DTMで使うマイクの種類と選び方。はじめてのマイクにおすすめのモデルは?[記事公開日]2021年2月2日
[最終更新日]2021年09月14日

マイク

ボーカルやドラムなど生音をレコーディングする時に使用するマイク、実はマイクには様々な種類がありそれぞれ特性が違います。ボーカルを録音するにも奇麗に録りたいのか臨場感を出したいのかによってマイクの向き不向きがありますし、ドラムでも一般的にスネアとバスドラムでは使用するマイクは異なります。このページではマイクの種類や特徴について紹介していきます。それぞれの楽器の特性に合わせたマイクを選びましょう。

マイクの種類

一口にマイクと言っても、様々なものがありますが、ギターや歌を録音して形にしたいといった場合ではやはりダイナミックマイクか、コンデンサーマイクのいずれかを選ぶことになるでしょう。よくカラオケで見かける手に持って歌うマイクがダイナミック、レコーディングでシンガーが使っていたり、漫才の番組などでよく見かけるものがコンデンサーです。

コンデンサーマイクとダイナミックマイクは何が違うのか?

ダイナミックマイクの特徴

ダイナミックマイク

ダイナミックマイクは迫力のある音質が得られ、頑丈で電源がいらないため、取り回しやすく、ライブでのパフォーマンスでは主として使われます。また録音でもギターアンプやドラムに対しては、荒々しい音質を狙ってダイナミックマイクが使われることが普通です。ライブ会場などに置かれているものは、通常単一指向性のものであるため、正面からの音しか拾いません。ギターの指板や歌詞を見るときに口元がマイクから外れて、音を拾わなくなってしまう経験は誰しもあるもの。ライブ演奏の際には注意しましょう。

  • 耐性:頑丈・壊れにくい
  • 価格:比較的安い
  • 電源:要らない
  • 音質:ダイナミック
  • 用途:ドラム・ギターアンプ・ライブでのボーカルパフォーマンスなど

ボーカル用ダイナミックマイクの選び方

コンデンサーマイクの特徴

コンデンサーマイク

コンデンサーマイクは繊細かつしっかりした音質で、息づかいやブレスの音まで入るなど、非常に細やかなところまで録音できます。アコースティックギターや歌の録音では通常こちらを使うことが多いため、ぜひとも一本持っておきたいところ。ダイナミックマイクに比べると高価な製品が多く、作動に電源が必要。湿度に弱く、気を遣った保存が必要になります。

  • 耐性:衝撃や湿気に弱い
  • 価格:比較的高い
  • 電源:必要(ファンタム電源など)
  • 音質:繊細
  • 用途:ボーカル・ピアノ・アコースティックギター・ラジオ収録など

オススメのボーカル用コンデンサーマイク

注意!コンデンサーマイクを使うための必須アクセサリ

コンデンサーマイクは動作にマイク本体以外のさまざまな備品が必要になります。まずは上で述べているとおりファンタム電源。こちらはマイクが入力できるオーディオインターフェースやミキサーには、まず付随しているのが普通です。手持ちの機材を確認してみましょう。そしてケーブル。ケーブルはファンタム電源からの電源供給を行うために双方にXLR端子のものが必要です。

そしてマイクを上に乗せる、あるいは吊り下げるためのショックマウント。コンデンサーマイクは敏感すぎて地面から伝ってくる震動や音などを拾ってしまうため、空中で吊り下げたような状態を保つ必要があります。これを可能にしてくれるのがショックマウントです。当然マイク本体に合わせた純正のものがベストで、マイクに付属していることも多いため、付いていない場合のみ購入を考えましょう。

最後にポップガード。息がマイクに当たってしまう「吹かれ」という現象を軽減するものです。ボーカリストの口元の前に丸い網のようなものが設置してあるのを見たことのある方は多いでしょう。基本はメッシュ状になっており、スタンドに取り付けます。布製のものや、高価な物では金属製のものもあります。

マイクの「指向性」とは?

マイクの向きと録音する方向を指す言葉として指向性というものがあります。

  • マイクが向いているその前の部分のみが録音出来る「単一指向性
  • 前と後ろの両方から録音する「双指向性
  • あらゆる角度からの音を集音する「無指向性

などがあります。コンデンサーマイクには指向性を複数選択できるものも珍しくありませんが、通常の録音では単一指向性のものがあれば十分でしょう。

カーディオイド(単一指向性)とスーパーカーディオイド(超単一指向性)

ダイナミックマイクでは、同じ単一指向性(カーディオイド)の中でも、通常のものと比べ、さらに指向性の幅を狭めたスーパーカーディオイドというものがあります。前面と背面の音を拾いやすくなる反面、側面からの音をまったく拾わなくなるため、ステージでのハウリングに強いのが特徴です。弾き語りなどの場合、演奏中の手を見たりすると極端に音量が落ちるため、神経を使いますが、しっかりと的を外さずに歌える場合、集音の能力は通常のカーディオイド以上で、クリアーな歌声が得られるでしょう。スーパーの上にさらにハイパーカーディオイドというものもあります。こちらもスタンドに装着したまま前を向いて動かずに歌えるのであれば、有効な選択肢でしょう。

楽器用とボーカル用

エレキギターの録音でよく使われる「Shure SM57」などは楽器用ダイナミックマイクの定番として知られているなど、楽器用とボーカル用がそれぞれマイクによってカテゴリ分けされている場合があります。とくにダイナミックマイクはそのような用途別に分かれているものが少なくないため、選ぶ際には注意が必要です。
一方コンデンサーマイクは万能であることが多く、よほど特定の音色を狙ったりしない限り、ギター用とマイク用を分ける必要はありません。

