmに変換するプラグ」が必要となります。「ギターのシールドケーブルと同じプラグ」と覚えると良いでしょう。
ヘッドフォンの端子とオーディオインターフェイスのヘッドフォン・アウト端子に注意しなければならない、とお話しましたが、市場には
ミニプラグ → 標準プラグ
標準プラグ → ミニプラグ
というようにどちらの変換プラグも販売されているので、そんなに心配することはありません。製品によっては変換プラグがはじめから付属している場合もあります。
まずは音楽スタジオやレコーディングエンジニアなど、プロの現場で業界標準となっているヘッドフォンを紹介していきます。以下のいずれかのヘッドフォンを選んでおけば、安心して楽曲制作ができるでしょう。
SONY MDR-CD900ST |
SONY MDR-7506 |
audio-technica ATH-SX1a |
AKG K271 MK2 |
Roland RH-300 |
SHURE SRH840 |
|
タイプ | 密閉ダイナミック | 密閉ダイナミック | 密閉ダイナミック | 密閉ダイナミック | 密閉ダイナミック | 密閉ダイナミック |
ケーブル | 2.5m | 3m カールコード |
2.5m | 3m カールコード |
3.4m | 3m カールコード |
再生周波数帯域 | 5~30,000Hz | 10~20,000Hz | 10~32,000Hz | 16~28,000Hz | 10~25,000Hz | 5〜25,000HHz |
インピーダンス | 63Ω | 63Ω | 30Ω | 55Ω | 40Ω | 40Ω |
プラグ形状 | ステレオ標準 | ステレオミニ ステレオ標準 |
ステレオミニ ステレオ標準 |
ステレオ標準 | ステレオミニ ステレオ標準 |
ステレオミニ |
感度 | 106dB | 106dB | 103dB | 91dB | 101dB | 105dB |
重量 | 200g | 230g | 250g | 240g | 250g | 300g |
価格 | ¥14,796 | ¥10,346 | ¥15,461 | ¥13,824 | ¥14,364 | ¥15,984 |
表:モニターヘッドフォン6機種比較(価格は2018/9時点サウンドハウス)
リハーサルスタジオやレコーディングスタジオ、音楽制作から放送業界まで幅広い分野で圧倒的なシェアを誇る業務用モニター・ヘッドフォン「SONY MDR-CD900ST」。1989年の登場からプロのサウンド・エンジニアやミュージシャンから高い信頼と評価を受け、2020年が迫る現在に至るまで第一線でバリバリに使用されており、その完成度が高さが伺い知れる定番中の定番です。
正確にリスニングできるよう音の色付けは排除され、高域から低域まで原音を忠実に聞き取ることができます。モニタリングはもちろん、長時間作業に耐えられるよう耳に負担がかからない設計になっているなど、装着感も工夫が凝らされています。パーツ交換にも対応できるので、1台を長く使用していくことができます。初心者でも頑張れば手が出せる価格も魅力的で、「MDR-CD900ST」があればモニタリングはまず間違いないでしょう。
DTM君「有名なクリエイターのレコーディング風景などを見ると、たいてい使っているのがこれですね。ボクも使ってます。ミックスダウンの時は、まずこのヘッドフォンでモニタリングして音作りを始めます。」
SONY MDR-CD900STを…
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「MDR-CD900ST」と並ぶモニターヘッドフォンの世界的定番機種が、SONY「MDR-7506」です。「MDR-CD900ST」が国内での定番であるのに対して「MDR-7506」は海外で定番となっている機種で、「MDR-CD900ST」がレッドカラーがワンポイントになっているのに対し「MDR-7506」はブルーカラーがワンポイントと、「MDR-CD900ST」と対照的な存在の兄弟機種です。
音質にやや違いがあり、フラットな「MDR-CD900ST」に対して「MDR-7506」は豊かな臨場感と音楽的なサウンドが特徴的で、リスニングにも適しています。折りたたみ式で持ち運びも便利、ステレオミニ端子対応ですが変換プラグが付属するためどちらのプラグにもインすることができるなど、高い汎用性はもちろん「MDR-CD900ST」に比べてリーズナブルな価格も魅力です。
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ヘッドフォン/イヤフォンなどオーディオリスニング機材で広く知られている国産メーカー「audio-technica」のモニターヘッドフォン「ATH-SX1a」は、同社の有名ヘッドフォンである ATH-M40FS や ATH-M50 よりもさらに高品質で、放送の現場などで利用されている業務用ヘッドフォンです(このページのトップ画像に映っているのも本機です)。
高い分解能と原音忠実性によって非常に聞きやすいのが特徴で、絹のような柔らかな音質のため、長時間DTM作業していても耳疲れが少なく装着感も良好。フラットで正確なモニタリングが出来るなど、プロからの評価も高いモデルです。
DTM君「ボクも使ってます。この記事の冒頭の写真はボクのものです。MDR-CD900STでミックスダウンした後にこのヘッドフォンで聞いてみると、MDR-CD900STでは気づかなかった音のバランスに気づくことがあったりします(どちらがメインでどちらがサブという決まりはありません)。」
