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ボーカル用に使われるマイクには大きく分けてダイナミックマイクとコンデンサーマイクの2種類がありますが、比較的安価で購入できスタジオ練習・レコーディング・ライブ活動と幅広く活躍するのがダイナミックマイクです。
主にレコーディングで使われるコンデンサーマイクと比べると衝撃に強くライブや野外など過酷な状況で使っても壊れにくいのが大きな特徴となっています。ここではダイナミックマイクの特徴、用途、メリットやデメリット、定番機種などについて詳しく解説していきたいと思います。
バンド活動においてボーカル用のダイナミックマイクは、練習スタジオ・ライブハウスともに基本無料でレンタルすることができます。そのためボーカリストが必ずしも自分でダイナミックマイクを所持していなければいけないというわけではないのですが、自分のマイクを持っていることで様々なメリットが発生することも事実です。
基本的にライブハウスではPAがボーカル用のマイクを用意しておいてくれますが、自分のマイクを持ち込むこともできます。ボーカル用マイクというものは口に近づけて使用するものですから、不特定多数が同じマイクを使用するライブハウスという場所ではやはり衛生的に気になってしまうこともありますよね。
その点自分のマイクを持ち込んだ場合、基本的に自分で管理しているものなので衛生的に気になることもなく歌唱やステージングに集中できます。ボーカリストはステージ上でもっとも注目される立場であることから何かとナーバスになりがち。自分のマイクを持ち込むことでそういう余計なストレスを排除できるのですから、意外と大きなメリットだと言えるのではないでしょうか。
自分用のダイナミックマイクを持っているとレコーディングや仮歌にも便利に使うことができます。エンジニアが常駐しているような本格的レコーディングスタジオであれば個人でマイクを持ち込むよりもスタジオで用意されているレコーディング専用のマイクを使ったほうがいいのですが、アマチュアは予算の都合などもありレコーディングスタジオを簡単に利用しにくいという現実があります。
そのため一般的なアマチュアミュージシャンは練習スタジオでレコーディングすることが多いと思いますが、その場合にも自分のマイクを持ち込むと便利です。
通常練習スタジオであればマイクは貸してもらえますが、それはあくまで練習用マイクであってどの程度使い込まれているか(ヘタっているか)も分からない上にレコーディングに適したマイクなのかどうかも分かりません。限られた時間のなかで「実際に録音してみないと分からない」というのは大きなリスクですよね。
その点自分のマイクであれば余計なあれこれを心配することなくレコーディングに集中することができます。実際やってみると分かるのですが、レコーディングというものは様々なトラブルが付き物。余計なトラブルのタネはあらかじめ排除しておくのがいいでしょう。
デモ音源の仮歌程度であればスタジオではなく自宅で録音してしまうことも多いかと思いますが、その場合はそもそもマイクがなければ録音自体ができませんから、当然自分のマイクが必要になります。
ダイナミックマイクであればコンデンサーマイクと違い比較的安価な家庭用オーディオインターフェイスやアナログミキサーにも対応しているため家庭用にもぴったり。手持ちでの録音も可能ですので、狭い部屋でマイクスタンドを置く場所が確保できないという場合でも安心です。
またときどきデモテープ用の歌や「歌ってみた」などの歌唱音源を自宅で録音する場合「Skype用マイクで録る」または「iPhoneに直録り」という初心者の方もいるようですが、音質・データ形式ともにトラブルの元になるため、音源のクオリティを上げることを考える場合、基本的にはやめておいたほうがいいでしょう。
ボーカル用ダイナミックマイクにはコンデンサーマイクとは異なる様々な特徴やメリットがあります。コンデンサーマイクが主に楽曲レコーディング用として使われるのに対し、ダイナミックマイクは様々な用途に使うことができるため、練習スタジオやライブハウスで見かけるのはほぼダイナミックマイクだと言っても過言ではないでしょう。
では以下にボーカル用ダイナミックマイクの特徴について詳しく解説していきます。
ダイナミックマイクはコンデンサーマイクと比べて価格が安めに設定されています。プロの現場でも使われている定番のダイナミックマイク「SHURE SM58」でさえ1万円強で購入することができるのです。ボーカル用のダイナミックマイクはある程度まで使い込んだら交換する消耗品という扱いですので、安価に買い直しができるというのはメリットですよね。
多少凹んでても気にせず使える
ボーカル用ダイナミックマイクというものはライブで使用されることを想定されているため、比較的頑丈に作られています。だからといって雑に扱っていいというわけではありませんが、コンデンサーマイクほど湿度や衝撃などに注意して扱わなくてもいいため持ち運びも気軽にできます。
またボーカル用ダイナミックマイクは口に近づけて使用するため唾液や口紅などで汚れがちですが、その際はグリルボール(先端の丸い網状のパーツ)を外して水洗いすることができます。
