DTMの総合情報サイト
DTMを始めるためには、いくつかの基本的な機材と、音楽制作に関連する専門用語の理解が必要です。この記事では、DTM初心者に向けて必要な機材を分かりやすく解説し、制作に役立つ重要な用語についても詳しく説明します。これを読めば、DTMの世界にスムーズに足を踏み入れるための知識をしっかりと身につけられるはずです。
音楽プロデューサー、レコーディング・エンジニア、マニピュレーターとして椎名林檎のレコーディングに参加。マニピュレーターとして松任谷由実のレコーディングに参加。レコーディング&ミキシング・エンジニアとして、シンセサイザープログラマーとして、また作品のサウンド・プロデュースなど多方面で活躍する。リットーミュージックより「Pro が教える Vision for Macintosh」執筆。
DAW(デジタル・オーディオ・ワークステーション)はパソコン上で音楽や音声を録音、編集、ミキシン グ、マスタリングするためのソフトウェアです。簡単に言えば、DAWは音楽制作をデジタルで行うため のツールで、作曲やアレンジ、レコーディング、サウンドデザインまで幅広い作業が可能です。2万円台のアマチュアでも買える物から数百万円台のPro用の物まで多種多様で、現在のレコーディングスタジオでの主流DAWはProToolsです。作曲家やアレンジャーはProToolsを使っている場合もあるし、Logic,Cubase,Performer等と様々です。どのDAWもコンピューターをベースにDAWソフトウェアと追加のエフェクター・プラグインやソフトウェア・シンセサイザー・プラグイン等で構成されます。
DAWに入力されたオーディオは、マイクアンプを通った後(ラインインの機種もある)、直接オーディオトラックに録音され、再生された音がEQやCompなどの、各種ソフトウェアプラグインを通り、フェーダーを通った後、パンで右左に振り分けられステレオアウトプットに出力されます。
途中センドバスと呼ばれる信号を分ける部分で別のエフェクターに送られ、リバーブやディレイを追加する事も出来ます。
追加されたエフェクトもフェーダーを通った後、パンで左右に振り分けられステレオアウトプットに混ぜて出力されます。
図 DAW Block
曲等を録音し始める時、DAWによって、セッションとか、ソングとか言われる、新規のファイルを作ります。まずは、録音フォーマットを指定します。電気の知識の所で説明した、サンプリング周波数を選びますが、44.1kHz , 48kHz , 96kHz等が選べるでしょう。96kHzの方が周波数特製的には広く録れますが、パソコンが非力だったりすると、使えるソフトシンセの数やプラグインエフェクターの数が減る事になりますので、48kHzで使っている人もまだまだ多くいますが、私sは96kHzを標準にしています。
ビット数は16Bit , 24Bit , 32Bit等が選べます。数値が大きくなるにしたがって、レベル方向に高精細で録音出来ます。こちらも、数値が大きくなると、ファイルが大きくなるので、パソコンのパワーを必要とします。
32Bit Floatは少し特殊です。Floatといのは不動小数点を意味します。記録するデータに小数点と階乗のデータを追加する事で、広いダイナミックレンジを記録する事が出来ます。たとえばですが、今までは1〜10000まで記録出来たとして、Floatだと、0.0001から10の??乗まで、扱える様になります。
DAW内でミックス処理をしていく過程で、各チャンネルが歪まない様に録音されていても、エフェクトをしたり、混ぜて足したりした時に、レベルが大きくて内部で歪んでしまう事がありますが、24Bitなら歪んでしまって、元に戻らない大きなレベルも32BitFloatは演算上は扱う事ができる様になって、一旦歪んでしまって見えるミックスもマスター等、後でレベルを下げれば歪んだ部分も歪まずに復活します。
ただし、録音する時に入り口で歪んだり、出力する時に出口で歪んだりは別の話です。歪まなかった事に出来るのはDAW内だけの事です。
ソング(セッション)ファイルの準備ができたら、録音するトラックの準備ですが、録音される物に応じて、モノラルトラックかステレオトラックを準備します。ボーカルや、1本もマイクで録音するギターやベース等はモノラルトラックです。2本のマイクを使用するピアノや、エレキギターのエフェクターアウトがステレオだったりしたら、ステレオトラックを準備します。ステレオトラックだと、ファイルの大きさは倍になりますし、プラグイン等コンピューターへの負荷も倍になりますので、モノラルの音は必ずモノラルトラックにしましょう。
プリプロダクションをLogicで、Drum録音をProToolsで等と、途中でDAWソフトウェアを変えて作業する事があると思います。他のDAWではソング(セッション)ファイルは互換性は無いのでWAVファイルでやりとりする必要があります。曲の先頭からか、決まった小節頭から、範囲を決めて出力しましょう。
