DTMの総合情報サイト
DTM(デスクトップミュージック)を始めたばかりの方にとって、マイクの扱い方は難しく感じるかもしれません。しかし、マイクは音楽制作において非常に重要な役割を果たします。この記事ではマイクの構造、マイクの種類や基本的な扱い方について解説していきます。
音楽プロデューサー、レコーディング・エンジニア、マニピュレーターとして椎名林檎のレコーディングに参加。マニピュレーターとして松任谷由実のレコーディングに参加。レコーディング&ミキシング・エンジニアとして、シンセサイザープログラマーとして、また作品のサウンド・プロデュースなど多方面で活躍する。リットーミュージックより「Pro が教える Vision for Macintosh」執筆。
生楽器は殆どの場合、マイクを通さずに、人に聞いてもらう様に出来ています。トランペット等の管楽器やグランドピアノを想像してもらえばすぐに解ると思いますが、楽器から音が飛び出している方向があります。音が飛んで来ている場所にマイクを立てれば自ずといい音は取れるはずです。
マイクを立てる方角は解りやすいけれど、録音される音は距離でも大きく左右されます。部屋の響き方やスピーカーから聞く時のイメージで、どれぐらい部屋の響き成分を一緒に録るか、それとも、生で聞く事があり得ないぐらい近くで拾うかを考えながら距離を決めなければなりません。
楽器の生音を聴くと共に、録音する部屋の響きも注意して聴きましょう。
あなたは多少騒々しい喫茶店の中でも友達の話す話は聞く事ができるでしょう。しかし、マイクは音を選んで聴く事が出来る人間の耳の様な神経はありませんので、そこにある音をそのまま録音してしまいます。
楽器の音が飛んで行っている方向が解ったら、その音をどの様にマイクに拾わせるかを考えるのは録音する人自身なのです。
カメラのズームレンズみたいなズームマイクがあると便利ですが、残念ながらそんなマイクはありません。マイクによって近場の音を録るのが得意か、遠くの音を録るのが得意かはあります。
カメラに望遠レンズと標準レンズ、広角レンズの種類がある様に、望遠の様なマイク(超指向性)、標準マイク(単一指向性)、広角マイク(無指向性)があると思って下さい。
構造的に大きく分けるとダイナミックマイク、コンデンサーマイク、リボンマイクの3つがあり、収録方向は無指向性、単一指向性、超指向性、双指向性があります。
ダイナミックマイクは丁度スピーカーを逆にした様な構造で、振動板の振動を電磁石とコイルで直接、電気に変換します。 磁石の近くでコイル(電磁石)を動かすと電気が発生します。っていう、中学校の時に習ったフレミングの法則ってやつですが、覚えてますか? それが、ダイナミックマイクの原理です。
ダイナミックマイクはボーカル用やドラム用、エレキギター用等楽器に合わせて調整されている物が多くあります。単一指向の物が多く、前の音は良く録れますが、後ろの音はあまり録れません。
ボイスコイルが直接電気を発生させるので、ドラムやギター等大きな音が近くで鳴っても、歪まない様に出来ていますが、音源からちょっと離すと、離した距離以上に録音する音量は小さくなっていきますので、前方向集音難聴マイクと言ってもいいでしょう。ですから、ドラムや、ギターアンプ、ベースアンプ等の近接録音に使用します。
ライブの時にボーカルのマイクに使用するのも、いいボーカルの音を録ろうとするより、近くの音を録りたいのと、ハウリング(キーンっていう音が回った音)を防ぐ為で、レコーディングではボーカルはコンデンサーマイクを使用する事が殆どです。
Beta57
コンデンサーマイクは、コンデンサーという電気を貯める部品がありますが、その原理を応用して、マイクの振動板と後ろの板との間に電気を貯めておいて、振動が来た時に貯めておいた電気の変化量を信号として出力します。そのためコンデンサーマイクはファンタムと呼ばれるDC48V等の電源が必要です。ダイナミックマイクには電源は必要ありません。
コンデンサーマイクは感度が高く小さな音でも高い音でも録音出来ますし、録音してしまいます。その為、ダイナミックマイクの様に大音量の楽器に立てると歪んだりする事もあります。繊細なギターやバイオリンの音も忠実に録ってくれますが、感度が高いが故に目的の音以外の周りのまで録音してしまいます。自宅でのボーカル録音等は周りに雑音や残響があるので、コンデンサーマイクよりダイナミックマイクの方が良い結果を得られる事があります。
コンデンサーマイクは録音する方向を変えられる物も多くあります。単一指向、双指向、無指向等が、それです.マイクを理解するには、そのマイクの拾う幅、録音出来る距離をイメージするのが大切です。
指向性を変えられるからといって、ズームレンズみたいにどんな風にでも録れると思うと大間違いで、ズームレンズの様に録る幅を変えてはくれますが、どこにピントが合っているかは、そのマイク次第なので、マイクと楽器との距離を試して、そのマイクがどのぐらいの距離が最適なのか探す必要があります。
コンデンサーマイクの多くは「人を撮影する時に使う標準レンズや中望遠レンズ」と思えば録音する範囲が解りやすいかもしれません。人の大声より、小さな音を録音するのに向いていますが、最近は大きな音でも歪まないコンデンサーマイクも登場してますので、それぞれのマイクの特徴を知る事が大切です。
リボン型と言われる様に、金属製のリボンが磁石の間にある、ダイナミックマイクに近い構造のマイクです。金属製のリボンが風に弱かったりしたためにあまり使われませんでしたが、最近のリボンマイクは高音圧にも耐えられるものがあります。