SHURE SM57などメジャーなモデルでしたらグリルボールの交換品も安く購入可能ですので、ある程度使い込んだら交換という使い方ができるのも気楽でいいですね。
ボーカル用ダイナミックマイクは「ハンドマイク」なんて呼び名があるくらいですから、手持ちでのボーカルレコーディングが可能です。
一般的なコンデンサーマイクでレコーディングする場合には他にマイクスタンド、ショックマウント型のマイクホルダー、ポップガード(ウインドスクリーン)、ファンタム電源付きのミキサーかマイクプリアンプが必要になってしまうため、個人でのレコーディングには少々大掛かりになりすぎてしまいます。
一応ハンドマイク型のコンデンサーマイクもあるにはあるのですがやはりコンデンサーマイク特有のファンタム電源の問題が出てきてしまうので、自宅録音や練習スタジオでのバンド用の音源制作の場合などはどこでも気軽に使えるダイナミックマイクの方がおすすめですね。
ボーカル用ダイナミックマイクはスタジオ練習・レコーディング・自宅での仮歌録り・ライブなど、とにかく使える用途が広いのが特徴です。扱いの難しいコンデンサーマイクと違い、XLR端子のあるミキサーさえあれば本体のみで使用可能なのもメリットと言えるでしょう。
ダイナミックマイクはコンデンサーマイクと比べると比較的安価に購入できるため下に見られがちですが、実は性能差の上下ではなくマイク自体の特性と使用用途が異なります。
マイクには指向性というものがあり、どれくらいの範囲から音を拾うかが設計されています。基本的にボーカル用ダイナミックマイクは単一指向性といって、マイクを向けた正面からの音しか拾わないようになっています。
ボーカル用マイクなのに多方面から音を拾ってしまうとハウリングを起こしやすくなりますし、余計なノイズまで拾ってしまうことになります。本来の目的を考えると単一指向性であることは当然ですね。
それに比べてコンデンサーマイクの場合は、ボーカル用ダイナミックマイクに比べるとレコーディングにおける使用用途の広さから無指向性(全方向から音を拾う)のタイプも多く存在するほか、スイッチで単一指向性と無指向性を切り替えられるモデルもあります。
DTM君「よくバンド系アーティストやゴスペル系のPVで1本のマイクをぐるっと囲んでコーラス録音をしている場面がありますが、あれは無指向性マイクを使っているというわけですね。」
コンデンサーマイクがレコーディングにおいて繊細な音まで拾うように作られているのに対し、ボーカル用ダイナミックマイクはライブハウスや練習スタジオで使うことが想定されているため、大音量に強い設計になっています。
その半面、自宅録音などにおいてどうしても小音量でレコーディグしなくてはいけないような場合、十分な音量が得られないこともあります。万能さで選ぶならダイナミックマイクですが、レコーディングという用途に限って言えばコンデンサーマイクのほうが優秀なのは仕方のない部分ではありますね。
XM8500は、格安ブランド「ベリンガー」による SHURE SM58 のコピーモデルです。新品で2000円弱という衝撃の低価格ながら「粗悪な品質」というわけではなく、本家 SM58 には音質面で劣るものの、激安モデルとはいえPCマイク等よりも性能は間違いなく上で、それなりにキレイな音で録ることができます。これからはじめてボーカル録音をしてみる/とりあえず一本マイクが欲しい、といった人に最適なエントリーモデルです。
BEHRINGER Ultravoice XM8500
世間的にあまり知名度は高くないのかもしれませんが、CLASSIC PROは楽器・音響機器のネット通販最大手であるサウンドハウスがプロデュースするブランドです。驚きの低価格でコストパフォーマンスの高い商品が出てくるこのブランドですが、このシリーズのボーカル用ダイナミックマイクがCLASSIC PRO CM5です。
一般的に低価格帯のマイクというと接続端子がミニプラグ(イヤホンジャックに接続できるタイプ)で本格的な音楽活動には向かないようなものがほとんどですが、このCM5は1,000円強という超低価格ながら通常のマイクケーブルが使えるXLRコネクタを装備しています。
10倍近くの価格であるSHURE SM58に比べると細かい部分が劣るのは確かですが、それでもこの価格ならと許せるほど。CLASSIC PRO CM5は、SHURE SM58ほど本格的なものじゃなくてもいい、なるべくリーズナブルなマイクが欲しいという初心者の方にもおすすめできるコストパフォーマンスんも高いボーカル用ダイナミックマイクとなっています。
CLASSIC PRO CM5を…
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多少音楽をやっている方であれば「定番のボーカル用ダイナミックマイク」という言葉で浮かぶのが100人中100人このSHURE SM58ではないでしょうか。もはや有名だとか知名度があるとかそういうレベルじゃなく、業界のスタンダードになっているほどです。
音楽業界のスタンダードといえば他にもモニターヘッドホン「SONY MDR-CD900ST」が有名ですが、それと同じような感じでSHURE SM58はどこのライブハウスやスタジオに行っても必ず置いてあります。つまりSM58であればマイマイクとしてどこへ持っていっても嫌がられることなく、またPAやエンジニアの方も扱いに慣れているため短時間で最適な音にセッティングしてもらえる可能性が高いとも言えるでしょう。
