《宅録》ギターレコーディングのコツ

[記事公開日]2018/10/7 [最終更新日]2022/3/31
[編集者]神崎聡

ギター宅録

自宅でギターを録音する…トラックメイカー、エンジニア、バンドのギタリストはもちろん、ボカロPやYoutuberまで、様々なプレイヤーがギターの宅録レコーディングをおこなっているのではないでしょうか。ギタリストにとって「いかに良い音で録音するか」というのは至上命題で、多くの人がこの工程で苦労していることだと思います。そこでこのページでは、当サイトに登場する「DTM君」と共に、実際にギターのレコーディング時に工夫しているポイントをまとめて紹介してきます。

ギターの宅録レコーディングに必要なもの

レコーディング前の心得

レコーディングを始める前に、良い音で録るためにギタリストが心がけておきたいポイントを紹介します。

ギター弦を張り替える

極上のテイクを録音するためにまずできることは、弦の交換です。ギターの弦鳴りを一番いい状態にするため、レコーディング前に6弦全てを張り替えておきましょう。

しかしこれだけで安心してはいけません。
弦の鳴りは手汗などですぐに最初の張りたての状態よりも悪くなってしまいます。耳の良いエンジニアは朝に弦交換したギターの弦鳴りの劣化に昼過ぎに気づく、ということがあります。1日中ギターレコーディングする場合は途中でもう一度張り替える、という場合もあるほどです。

ギター弦の巻き方/交換方法 – エレキギター博士

1テイク毎にチューニングがあっているか確認する

ギターは本来ピッチが狂いやすい楽器です。渾身の演奏が録音できたとしてもピッチが狂っていては台無しです。神経質過ぎるように思いますが、本番のレコーディングでは、1テイク録音する度にピッチが正確か気を配るクセをつけておきましょう。そうすることで、録音したテイクが常に安定したピッチを保っているという状態になります。レコーディング時は、ギターのヘッド部分につけっぱなしにできる「クリップチューナー」がとても便利です。

ブラウザ・ギターチューナー – エレキギター博士
初級/中級/上級別、オススメのクリップチューナー – エレキギター博士

ギターケーブルはできるだけ短く、高品質なものを

粗悪なケーブルは原音の音質を低下させる原因にも繋がりますから、レコーディングに使用するギターケーブルはできるだけ高品質なものを使用します。また、ケーブルが長ければ長いほど電圧低下につながり音ヤセの原因に繋がるので、できるだけ短いケーブルを用意しておきましょう。

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DTM君「スタジオレコーディングだったら5mは必要ですが、宅録だったら3m、オーディオインターフェイスに近づける環境なら1.5mのケーブルでも大丈夫ですよ。」

《リーズナブルで高品質》初心者にもオススメのギターケーブル – エレキギター博士

ペダルエフェクターは極力使わない

パッチケーブルの多用による音質劣化を防ぐため、ギターからオーディオインターフェイス/アンプへ繋いだケーブルには、エフェクター類はなるべく繋がないようにします。リバーブやコンプレッサー、ディレイといったエフェクターを使いたい場合は、DAWソフトに内蔵しているプラグイン・エフェクトで録音した後にかければ大丈夫です。

歪みペダルやアナログペダルなど、エフェクター独特の音色がある場合は使っても良いと思います。その時は全てのギターケーブルを状態の良いものにしておきましょう。

様々な宅録レコーディング方法

ギターを宅録レコーディングする方法は、大きく分けて

  • ライン録音
  • アンプにマイクをたてて録音
  • アンプのスピーカーアウトから録音

という3通りがあります。

ラインで録音する

ギターレコーディング

自宅レコーディングで最もよく用いられる方法が、ギターからオーディオインターフェイスに接続して録音するという方法です。DAWソフト内蔵のギターアンプ・シミュレーターや他社製のギター音源があれば、ギターアンプに繋いだようなリアルなサウンドで録音することができます。また、ギターを録音した後からでもアンプやキャビネットの組み合わせを自由に変えることができるので、じっくりと音作りができます。


ギター博士の練習曲〜初心者編〜「#1 寝坊したっ?!」

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DTM君「上の動画のギターサウンドは、全てWAVESの『GTR3』というアンプ・シミュレーター・プラグインを使って音作りしています。少し古いプラグインですが、最新のアンプシミュレーターだとさらにリアルなギターサウンドを鳴らすことができるでしょうね。」

おすすめのギターアンプシミュレーター・ソフトウェア

アンプシミュレーターやモデリングアンプを通す

また、アンプシミュレーター、オーディオインターフェイス機能を搭載したマルチエフェクター、モデリングアンプを繋いで録音するという方法もあります。下の動画の音源を聞いてみましょう。


ZEMAITIS CUSTOM SHOP METAL FRONT CS24MF FR4Cを弾いてみた! 0:20〜1:24

こちらの動画はプロファイリングアンプ「KEMPER」をオーディオインターフェイスに繋いで録音したものです。このように質の高いモデリングアンプがあれば、実際にギターアンプにマイクを立てて録音したかのような迫真に迫るギターサウンドが得られるのです。

《一台で複数のアンプ&エフェクト・サウンドを》モデリング・アンプの魅力とは? – エレキギター博士

ギターアンプにマイクをたてて録音する

ギターアンプにマイクをたてて録音

ギターとギターアンプ本来のサウンドや空気感をそのまま録音する王道のレコーディング方法です。プラグインのアンプシミュレーターやモデリングアンプなども、結局はギターアンプやキャビネット、マイクの組み合わせをシミュレートしているわけですから、この方法で良い音が録音できればそれがベストです。