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AKGのスタジオモニター・シリーズ「K271 STUDIO」の後継機種がこの K271 MK2 です。低域の膨らみを抑える「バスチューブ機能」搭載、味付けの無いフラットな特性/繊細で明瞭/締まった低音と高い解像度が特徴で、長時間の作業でも耳疲れしないと評価の高いモデル。低音が控えめで、クラシックやジャズなど生楽器が主体の音楽制作時に高いパフォーマンスを発揮します。
同スタジオモニターシリーズには、トータルで音のバランスが良い半密閉型ヘッドフォン「AKG K240MK2」も人気の高いモデルです。
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ROLAND の RH-300 は、密閉タイプモニター・ヘッドホンで、ネオジウム・マグネットを採用した新開発の45mmドライバーを搭載し、広いダイナミック・レンジを実現しており、大音量でも安定した音質となっています。
サウンドの傾向は、電子楽器音を素直に鳴らすため、特性は比較的フラットです。またドラムのキックやベース等の低音もしっかりモニターできるようつくられています。大きい音でも歪みにくく安定したサウンドです。
最大許容入力が1600mWと大きいので、大きな音でモニターしたいという方には最適なモデルです。安定した使用感で、耳を覆うハウジングサイズなので、聞いている間にずれにくくて、疲れにくい。またケーブルの長さも空中配線になりにくい3.4Mを採用しており、楽器演奏音を中心にとらえた作りといえるでしょう。
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SHUREの SRH840 は、プロのエンジニアとミュージシャンのために開発されたハイエンドモニターヘッドホンです。精密にチューニングされた周波数特性と40mmのネオジウム製ダイナミックドライバーによって、快適さと緻密なモニタリングを実現しています。
イヤーパッドおよびヘッドバンド裏のクッションも以前のモデルよりも厚み・柔らかさともに増していて、重量は増えているにもかかわらず、それを打ち消すだけの快適性を実現しています。音漏れはさらに少なくなって、遮音性も高まっています。長時間使用時の疲労軽減にも配慮されているつくりになっています。
音質だけでなく長時間・長期間利用したときの装着感や使い勝手という点においても、しっかりしたプロフェッショナルモデルのモニターヘッドフォンといえるでしょう。
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国産オーディオ機器メーカー、audio-technicaのATHモニターヘッドフォンシリーズの最下位モデルです。同シリーズはM20xからM70xまでラインナップしており、幅広い価格帯で展開しているのが特徴です。
M20xはとても手が出しやすい価格帯で、初めてモニター用のヘッドフォンを購入する方でも気軽に手に取れるのが魅力。同社製品らしいフラットな音質特性がポイントで、上から下までバランス良く鳴らしてくれます。迷った時はこのモデルから試してみてはいかがでしょうか。
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AKGのK240 Studioは価格と性能のバランスが良いコストパフォーマンスに優れたモデルです。セミオープンタイプの定番モデルとして長きに渡ってミュージシャンやエンジニアに愛用されています。ブラックとゴールドの配色でデザイン性も高く、装着感も良いので長時間の作業にも向いています。モニターだけでなく純粋に「リスニング用」として使えるのも魅力です。同モデルは初めてのモニターヘッドフォンに最適で、コストパフォーマンスが高い他、パッドやヘッドフォンケーブルの交換が容易なのでメンテナンス性にも優れてます。経験劣化によってパッドが傷んでもすぐに交換でき、万が一ケーブルが断線してもミニXLNを採用しているケーブルと交換可能です。「どのモデルから手を出せば良いかわからない」というDTM初心者の方にまずは試して頂きたい一台です。
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以上、モニターヘッドフォンのおすすめモデルを紹介しました。モニターヘッドフォンの選択は曲の仕上がりに影響が出る重要な部分です。上記にあるような業界定番モデルでも1〜2万円台で手に入れることができるので、妥協することなく一つは用意しておきたいところです。
楽曲制作やミックスダウンで用いる場合、SONY MDR-CD900STを選んでおけばまず間違いありません。その後、複数のモニタリング環境が欲しいと思った時に別のモデルを買い足していくなどすると良いでしょう。
mimimamo
ヘッドホンは長期間使っていると耳を当てるカバーの部分が汚れてしまいますが、水洗いなどができないため、汚れやアカが付いていてもそのまま使うしかありません。誰しも汚れたヘッドフォンを好んで使いたくないと思います。そこで登場するのがヘッドフォンカバーです。着脱式のヘッドフォンカバーは汚れても洗ってまた綺麗な状態で使うことができ、ヘッドフォンでのモニタリングが快適になります。
2015年に登場したヘッドフォンカバー「mimimamo」は衛生面での役割はもちろん、カラーバリエーションが豊富で無機質だったヘッドフォンがポップに様変わりするアイテム(このページトップの画像のヘッドフォンカバーもmimimamoです)。
L / M の2サイズがラインナップされています。
モニターヘッドフォンの売れ筋を…
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