DTM君「いずれ自分の好みのボーカル用ダイナミックマイクを見つけたい、という方でもまずは一般的な基準としてSM58は持っておくべきかもしれません。自分の中で確かな基準がなければ他のダイナミックマイクと比較のしようがありませんからね。」
日本では知名度こそSHURE SM58に劣るものの、1995年の発売以来世界的に大ヒットしているボーカル用ダイナミックマイクがAUDIX OM3です。価格的にも1万円強とSHURE SM58とほぼ同価格帯となっていますので、初めてのボーカル用ダイナミックマイク購入時にSM58とOM3とで悩む方も多いようです。
ただしライブハウスなどのPAは定番であるSHURE SM58を基準にセッティングする傾向がありますので、そういう場所に持ち込むことがメインとなるのであればSM58にしておいたほうが無難かもしれません。もっともOM3もSM58ほどではありませんがかなりメジャーなマイクですので、事前にPAにそう伝えておけば問題なくセッティングしてもらえるとは思いますが。
DTM君「個人的にはSHURE SM58とAUDIX OM3のどちらか一本を選ぶという考え方ではなく、ボーカル用ダイナミックマイクのバリエーションとして両方所持しておき楽曲ジャンルや欲しい音によって使い分けをするというのも面白い使い方ではないかと思いますね。」
AUDIX OM3 – Supernice!DTM
ボーカル用ダイナミックマイクの定番SHURE SM58の上位モデルがこちらのSHURE BETA58Aです。
SM58の単一指向性に対しこちらは超単一指向性となっており、よりハウリングに強く狭い範囲の音をクリアに拾うようになっています。またSM58と比べると感度がよく高音の抜けも良いため繊細な女性ボーカリストにも向いていると思います。
ただし超単一指向性ということで単一指向性のSM58よりも少々扱いが難しくなっています。まだマイクの使い方に慣れていない初心者ボーカリストさん、ステージングの激しいロック系ボーカリストさん、弾き語りなどで使うシンガーソングライターさんであれば、多少雑に動いても広範囲に音を拾ってくれるSM58のほうが使いやすいかもしれませんね。
一応上位モデルということで価格も上ですが、そもそも特性が違うため誰にとってもこちらのほうが良い音になるというわけでもないのが難しいところ。どちらかを迷っているのであれば、できればSM58、BETA58Aの両方を試してみた上で自分に合ったマイクを選ぶといいでしょう。
DTM君「SM58の上位モデルということもあって、SM58と比較してクオリティが高いと感じます。超単一指向性なのでマイキングはシビアですが、その分狙った音だけを拾ってくれるのでクリアな音質で録音できます。使ってみると違いは明らかですので、是非試してみて欲しいですね。」
SHURE BETA58A – Supernice!DTM
あまりライブハウスやスタジオでお目にかかることはありませんが、変わり種ということで一つハイエンド・ダイナミックマイク、SENNHEISER(ゼンハイザー)MD441Uを紹介します。
このマイクは主にテレビ局など放送関係で使われることが多いダイナミックマイクなのですが、その桁外れの音質からボーカル・楽器録音用として愛用する方も多く見られます。プロが愛用するレベルのボーカル用ダイナミックマイクでさえ1万円~2万円で購入できるものが多いなか、このマイクはなんと1本10万円以上もする超ハイエンド・ダイナミックマイクなのです。
マイクの特性としてはMD441Uはスーパーカーディオイド(SHURE BETA58Aと同じ超単一指向性)となっていますのでハウリングに強く、周りの雑音に邪魔されることなく目的の音のみを拾ってくれるという特徴があります。
そんな高級マイク誰が使うんだ?と思う方もいるかと思います。確かにMD441Uは単なるダイナミックマイクとして考えればかなりの高級品ですが、その音質からレコーディングの際のコンデンサーマイクの代用品としても使えると考えれば決して高いものではないでしょう。
またレコーディングだけではなく、簡易的なPAしか用意されていなく自分で出音まで責任を持たなくてはいけない狭いホールでの弾き語りやデュオ演奏などに使用されることも多いことから、その信頼性の高さが伺えます。
SENNHEISER MD441Uを…
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さてこれまで初心者でも手に入れやすいリーズナブルなマイクから1本10万円以上するようなハイエンドモデルまで紹介してきました。最終的にボーカリストの方がどのメーカーのどのマイクを選ぶかは本人の好みになりますが、私のおすすめを挙げるとすれば以下のようになります。ボーカル用ダイナミックマイク選びに迷ったときの参考にして頂けたら幸いです。
世の中にはここで紹介した定番のボーカル用マイク以外にも様々な種類のマイクが存在します。どのマイクが気に入るかは人それぞれですので、是非色々と試して自分に合ったマイクを見つけてください。
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