録音するにあたってマイク、マイクスタンド、マイクケーブルが必要だったりと、ライン録音に比べて用意するものが多くハードルは高いでしょう。しかし録音状態が良ければ、ライン録音やモデリングアンプでは再現できない空気感、説得力のあるサウンドが得られるでしょう。お気に入りのアンプで録音したいという人は、是非この方法を試してみて下さい。

録音マイクの選び方

左:SHURE SM57、右:AKG C214
ギターアンプの音を録音するのに定番の2モデルだ

マイクは2本もしくは1本をアンプのスピーカー近くにセッティングします。録音用マイクは

  • ダイナミックマイク:SHURE SM57
  • コンデンサーマイク:AKG C214

が定番となっています。2本使う場合は録音した2つの音をミックスします。
まず最初の1本という人は「SHURE SM57」を、余裕があれば「AKG C214」を買い足していくと良いでしょう。

マイクが1本の時と2本の時では、音はどう違うの?

マイクが2本の時と1本の時では、サウンドはどのように違うのかがよくわかる動画を用意しました。


ストラトキャスターとテレキャスターを比べてみた【ギター博士】
マイクは「SHURE SM57」1本のみ。


ジャガーとジャズマスターを比べてみた【ギター博士】
マイクは「SHURE SM57」「AKG C214」の2本立て。

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DTM君「1本目の動画はマイク1本(SHURE SM57)、2本目の動画はマイク2本(SHURE SM57、AKG C214)で録音されています。マイク1本の時に比べて、マイク2本の時はサウンドに奥行き感が出ているのがわかるでしょうか。マイクの特性もありますが、ダイナミックマイク『SHURE SM57』で芯のある音を、コンデンサーマイク『AKG C214』でふくよかさや空気感を、録音しているイメージです。

あとボクの場合、ダイナミックマイクとコンデンサーマイクのミックスの割合は【6:4】でやってます。ご参考までに。」

SHURE SM57を…
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AKG C214を…
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ギターアンプのマイキング

ギターアンプのマイキング バンドでの本格的なスタジオレコーディングのやり方:ギター博士が実際にスタジオレコーディングに参加した時のマイクセッティング

続いてマイクの立て方をみていきましょう。

  • スピーカーとマイクの距離
  • スピーカーとマイクの角度
  • スピーカーとマイクの位置関係

など、マイクをセッティングする位置によって録音したサウンドが微妙に変化します。

スピーカーとマイクとの距離が近い程、サウンドはヌケが良く直接的な音になります。
スピーカーの中心からマイクが離れるほど高音域は低減されます。
スピーカーの芯から離してセッティングするケースが定番です。
2発4発など、複数スピーカーがあるアンプの場合は、一番音が鳴っているスピーカーを狙います。

定番のセッティングがありますが、自分で実際にやってみてベストなポジションを探していくのが良いでしょう。

アコースティックギターのマイキング

アコースティックギターのマイキング

アコースティックギターの場合はコンデンサーマイクがあれば高品質なサウンドで録音することができます。アコースティックギターはサウンドホール(穴の開いた部分)が最も音量が豊かなポイントですが、ここをマイクで狙うとたいていハウリングを起こします。サウンドホールから少しはずした位置にセッティングすると良いでしょう。ネック寄りにセッティングするとマイルドな音色に、ブリッジ寄りにセッティングすると堅くキラキラした音色に変化します。2本立てて録音する場合もあります。

マイクを使い分けよう

リフやリードには単一指向性のダイナミックマイク、クリーントーンなど弦の響きを活かしたい場合はコンデンサーマイクを使うといいでしょう。両方のマイクで録る合わせ技によってパワフルかつ奥行き感を加えた音にすることもできます。
アンプの後ろを狙って音に太さをプラスする、なんていう手法もあります。

ギターアンプのスピーカーアウトからオーディオインターフェイスに繋ぐ

正直、アンプを通らないラインの音は物足りないですよね。そんなとき良質な小型アンプがあれば少しだけギターの音を良くすることができます。

エレキギターをアンプに接続し、アンプに付いているスピーカーアウトからオーディオインターフェイスに接続、録音します。原音が一度アンプを通り増幅されるのでラインの音よりも太くコシが出ます。Blackstar HT-5Rクラスのアンプだとこの手法でなかなか良い音が録れるのでオススメです!

小型ギターアンプ – Supernice!ギターアンプ

ピッキングの音を拾ってみよう

エレキギターでもアコースティックギターでも、マイクを右手の位置に近づけて録音する手法があります。こうして録音した音と普通に録音した音をミックスすることによって、アルペジオやストロークなどピッキングのニュアンスが強調された表現にすることができます。その際、薄いペラペラなピックを使うとさらにGood!

レコーディング・テクニック

同じリフを2本録る

ロック系の楽曲でリフがメインの楽曲の場合、同じフレーズのリフを2回録り、2本のオーディオデータの定位を左右に振り分ける(PANする)ことでより迫力のあるダイナミックな表現になります。2本のギターのイコライジングを微妙に変えたり・種類の違うギターで録りわけたりしてみましょう。


ギター博士の練習曲「#3 ハカセ、怒りの鉄拳」
同じギターフレーズ(実は少し違うけど)を2回録音して左右にPANする。そうするとギターサウンドに厚みが出て、壁のように迫り来るサウンドになる。

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