生楽器の録音や、ミックス等、エンジニアに頼む場合は、バラバラで曲の先頭からのファイル(パラデータ)を作らなければなりません。同時にスタンダードMIDIファイルでテンポ情報をエクスポートしておくと受け渡された側のDAWで読み込む事で小節で管理する事が出来ます。元々モノラルで録音されているトラックはモノラルで、ステレオで録音されているトラックはモノラル2つかステレオインターリーブファイルにします。モノラルトラックをステレオインターリーブファイルにしてしまうと、受け渡される側のDAWのボイス数(トラック数)を余計に使ってしまうのでモノラルのトラックは、なるべくモノラルファイルを使用しましょう。
DAWで使用するパソコンは殆どの場合、ワープロにもなるし、表計算もメールもホームページも閲覧出来る、普通のパソコンです。DAWを使用する上でコンピューターの事をザックリ説明しておきましょう。コンピューターは大きく分けて、MacとWindowsがありますが、ハードウェア的に大きな違いはありません。マザーボードと呼ばれる、CPU(中央演算処理装置)やメモリ、外部機器との接続の為のインターフェイスを備えている、大きな基盤があり、それに、ハードディスクやDVDドライブが一緒にセッティングされています。ディスプレイとキーボード、マウス(トラックボール)も欠かせません。
図 Computer概念図
パソコンのOS(オペレーティングシステム)は、ハードウェアとソフトウェアを管理・制御し、ユーザー がコンピュータを使いやすくするための基本ソフトウェアです。OSは、プログラムの実行やファイル管 理、周辺機器の操作などを行い、PC全体の動作を支えます。代表的なOSには、Windows、macOS 、Linuxがあります。
Windowsというのはパソコンのハードの事では無く、パソコンの上で動く基本のOSの事です。Apple社はMacOSとそれが動くハードウェア(Macintosh)を一緒に製造しています。それゆれにドライバーを追加したりする事が少なく、安定して使えます。丁度、冷蔵庫や車の中にもコンピューターはあるが意識しなくて済む感覚です。一方、MicroSoft社はOSであるWindowsとアプリケーションしか製造しておらず、ハードウェアはいろんな会社で発売されています。Windowsはいろんな会社のハードウェアを混在させなければならない為、ユーザー自身で安定させる必要があります
機能拡張、各種ドライバーは追加機器の交通整理役です。入力されたオーディオをDSP(デジタルシグナルプロセッサー)やハードディスクに導いたり、MIDI信号をインターフェースからUSB経由で入力したり、マウスやディスプレイの設定をしたりします。
パソコンのメモリ(RAM)とハードディスク(HDD)は、どちらもデータを保存する役割がありますが、役 割と性質が異なります。
メモリは作業のスピードを左右し、ハードディスクはデータの保存容量を担当します。
机に例えて紹介すると、ハードディスクは普段使わないものでもしまっておける引き出しや本棚、ソフトウェアは本、メモリは机の天板、机の天板が大きければ大きい程一度に開ける本の数は増えます。コンピューターは整理好きなので、机の上に開かれた本は電源を切る度に引き出しの中にしまわれます。引き出しに保存しなかったデータは電源を切ると消えてしまいます。ハードディスクは引き出し、本棚ですから、電源を切っても消える事はありません。
図 メモリとハードディスク
DAWの概要が分かった所で、いよいよパソコンの準備をしてきましょう。パソコン本体の性能はある程度あればいいのですが、目安としては、Corei7 Quad Core(4 Core )以上あれば、大丈夫でしょう。必要に応じてメモリとハードディスクを増設する事が出来ます。
メモリは使用するDAWソフトウェアとプラグインソフトシンンセサイザー(特にサンプラー系)が必要とする分を用意します。16GB〜32GBあれば足りるでしょう。ハードディスクは、容量と共にスピードにも注意しなければなりません。SSDであれば、スピードは問題ありません。
デスクトップコンピューターの場合、ハードディスクを複数台搭載する事が出来ます。
分けておくとインストールやバックアップがスムーズに出来ます。
ノートブックパソコンを使用する場合、内臓ハードディスクに余裕があれば、1〜3を内臓ハードディスクで済ませてしまう事もあります。
4は間違って消してしまってはいけないので、わざと外部ハードディスクを使用した方がいいでしょう。
オーディオインターフェイスは、パソコンとマイクや楽器などの外部音響機器を接続し、高品質な音声 の録音・再生を可能にするデバイスです。アナログ信号をデジタル信号に変換し、逆にデジタル信号 をアナログ信号に戻す役割を持ち、DTMや音楽制作で使用されます。これにより、パソコンの内蔵サ ウンドカードよりも高い音質で音声の処理が可能になります。
