
モニタースピーカーは音楽制作のあらゆる場面で欠かせない業務用のスピーカーのことで、音楽を聴くリスニング用スピーカーとは分けて考えられます。
本格的な楽曲制作をおこなう場合は、音源をフラットに出力し楽器の「音」そのものを正確に捉えることができるスピーカーを用意することが大変重要です。
このページではホームスタジオで使うモニタースピーカーのセッティング方法や、DTMerに適したおすすめのモニタースピーカーを紹介していきます。
モニタースピーカーはどんな時に必要?
音楽制作においてモニタースピーカーが決定的に重要な役割を果たすのは、ボーカルやギター/ベースなど楽器類の音決め、そしてミックスダウンおよびマスタリングなど全体のバランス調節作業の時などです。
リスニング用スピーカーは機種毎に周波数特性の偏り(個性)があるので、再生状況による音質の変化がとても大きくなりモニタリングの正確性に欠けてしまいます。
またヘッドフォンでは、全体の奥行きや拡がり、幅がスピーカーほど詳細には確認できません。
楽器の音決めをより精密に、ミックスダウン/マスタリングをより高いクオリティでおこなうためには、少しでも解像度の良いモニタースピーカーで音を聴くことが必要不可欠です。
ミックスダウン
ミックスダウンは、打ち込み、ボーカル、ギター演奏などでレコーディングをした各パート(トラック)の様々なサウンドの音量や定位をバランスよく調整して、LRのステレオ・2トラック(2MIX)に編集します。
各パートの音量バランスや定位の設定、EQ(イコライザー)による各パートの周波数域の調整や、エフェクターを利用しての音色作りなど、レコーディングした各音声素材など編集し、楽曲としてよりクオリティの高い状態にしていく作業です。
この作業が最終的な楽曲のクオリティーを決定します。
マスタリング
マスタリングは配信するメディア(かつては主にCD)に適したデータに楽曲をコンバートする作業です。
この作業で楽曲自体の本質的な変化は起こりませんが、全体がこもって聞こえたり、抜けの良い音になったりする変化が起こるので音楽制作においてはマスタリングもとても重要な作業工程です。
モニタースピーカーのセッティング

モニタースピーカーを手に入れる前に、部屋のどこにセッティングするかを考えておきます。
自宅でモニタースピーカーを設置する時は、以下のことに注意してセッティングするとよいでしょう。
設置場所
定在波を抑えるため、部屋の長辺側の真ん中にセッティングします。
スピーカースタンドの上に置く
スピーカーを床に直接置くことは、あまり良いモニタリング環境とは言えません。
机の上であっても、スタンドにおくようにしましょう。
スピーカースタンドは音で共振してしまわないような頑丈で重いものが望ましいです。
レンガやコンクリートブロック(中に砂を詰める)などで代用するという方法もいいでしょう。
壁との距離を調整する
壁からは50㎝以上離すようにセッティングします。
壁から離れるほど低音は減り、壁に近づくほど低音は増えます。
高さを調節する
基本は自分の耳の高さと合わせるようにセッティングします。
低音を強調したい・高音がキンキンする場合はスピーカーの位置を下げます。
位置を上げると低音成分は減り高音が強調されます。
2つのスピーカーの距離
1.5mほど間隔を開けるのが理想的です。
モニタースピーカー選びの注意点
モニタースピーカーを選ぶ際に気をつけておきたいポイントを解説します。
部屋に合った音量やスピーカーの大きさの考え方、スピーカーの位相については、プロのエンジニアが解説した以下の記事も参考にしてください。
アクティブ・タイプ?それともパッシブ・タイプ?
モニタースピーカーの中には、スピーカーを鳴らすためにアンプが必要なものも存在します。
アンプが必要なものを「パッシブスピーカー」、アンプが必要なく電源ケーブルだけを必要とするものを「アクティブスピーカー」と言います。
このページの後方でおすすめモデルとして紹介しているのは、全て「アクティブスピーカー」です。
サイズを確認する
スピーカースタンドを置いておけるほどゆとりのある広さのホームスタジオならともかく、駆け出しDTMerの皆様のほとんどは、テーブルの上に設置するのではないでしょうか。
デスクトップで音楽制作をおこなう場合は、真ん中にパソコン、両脇にスピーカーを設置しますが、机のサイズに収まりきらないスピーカーを用意してしまわないように、事前にスピーカーの横幅サイズを確認しておく必要があります。
また防音設備が施されていない部屋の場合、スタジオグレードのモニターを用意してもポテンシャルを発揮できませんから、ある程度小型のものを選ぶのが無難です。
接続端子を確認する
YAMAHA MSP5 Studio:リアパネルの様子
モニタースピーカーの接続端子は、XLR/PHONE/RCAなど機種によって異なる場合があります。
例えばスピーカー側の入力がRCA端子なら、オーディオインターフェイス側の出力もRCA端子でなければ繋ぐことができません。
これからモニタースピーカーを選ぶという人は、まず自分が所有しているオーディオインターフェイスの出力端子(OUTPUT)を確認し、同じ規格の入力端子を持ったスピーカーを用意するようにしましょう。
ペア/単体どちらで販売しているか確認する
モニタースピーカーは2台1セットで、必ず2台のスピーカーが必要です。
モニタースピーカーは単体で販売されていることもあるので、知らずに1台だけ購入したとしてもちゃんと使うことができず、後からもう1台を揃えなければならないという状況になります。
そうなると想定していた予算の2倍の金額となってしまうので、購入するときはその製品が単体で売られているか/ペアで売られているか、事前にしっかりと確認しておきましょう。
ミックスダウン作業をする人は、モニターを複数用意する!
楽曲のミックス・マスタリング時には、制作したトラックを様々な環境でリスニングして総合的に評価するために、複数のモニターを用意するのがプロの現場でも用いられる手法です。
メインスピーカーとは別にサブスピーカーを用意しておけば、盤石の体制でミックスダウン作業に臨めるでしょう。
そのほかヘッドフォン、イヤホン、ラジカセなどスピーカー以外にも様々な環境で音を聞き比べて音のバランスを調節していくことで、楽曲はどんどん洗練されていきます。
ホームスタジオに適したオススメのモニタースピーカー
ここではDTM初心者から本格的に楽曲制作をしたいというアマチュアの人までを対象とし、自宅のホームスタジオに適したおすすめのモニタースピーカーを紹介します。
表現したい音楽にフィットするモニタースピーカーを手に入れて、あなたの音楽制作ライフを、さらに充実したものにしてください。
「はじめての1台に向くエントリーモデル」「本格的な楽曲制作に導入したい5インチクラスの定番モデル」「机の上に置ける小型モデル」の3つに分けて紹介します。
紹介しているのはすべてアクティブスピーカーです。
ペア販売か1本販売かはモデルによって異なるので、購入前に確認しておきましょう。
はじめての1台:手頃なエントリーモデル
はじめてモニタースピーカーを導入する人に向く、ペアで販売されているエントリーモデルです。
RCAやステレオミニの入力、前面のヘッドホン端子を備え、オーディオインターフェイスを持っていない段階でもパソコンやスマートフォンと繋いで使えます。
本格的な楽曲制作に導入したい定番モデル
ミックスダウンを積極的におこなうという人は、以下のような定番モデルを一つ用意しておくと安心して作業することができます。
いずれも5インチ・ウーファーを搭載したモデルで、基本的に1本単位で販売されています。
コンパクトサイズのモニタースピーカー
デスクトップにスピーカーを置くスペースがない、ノートパソコンでDTMするという人の環境に適した、超コンパクトなモニター用スピーカーを紹介します。
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