テレワークから動画配信まで!幅広い用途で便利な「USBマイク」まとめ[記事公開日]2021年9月30日
[最終更新日]2022年03月31日

USBマイク

昨今、YouTubeなどを始めとする動画サイトで行われるナレーション付きの配信。特にゲーム動画の配信などは動画のいちジャンルとしてすでに定着している感があります。この際、声をより良い音質で視聴者に届けたいというのは誰もが思うところでしょう。PCに付属されるマイクはあくまでおまけのようなもの。しっかりした音質を得るには専用品を得るのが近道であり、繋いですぐに使えるUSBマイクはそのような要求にぴったりとあった製品です。詳しく紹介していきましょう。

USBマイクのメリット

USBで直接PCと接続できるため、非常に手軽なのが最大のメリット。繋いで即入力可能となるものがほとんどで、PC側などでは入力機器だけ設定すれば事足りるでしょう。配信や録音などにおいて重要な”入力レベル”は本体にダイヤルが付いているものが多く、実際に声を出しながらワンタッチで変えられます。ある程度以上のグレードの機器では、マイク本体にヘッドフォン出力端子を兼ね備えることで、簡易的なオーディオインターフェースとしての役割を果たすものも多く、PC側のサウンドと自分の声をミックスしてモニターできます。

高音質を求めるなら…

昨今幅広い製品が展開されているUSBマイクですが、やはり専用マイクとハイクオリティなマイクプリアンプを搭載したオーディオインターフェースの組み合わせには勝てません。単なる配信でもしっかりとした音楽の演奏であったり、レコーディング用途も視野に入れるのならば、別々に機材を選んでいく方が良いでしょう。その場合、当然価格は上がり設定の手間もある程度増えていきます。
ボーカル用コンデンサーマイクの選び方

配信用マイクの選び方

配信用マイク

指向性について

配信では何を視聴者に届けたいのか、あるいは何人ぐらいでそれを行うのかによって、指向性を決めてマイクを選ぶ必要があります。一定以上の価格のものでは指向性を変えられるものも多く、そのようなものを始めから選んでおくのも手です。

歌/ボーカル:単一指向性

単一指向性マイク

単一指向性はカーディオイドとも呼ばれ、マイクの正面の音のみを拾うものを指します。一人で歌やナレーションを行う場合はこれを選ぶのが正解。ただし、正面だけとは言え、ある程度の広さまでをカバーしているものがほとんどなので、ギターの弾き語り程度であればマイクの真正面で演奏することで、両方を捉えることができるでしょう。その場合、片方の音に偏りすぎないよう、多少のセッティングが必要です。中には前方に極端に狭いスーパーカーディオイドと呼ばれる指向性のものもありますが、USBマイクのカテゴリで見ることはほぼないでしょう。

2人での対談:双指向性

双指向性は対面で向かい合う音を両方拾うもの。二人で対談などする場合にマイクを挟んで向かい合って座る、などの使い方が考えられます。また演奏でも楽器と歌や楽器同士のデュオ編成の場合、向かい合って演奏することで両方を収めることが可能でしょう。

複数で配信:全指向性

複数人での話し合いを拾いたい場合には360度どの音も均一に拾う全指向性(または無指向性)を選びます。ぐるっとマイクを囲むように位置を取ることで全員の声がほぼ均一に拾えるでしょう。

ステレオ

厳密には指向性という感覚ではありませんが、内部にカプセルが複数入っているコンデンサーマイクなどでは”ステレオ”というモードが選べることがあります。基本的には単一指向性の延長であることがほとんどですが、入力された音がLとRに分かれるため、より広がりのあるサウンドが得られます。

音質重視かコスパか(コンデンサーマイク/ダイナミックマイク)

音質を重視する場合コンデンサーマイク一択です。コンデンサーは非常に感度が高く、細かな音も拾うので主にボーカルの録音などに利用されるものです。駆動にはファンタム電源と呼ばれる電源が必要ですが、このカテゴリの製品ではもとよりUSBから給電できるため、ここを考える必要はありません。高嶺の花と思われがちだったコンデンサーマイクも、今では非常に安価なものが各社より登場しており、選択肢は数多く存在します。

ダイナミックマイクはライブでボーカリストが手に持って使っているものをイメージするとわかりやすいでしょう。電源が要らない代わりにやや感度が低く、音質面でもコンデンサーほど繊細ではありません。ただ、コンデンサーに比べ頑丈で壊れにくく湿気などにも強い上に、安価なものが多いため、音質を多少落としてでも選ぶ余地はあります。

対応機器について

USBマイクのほとんどがPC、Mac対応となっており、スマートフォンなどについての対応を明記していません。実際にはUSB type-CやLightning端子にアダプターを介して繋ぐことで使えるものも多いようですが、どうしてもスマートフォンやタブレットを利用したい場合、公式に対応を明記している製品を選ぶ方が無難でしょう。

機能(ミュート、音量調整)

USBマイクは従来のマイクに比べ配信に特化したものが多いためか、様々な機能がついているものがあります。先述した、入力音と出力音を調整してヘッドフォンでモニターできる機能や、任意のタイミングで入力をオフにできるミュート機能、複数の指向性を切り替える機能なども必要な人には重宝するはずです。

また、吹かれを防止するポップガードを本体に内蔵しているものも、ナレーション等を視野に入れた製品ではたびたび見られます。通常のマイクでは別売りとなる卓上スタンドなどもUSBマイクでは付属していることが多く、ヘッドフォン付きのセットで販売しているケースなどもあります。各社特徴のある製品をラインナップしているため、独自の特徴や付属品などに焦点を当てて選んでみるのも面白いでしょう。

