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DTM君「皆さんこんにちは、DTM君です。突然ですが先日、ギター博士からこのようなメールが届きました。」
ギター博士「すまんがこの音源をマスタリングしてもらえるかのう?ミックスはできたんぢゃが、マスタリングがうまくいかんのぢゃ…頼んだゾイ!」
ということで今回は「DTM博士流マスタリングのコツ」と題しまして、ギター博士から送られてきた音源を使い、実際にマスタリングを行っていこうと思います。
マスタリング前と後で音源がどう変化するのか、そして私が普段どのような方法でマスタリングを行っているのかご紹介します。
このページで紹介している「マスタリング」は、スタジオレコーディングで仕上がった楽曲のCD制作における「マスタリング作業」とは異なり、楽曲のミックスダウン時に満足いかなかった部分を改善する目的での「マスタリング」について言及しています。
バンドでの本格的なスタジオレコーディングのやり方 – エレキギター博士
ギター博士から送られてきた音源がこちらです。皆さんも是非聴いてみてください。
ギター博士のオリジナルギター練習曲「寝坊したっ?!」:マスタリング前
DTM君「…ふんふんなるほど。左右の広がりが少なく、どことなくタイトというか、ダイナミック感が少ないようにも感じますね。さて、この音源を聴いた上で私は以下の点を意識してマスタリングしてみようと思います。」
今回の音源はシンプルなギターロックなので、少し音圧を上げてパワフルな印象のサウンドに仕上げてみようと思いました。そのを踏まえてコンプやリミッターで無理にゲインを上げるのではなく、サチュレーターで汚しつつ緩やかにゲインを稼ぐ作戦でいきます。
同時に左右の広がりはMS処理を施すことで解決。どことなく弱々しく感じる低音感も同時に解決できるので、MS処理はいつも寄り多めに施していくことにします。それでは実際に作業していきましょう。
手始めに真空管サチュレーターのプラグインであるWaveArts社のTube Saturator 2をインサートします。ここでゲインを稼ぐ訳ではなく、あくまで真空管の回路に音源を通し、気持ち程度のサチュレーションを得ることが目的です。このプラグインにはEQ機能も搭載されていますが、ここではオフにしています。
続いてNomad FactoryのMagnetⅡと呼ばれるテープシミュレーターをインサート。ここでも特にパラメーターをいじらず、テープシミュレーターを通すことが目的です。このプラグインに関してはインサートするだけでモッチリとした低音感を得ることができるので、ロック系サウンドのマスタリングでDTM君は必ずと言って良いほど使用します。
次にインサートするのがマスタリング用イコライザー、Brainworxのbx_digital V2です。最新バージョンのV3が既にリリースされていますが私はまだアップデートしていません笑 これは最終的な音質調整が目的なので、現時点でEQ部はいじりません。
ここでは画面中央にあるStreo Widthと呼ばれるステレオイメージャー機能で少しだけステレオ感を得ることにします。とてもナチュラルに広がりが得られる機能なので重宝しますが、やり過ぎると違和感のあるサウンドになるので注意しましょう。
続いてProAudio DSPのDynamic Spectrum Mapper v2をインサート。これはマルチバンドコンプレッサーの部類に入るプラグインですが、画面上部にあるCaptureボタンを押すだけで適切なスレッショルドを自動的に設定してくれる便利機能があります。
コンプレッションも非常にナチュラルなので、いわゆるコンプ臭さみたいなものもありません。画面下部でより細かいスレッショルド等の設定が出来ますが、ここではあえてCaptureボタンで自動設定されたスレッショルドでいこうと思います。
次にインサートしたのがWaves社のPuigChildと呼ばれるコンプレッサーです。これは伝説的名機であるFairchildをモデリングしたプラグインで、MS処理に対応しています。ここではS成分のみ軽くコンプレッションしました。アタックやリリースはTIME CONSTANTというパラメータが影響しますが、これもおおよそです。
ここである程度ゲインを稼ぎます。Brainworx社のbx_saturator V2はMS処理に対応しているサチュレーターで、M成分のハイとロー、S成分のハイとローをそれぞれ個別にサチュレートさせられるとても便利なプラグインです。XLと書かれたパラメータを音源を聴きつついじっていきます。XLはダイナミクスを残しつつ音量感が得られる優秀なサチュレーション機能ですが、比較的早い段階で歪み始めるので適度に設定するのが良いでしょう。
Brainworx社のbx_XL V2をインサート。これはMS処理対応のリミッターであり、M成分とS成分個別にリミッティングできるのが魅力です。この段階である程度ゲインは稼げているため、S成分が少しリダクションする程度の設定に留めました。このプラグインにもXL機能が搭載されていますが、ここではいじりません。
最後にインサートするのはA.O.M社のマキシマイザー、Invisible Limiterです。ここでは少しだけゲインを上げ、アウトプットは下げてマージンを「-0.5dB」に設定しました。マージンを取ることでファイル変換時(例えばMP3)の音質劣化を軽減することができます。
このプラグインをインサートすることで全体の絞まりみたいなものが良くなる印象があり、私はマスタリングで必ずと言って良いほど使用します。多少音が硬くなる傾向がありますが、今回の楽曲ではむしろそれが良い味になるのではないかと思いました。
音質の最終調整を早い段階でインサートしたBrainworx社のbx_digital V2で行います。アナライザーを確認し、余計なピークはQ幅を狭めてカットしました。クリアな音質を誇るイコライザーではありますが、あまりやりすぎると音質変化が表に出てしまうので、最大で-1dBのカットに留めておきます。
以上のエフェクトを使用してマスタリング完了です。
これらの過程を経て、ギター博士の音源はどう仕上がったのか、こちらに完成音源を用意しました。改めてマスタリング前の音源と、私がマスタリングした音源、それぞれを聴きくらべて頂ければと思います。
ギター博士のオリジナル練習曲「寝坊したっ?!」:マスタリング後
いかがだったでしょうか。後日、この音源をギター博士に送るとこんなメールが返ってきました。
ギター博士「ロック的な粗さと勢いが出たな!全体的に広がりが出ているし、スネアの音にも立体感があるし、ギターソロのバッキング(0:55〜)の低域が増してラウドになっていると感じたゾ。DTM君ありがとうの!!」
DTM君「とりあえず満足して頂いたようで一安心です。私自身もまだまだ未熟なので、もっと精進しなければと思います笑」
ここまでマスタリングの手順について解説してきましたが、これはあくまでDTM君でのやり方にしか過ぎません。ミキシングやマスタリングには満場一致の正解など存在せず、「自分が聴いて気持ち良いと思ったミックスあるいはマスタリングが正解」と言えます。今回の記事がマスタリングで悩んでいる方の役に立てれば幸いです。
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