マイクの選び方

初めての1本におすすめのダイナミックマイク

Shure SM58

世界で最も有名な、キングオブダイナミックマイク。中域を中心とした濃密な音色は、どんなシチュエーションでも使える万能性を持ち、ダイナミックマイクの特性を理解する上でも一度は触れておきたい製品です。価格は1万円を下回り、持ちやすく重量も適当、耐久性も折り紙付きと言ってよく、使いやすさでは群を抜いています。世界中で愛される理由がよく分かるモデルで、迷ったらまずはここから試すと良いでしょう。

SHURE SM58 – Supernice!DTM機材

AKG D7

オーストリアの名門マイクメーカーAKGの代表的ダイナミックマイク。指向性はスーパーカーディオイドに当たり、高域側にすっきりと伸びたレンジの広い好バランスな音質は、上位のAKG製コンデンサーマイクでも見られる特徴で、ボーカルのみならずさまざまなソースに対応できるでしょう。ゲインが高く十分な入力量を持つため、小さな声から大きな声まで幅広く再現でき、宅録ではもちろん、ライブ演奏などでも大活躍してくれるはずです。

AKG D7 – Supernice!DTM機材

初めての1本におすすめのコンデンサーマイク

Audio Technica AT2020

国産のマイクメーカーとしては第一と言って良いオーディオテクニカ。こちらのAT2020はエントリークラスのモデルとなっており、1万円を切る価格が魅力です。オーディオテクニカのマイクの特徴として、無難で妙な色付けのない素直な音というものがありますが、このモデルもまさにそのような特徴をそのまま有しています。声やギターがそのままストレートに入力でき、落ち着いた印象のサウンドに仕上がるため、後々の編集作業もしやすく、価格的にも初心者のコンデンサーマイク1本目として適したモデルです。

audio technica AT2020 – Supernice!DTM機材

Lewitt LCT440Pure

AKGの技術者が独立して立ち上げたオーストリアのLewitt。いまだ若く新しいメーカーですが、安価で高性能なマイクは昨今評価を上げており、その看板商品がこのLCT440Pureです。非常に高い感度と、高域の再現性能が同価格帯のマイクの中では群を抜き、クリアーで繊細な音が録れるのが特徴です。ボーカル録音の際の高音部、アコースティックギターにおけるシャリシャリとした成分などは特に魅力的に再現され、一聴して煌びやかな音質に仕上がります。上のAT2020とは対照的に、良くも悪くも派手な音質になりがちですが、そのポテンシャルは高く、ハイグレードなモデルと同クオリティとする評価も見受けられます。

Lewitt LCT440Pure – Supernice!DTM機材

少し予算がある人におすすめのダイナミックマイク

Sennheiser E935

昨今YouTubeなどの動画サイトで人気のあるゼンハイザーのダイナミックマイク。単一指向性でバランスの取れた音質と、使いやすいダイナミックマイクとしては真っ先に名の挙がる存在です。クリーンな高域を再現し、低域もタイトにまとめ膨らませずにカバーしてくれるため、音質は非常に明瞭。その分、実力がストレートに出るマイクでもありますが、ライブ、レコーディング問わず使え、そのレンジの広さから、アコースティックギターにも十分対応できるでしょう。

SENNHEISER E935 – Supernice!DTM機材

Shure KSM8

2016年発表の、世界初「デュアルダイアフラム」マイクロホンとして登場した高級ダイナミックマイク。近づきすぎると音像がぼやける”近接効果”をデュアル設計により回避、どのようなシチュエーションでも明瞭なサウンドが得られるようにチューンされています。ダイナミックマイクでありながら、元の音にある空気感や質感を捉えることができ、ボーカルのみならず他の楽器にも幅広く対応できます。値段はダイナミックマイクの中では極端に高価ですが、コンデンサーマイクに比べるとさほど手に入れにくいほどでもなく、しっかりとした音源、ライブを残したいのであれば、一考の余地がある製品でしょう。

SHURE KSM8 – Supernice!DTM機材

少し予算がある人におすすめのコンデンサーマイク

AKG C314

歴史に残る銘機AKG C414と同じダイアフラムを搭載しつつ、機能を制限することでコストパフォーマンスを高めたミドルクラスモデル。高域がしっかりと伸び、かつすっきりとまとまった低域が特徴で、レンジの広さや全体的なバランスの良さが感じられる音質です。その特徴ゆえに様々なソースについて十二分な結果を得ることができ、ボーカルからギター、ピアノなどに至るまでこれ一本でほぼカバーできるでしょう。指向性は4種から選択することができます。

AKG C314 – Supernice!DTM機材

Neumann TLM102

コンデンサーマイクの王様とも言えるドイツのノイマン社。高級モデルが並ぶノイマンにおいて、比較的リーズナブルな一本がこのTLM102です。小柄なそのフォルムは非常に取り回しが良く、どのようなシチュエーションでも設置に困ることがありません。ノイマンらしく細やかかつノイズレス、高域も出過ぎることがなく滑らか、それでいてレンジは広く、最大入力レベルも非常に高いところまでカバーでき、大音量の楽器も録音に耐えられます。さすがのノイマンだけあって、家での宅録程度であればこれ一本で何の問題もないでしょう。

NEUMANN TLM102 – Supernice!DTM機材


以上、はじめてのマイクにおすすめのモデルを紹介しました。お気に入りの一本を選んで、録音作業をスタートさせてください!