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ベースアンプを使った録音は、楽曲の土台となる低音をしっかりと支えるために重要な工程です。しかし、良い音を録るためには、適切なセッティングや環境作り、さらに音作りの知識が欠かせません。本記事では、小さなスタジオ環境でも高品質なベース録音を実現するためのアンプセッティング、マイクの配置、音作りのコツ、そしてライン録音の活用法について詳しく解説します。
音楽プロデューサー、レコーディング・エンジニア、マニピュレーターとして椎名林檎のレコーディングに参加。マニピュレーターとして松任谷由実のレコーディングに参加。レコーディング&ミキシング・エンジニアとして、シンセサイザープログラマーとして、また作品のサウンド・プロデュースなど多方面で活躍する。リットーミュージックより「Pro が教える Vision for Macintosh」執筆。
ベースアンプでもいい音を録る為には”いい生音”がそこで鳴っている必要があります。
スタジオでの録音の場合、ステージで使う様な8本もスピーカーが入っている、大きなスピーカーは必要ありません。何本スピーカーがあっても録音するのは1つのスピーカーだけですし、低音は回り込みやすいので、直接音以外の”部屋で鳴ってからマイクに帰って来た音”も録音されて悪影響を与えてしまいます。 スタジオでベースの為に用意出来る部屋はセパレートされたブースなら4畳半ぐらいの大きさですから、それぐらの部屋で気持ちよくスピーカーに動いてもらう為には、アコースティックギターと同じぐらいの音量が出せれば十分です。
うまいベーシスト程「エッ」と思う程小さなベースアンプを使っているのも納得出来ます。
アンプが用意出来たらやっぱり部屋作りです。回り込みやすい低音を考えて場所を選ばなくてはなりません。スピーカー前方に壁があったりしたら、「どうぞ回り込んで下さい」と言っている様なもので、前方には壁がなるべく遠くになる様にしたいですが、そうも言ってられない場合は前方が音を良く吸う壁かどうかを見てみましょう。それでも、吸音が足りなさそうな場合、スピーカーの前方や後方に毛布等を吊るすのもかなり効果があります。
図 Bass Setting
“スピーカーからの音”以外を録らない様にするのが、一番芯のある音が作れます。
アンプの下にフロアマットを敷いたり、アンプの上に重いものを乗せてみても音は変わります。
芯のある音=滲んでいない、不要な音を録っていないという意味なのです。
ベースのマイク選びもアンプから出ている音によって千差万別です。よく生音を聴いて、それをどうマイクに録るか考えましょう。
小さめのアンプで、人間の声やアコースティックギターと同じぐらいの音量の場合、「Neumann U47fet」等ボーカルを録音する様なコンデンサーマイクを使う事も多くあります。出ている元音をしっかり録る方法です。
「AKG D112」や「Electro-Voice RE20」等ダイナミックマイクでも低音をしっかり録ってくれるマイクもあります。
大きめの音で鳴っていて、生音でもブーミーに聴こえてしまう時は「SENNHEISER MD421」等ちょっとベースは録りづらいかな?って思えるマイクで、丁度良くなる事もあります。
ベースもギターもそうですが、スピーカーの真ん前にマイクを立てる事が多いでしょうが、数ミリで随分音は変わります。スピーカーの真ん中の丸い部分(センターキャップ)の真ん前ではかなり固い音になります。反対にスピーカーの端(エッジ)に近くなる程、低音は増えますが芯が無くなります。固い音と低音のバランスをマイクを立てる位置によって調整しなければなりませんが、だいたい、センターキャップの淵あたりを狙うと丁度バランスが良く録れます。ベースはマイクを何本も立てて録音しようとすると、それぞれの位相を揃えるのが大変になって、にじんで芯が無くなりがちですので、なるべく1本で録る方がいいでしょう。
ベースをAmpを使わずラインで録音する場合があります。ベースの出力のインピーダンスは高い物が多いので、DIを使用したり、マイクアンプのインストインプットや、オーディオインターフェースのインストインプットを使用して下さい。
左:DI(BSS)
右:Inst In
ラインの音とアンプの音を両方を混ぜて使う事もあります。その場合、ラインとマイクの音の位相に注意が必要です。ラインの音は楽器から直接出てきているので演奏と時間差はありませんが、マイクで拾った音はスピーカーからマイクまでの距離があるので、時間差が生じます。逆相になっていると、低音部分が無くなったり、特定の音程が小さく聞こえたりします。逆相スイッチで直す方法もありますが、マイクを立てている位置を変えてみると効果があります。
私の場合、基本はアンプの音で作りますが、ラインで芯を少々追加する場合もあります。
図 Bass Line & Mic Rec
コンプレッサーはベースを録音する場合によく使うエフェクターです。
ベースはパワーがあるので大きく録音しがちな楽器です。
大きく音が来ても歪んで録られてしまわないように、最大でも5dB圧縮される様に掛けるのが一般的です。コンプレッサーにアタックとリリースが付いている場合、アタックは早くすると掛かりが良くなりますが、コンプが掛かりすぎて音が遠くなる事が多くなりますので、ゆっくり目でいいでしょう。リリースを早くすると小さく減衰していくベースの余韻を持ち上げる事が出来ます。
音量が安定して聴こえる様に調整しましょう。
スタジオでは「Teletronix LA2A」や「TUBETECH CL1B」等チューブ(真空管)コンプレッサーを使う事が多くあります。
TUBETECH CL1B
ベースを録音する時でもフィルターを使う事もあります。
ベースの最低音はEで41.25Hzですので、20Hzを無理に持ち上げてもボワボワな悪い結果になります。妙にボワーっとして芯が感じられない場合、マイクに定在波等の不要な低音が入り込んでいる可能性が大きいので、マイクやアンプの位置を変えてみるのが一番ですが、どうしようも無い場合はローカットフィルターを使うと芯が出てくる事もあります。
120〜200Hzぐらいに太い部分の基音部分があります。2kHz〜5kHzぐらいにゴリゴリと弦を弾く音があります。
Bass EQ
ベースはピークが少ないので、DAWでは大きく録られがちです。ピークメーターでギリギリまでしっかり録ってしまうと、後のエフェクターが掛かりすぎたり、歪みやすくなります。
VUメーターがあるといいのですが、VUメーターで赤に入らないぐらい、DAWのピークメーターなら上の1/3も残ってるぐらいで十分です。
エレクトリックベースの方が殆どだと思いますが、たまにウッドベース(コントラバス)を使う事もあるかもしれません。ウッドベースも録音するには難しい楽器です。思ったより実際になる音量は小さくて、ガタイがデカイので、出てくる場所も広くどこから録ったらいいか迷うでしょう。
基本的には単一指向コンデンサーマイクで胴のfホール辺りを狙いますが、無指向マイクで広めに狙ってもいい結果を得られる事もあります。部屋で鳴っている音をよく聞いてみて下さい。
ラインアウトを着けている人もいますので、エレクトリックベースの様にラインアウトと混ぜてもいいでしょう。ラインアウト代わりにダイナミックマイクにタオルを巻いてベースの弦の端の所にセッティングしてみた事もあります。
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