配信におすすめのUSBコンデンサーマイク

低価格帯(~1万円)

SONY PCV80U

SONY PCV80U

ハンドマイクの形状をした単一指向性コンデンサーマイク。マイク単体で5千円を切る非常に低価格な製品ながら、付属のUSB Audio Boxを使用することで、オーディオインターフェース的な使用法も可能な製品となっています。公式にはPCでの動画投稿の他、PlayStation用のカラオケソフトにおける対応を謳っており、ボーカルに適したサウンドが得られるようになっています。本体は単なるキャノン端子のため、USB Audio Boxを使用しなければただのマイクとしても使用可能で、通常のレコーダーなどにも接続できます。

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Marantz Professional Pod Pack 1J

オーディオ業界で著名なマランツのUSBコンデンサーマイク。このPod Pack 1Jはナレーションにもっとも最適化された単一指向性マイクで、アナウンスや動画配信などを意図して設計されています。 本体にヘッドフォンの出力端子などはなく、あくまで入力マイクとしてのみの運用となりますが、音質はこの価格にして十二分。デスクに取り付け可能なマイクアームが付属するという、他では見られないセット商品として販売されているところがPod Packの名前の由来であり、この商品の最大の特徴でもあります。卓上で邪魔にならないマイクアームの導入を考えている場合、まとめて手に入るこの製品を選ぶのも良いでしょう。

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Blue Microphone Snowball iCE

Blue Microphone Snowball iCE

単一指向性のコンデンサーカプセルを搭載する、配信に特化したマイク。ボール型の下部に三脚が取り付けられており、そのままに卓上に自立させ使用します。値段も1万円を優に切り使いやすく、配信などを今から始めようと考える初心者に最適。ただし、ヘッドフォン端子などは付いておらず、あくまでも入力に特化した仕様となっています。良い意味でマイクらしくないそのルックスはチャーミングで、卓上に置いてもアクセサリー的な魅力があります。

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中価格帯(1万円~)

AKG LYRA USB

AKG LYRA USB

世界屈指のオーストリア発祥マイクメーカーであるAKGから、配信に適したUSBマイクのシリーズとして登場したのがこのLYRA USB。本体にコンデンサーカプセルを4つ内包し、Front、Front&Back、Tight Stereo、Wide Stereoと名付けられた4種の指向性を切り替えることができます。内部にはマイクプリアンプもあわせて搭載し、繋ぐだけで本格的なサウンドでの録音をすぐに始められます。優れた機能やサウンドに関わらず1万円台前半という安価であり、初心者でも十分に購入できる価格帯であるのも魅力。公式にスマートフォンへの対応を明記している数少ない製品の一つであり、幅広い使用法に適用できるでしょう。

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HyperX QuadCast HX-MICQC-BK

PS4への対応が明記された数少ないブロードキャスティング用マイク。単一志向、双指向性、無指向性、ステレオモードの4種の指向性を切り替えられ、入力ゲインはダイヤルでワンタッチ設定。スタンド、ショックマウントも付属し、ポップフィルターは内蔵されています。トップに付くスイッチによって任意の際に入力をミュート可能で、これは他のマイクではあまり見られない機能でありながら、配信には非常に重宝します。ナレーションに徹底して特化している製品であり、PS4の他、PCに対応しています。

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RODE NT-USB / NT-USB Mini

RODE NT-USB

オーストラリアの人気マイクメーカーRODEのUSB専用マイク。単一指向性のみに対応し、スタンド、ポップフィルター、リングマウントなど付属品が全て付いていることで、購入後すぐに使えるところも魅力です。音質はRODEらしくしっかりと抜ける音で、ナレーションには最適ながら、楽器演奏にも十分対応できます。入出力どちらの音もダイヤルで制御できるNT-USBは直感的な操作が魅力、より小さいサイズのNT-USB Miniはポップフィルターを内蔵することで、省サイズだけではない強みを持っています。いずれもPCだけでなく、タブレットに対応することが明記されています。

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Audio Technica「USB AT2020」

audio technica AT2020USB+

日本を代表するマイクメーカーであるオーディオテクニカの入門用USBマイク。エントリーモデルとはいえ、16bit、48khzでのレコーディングに対応し、オーディオテクニカ特有のフラットで中域のしっかりした良い意味での無難なサウンドが録音出来ます。PCに特化しており、入出力の音量を調整してのミックスしたリスニングなどもできるため、簡易オーディオインターフェース的な使い方も可能。ただし、本体にスタンドがないため、別途スタンドやアーム型ホルダーなどが必要です。

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Blue Microphone Yeti USB 2.0

Blue Microphones Yeti X

Blue Microphone社を代表するUSBコンデンサーマイクがこのYeti。価格は2万円近く、この中ではもっとも高価な部類に入り、それなりの大きさもあるものの、音質は数あるUSBマイクの中でもトップクラスで、圧倒的にノイズレス。単一志向、双指向性、無指向性、ステレオモードの4種を切り替えて使うことができ、オーディオインターフェース代わりのヘッドフォン端子を装備することで、配信にはもちろん、簡易的なレコーディングにも使用可能。1kgを超える頑丈なスタンドに装着されていますが、取り外して通常のマイクスタンドを使うこともでき、1本で全てをカバーできます。

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歴史の浅い分野ながら、各社から幅広い製品が展開されるUSBマイク。高価格な製品であっても2万円を超えるほどのものは少なく、手に入れやすい価格帯のものがほとんどです。配信のクオリティを少しでも上げたいという方は、是非導入を考えてみて下さい。