DAWの為のオーディオインターフェースは様々ありますが、マイクインを備えている物とマイクインが無くラインインしか無い物もあります。マイクインがあるとすぐにマイクを繋ぐ事は出来ますが、マイクとDAWの間にエフェクターを挟んでエフェクターを掛けて録る事が出来ません。エフェクターを掛け録りする場合はマイクアンプとエフェクターを用意して、LineInに入力します。
オーディオインターフェースを選定する基準は通常マイクを何本同時に使用したいかが、一番大きな基準です。次いで出力する数、モニター用、ヘッドホン用、などです。
レイテンシーとは、音声信号が入力されてから、その音がスピーカーやヘッドホンで聞こえるまでの 時間遅延のことです。主にオーディオインターフェイスやパソコンの処理能力に影響され、レイテン シーが大きいと、リアルタイムでの録音や演奏が難しくなります。
オーディオ信号はコンピューター内で実にいろいろな計算をされて出力される事が解ったかと思いますが、沢山処理する為に時間が掛かってしまうので、レイテンシーという問題が発生します。演奏している音とDAWで処理されて聞こえる音が時間差が出来てしまうので、遅れた演奏を聞きながら演奏しなければならないのは大変です。生演奏を録音するのに適しているのは、レイテンシーが小さいProTools等高価なDAWやハードウェアとして単体で発売されているDAWです。
ProToolsでは、コンピューターのCPUに頼らず、DSPボードでオーディオを処理するのでInputから入力されPlugIn処理をしない場合80Sample程度という小さいレイテンシーを実現していますが、DSPボードを何枚も使う為、非常に高価です。他の殆どのDAWはCPUで音声処理する為レイテンシーが大きくなってしまいます。レイテンシーを回避する為には、DAWに入る前の音とDAWからの再生音をミキサーを使って混ぜて聞ける様にする等の工夫が必要です。ミキサーで混ぜて聞く場合、マイクからは常に音が聞こえてしまい、パンチインした時のレベル差の確認は、その瞬間には出来ませんので必ずプレイバックして確認する必要があります。オーディオインターフェースでその機能を持っている物もあります。しかし、歌やギター等、1、2チャンネルならこの方法も使えますが、ドラム等では実用的ではありません。
図 レイテンシー問題
コンピューターのパワーが大きくなれば処理速度も早くなっていきますので、なるべくパワーの大きいコンピューターを使用することで、レイテンシーも小さくなります。レイテンシーを小さくすると、コンピューターの処理はそちらに大半を持って行かれてプラグインやソフトウェアシンセサイザーの使える数が少なくなりますので、生録音が多いかプラグインやソフトウェアシンセサイザーを使う事が多いかのバランスで考えましょう。
モニタースピーカーは DTM で自分が作ったトラックをミックスダウン/マスタリングするためのリスニ ング・スピーカーとして必要な機材です。一般的なクセのあるオーディオスピーカーではなく業務用の
モニター・スピーカーを用意することで、自分が作り上げたトラックの「素」のままの音を聴き、理想と する音像に近づけていきます。また、ボーカル録音の際には録音時にオケの自分の歌っている声が入らないようにヘッドフォンを装 着してレコーディングを行います。夜間の制作にも必需品ですね。それぞれ用意しておくとよいでしょ う。
プラグイン・ソフトウェアはDAWソフトウェアに後から機能を追加出来るプログラムの事を言います。ソフトウェアと名前は着いていますが、アプリケーション・ソフトウェアとの一番の違いは、殆どの場合、プラグイン単体では動作しません。プラグイン・ソフトウェアはエフェクターやシンセサイザーをソフトウェア化した物で、DAWソフトウェアの基本機能に、ギターアンプにさす「プラグ」の様に簡単に追加して、自分なりのミキサー、エフェクター、シンセサイザー等を構築する事が出来ます。簡単に追加出来るのは非常にありがたいのですが、DAWソフトウェアのバージョンやプラグイン規格の種類、OSのバージョンとの組み合わせに注意が必要です。
プラグインソフトウェアシンセサイザーやプラグインエフェクターの規格の種類です。
AAXはAvidのプラグインでProTools専用です。
VSTはバーチャルスタジオテクノロジーの略でCubaseのスタインバーグで開発されましたが、他にも使用出来るDAWがあります。
AUはオーディオユニットの略で、AppleのMacでLogicやPerformerで使用出来ます。
DXiという規格もありますが、Windows専用です。
AUはMacしかありませんがAAX、VSTはMacもWindowsにもあります。
自分の選んだパソコン、DAWソフトウェアに合わせてプラグインソフトウェアシンセサイザーやプラグインエフェクターを選んで追加してください。
ボーカルやアコースティックギターなどの生楽器の演奏を録音する時に必要になるのがマイクです。 次のページではマイクの基礎知識と扱い方について紹介しています。
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