マイクを使う上で欠かせないのがマイクスタンドです。ストレート型やブーム型、ショートブーム、大型(オーバーヘッド)ブーム等いろんな大きさがあります。マイクをセッティングしたい位置や、演奏に邪魔にならない様に使い分けましょう。
ブームスタンド
ポップガードは吹かれに弱いコンデンサーマイクの前に立てて、ボーカルの「パ行やタ行」等の息の勢いがある言葉でマイクが吹かれて「ボッ」とノイズを出すのを防ぎます。木枠にストッキングの様なナイロンの素材で出来たものやスチールで出来た物等があります。
ステレオバーは1本のマイクスタンドに2本のマイクをセッティングする為のアダプターです。ステレオイメージがうまく録れるので、ピアノ、アンビ等ステレオで録りたい時に多用しています。マイクはステレオペアマッチングされたものが好ましいです。
マイクや楽器から録音する為に最初に繋がるのはコネクター(プラグ)と呼ばれる部分ですが、コネクターの種類はキャノンコネクターや標準プラグ(フォーンプラグ)、TRSフォーンプラグ、ミニステレオプラグ等用途によって様々です。
マイクやミキサー、エフェクター等に着いているコネクターで、簡単に抜けない様にロックが着いています。1番グランド(アース)2番ホット(+)、3番コールド(ー)の3つのピンでバランス接続します。
標準プラグやフォーンプラグと呼ばれる、楽器に多く使われるコネクターです。キャノンコネクターにあるロックは無く、大きな力が掛かった時にギターやアンプ等が壊れる前にはずれる様に出来ています。チップと呼ばれるホット(+)とスリーブと呼ばれるシールド(コールド、ー)でアンバランス接続します。
標準プラグー標準プラグのケーブルを「シールド」と呼んだりするのはここから所以します。
ヘッドホンに見られるプラグです。
ステレオのヘッドホンや、バランスの端子、ミキサーのセンドレシーブ等に使われます。チップ(先端)(+、L、Send)、リング(ー、R、Rcv)、スリーブ(コールド、アース)の3つの端子からなります。
スマホ等でおなじみのヘッドホン用プラグです。携帯用のプレーヤーではTRSフォーンプラグでは大きいので、ミニモノプラグと互換性を持たせながらステレオにしたプラグです。
Pro用のスタジオでは回線の数が膨大にある為、それらを一カ所に集約して繋ぎ直す事が出来るパッチベイを使用します。パッチベイの橋渡しをするのがバンタムプラグです。キャノンやTRSフォーンプラグの様にバランス接続で繋ぐ事が出来ます。
バンタム
Patch Bay
プラグの説明でバランス、アンバランスという言葉が登場しましたが、それらは電気信号を送る時のノイズの対処方法です。
電気信号を送るのにはプラスとマイナスの2本の線が必要です。しかし、2本の線を電源コードの様な平行な線で送るとマイク等の小さな信号は外部のノイズに影響されてノイズに埋もれてしまう事になりかねません。
そこで、バランス伝送方式では2本の信号線に加え、3本目のシールド(アース)というノイズをブロックする線があります。2本の信号線も同時に飛び込んで来たノイズを打ち消し合う様にねじってあります。
3本の線を使用するので、キャノンプラグや、TRSフォーンプラグを使用します。
アンバランスの伝送方式では、ノイズに対処しつつ、すぐに抜けてギターアンプ等機器を壊しにくい標準プラグを使う為に、信号線のうちのホット(+)は独立していますが、コールド(ー)とシールドを兼用したものです。楽器に多く使われていますが、バランスに比べ外部から飛び込んでくるノイズには弱いので、注意が必要です。
よくケーブルを高い物にしたら音が良くなってって話を聞きます。市販されている国産ケーブルを使う事が多いと思いますが、ベルデンやモンスターケーブル等外国産ケーブルや、1m数万円もするケーブルもあります。電源ケーブルも機器から外せるIECプラグを使用している場合、交換する事が出来ます。変えてみると、実際、音は変わりますが、コンセントまでは変わっている訳では無いので、詳しい理由は解りませんが、何らかの良い影響を器材に及ぼしているのでしょう。
コネクターからコネクターへ電気を伝えるのは、まぎれも無くケーブルです。随分高価なケーブルもあって、信号を損なう事無く伝える事が出来ると豪語しています。それは、まぎれも無い事実ですが、そもそも損なう元の音がどうなっているか、その先にその音がどう扱われるかの方が大事で、それを全部出来た上でのケーブルでの音色変化ですので、元の音をしっかり出したり、しっかり受ける努力の方がもっと大切です。
カタログ等で規定レベルとか定格入力レベル:+4dBとか-10dBとか記載されているのを見た事があるかと思います。プロ用のオーディオ装置は+4dBでラインレベルと言われます。ほとんどの場合、キャノンプラグ等バランスケーブルで接続されます。シンセやアマチュア用の録音機器は-10dBで、インストレベルと言われ、ラインレベルよりはやや小さいレベルですから、そのままプロ用のラインインに繋ぐとレベルは小さくしか振れません。標準プラグが使用される事が多いと思います。
ステレオコンポ等のピンジャックは-20dBで更に小さいレベルです。
そして、マイクは-60〜-30dBでかなり小さなレベルです。
マイクはノイズ対策の為にキャノンプラグの事が殆どです。
規定レベルの合った出力と入力を繋ぐのが基本です。
マイク(小さいレベル)をラインレベル(大きなレベル)の機器に繋いでも、殆ど反応しませんし、
逆にラインレベルの機器から、ピンジャック等の小さなレベルを扱う機器に繋いでしまうと、それだけで歪んでしまいます。
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