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DTMをしている人の中で、DAWソフトに内蔵されている音源で満足できず、別売りの音源を購入したという人も少なくないでしょう。そして初めに欲しくなるのがドラム音源ではないでしょうか。
DAW付属のドラム音源は2026年現在かなり進化しました。Logic Pro の Drummer、Studio One の Impact XT、Cubase の Groove Agent SE など、最初から使える音源で完パケまで持っていけるレベルになっています。
ただし「ジャンルごとに最適化された質感」や「実機と聴き分けがつかない解像度のアコースティックドラム」を狙うとなると、やはり専用のドラム音源に分があります。
このページでは、生ドラムをモデリングしたアコースティックドラム音源を中心に、エレクトロ/ダンス向けのドラム音源・グルーヴボックスも含めて、2026年5月時点で買える定番モデルを紹介します。
有名なアコースティックドラム音源のほとんどは、本物のドラムセットをプロドラマーが実際に叩いた音を録音した、いわゆる「サンプリング音源」です。
優秀なエンジニアによってセッティングされたスタジオで、最適なマイク環境のもと熟練のドラマーがドラムセットを1音ずつ録音していきます。
収録するのは1つの楽器につき1音だけではなく、弱く叩いた音から強く叩いた音まで何段階ものベロシティで多重サンプリングされます。
そうして収録された音は、MIDIのベロシティ(音の強弱)にあわせて最適なものが再生されます。
MIDIの打ち込みがドラマーらしいタイミング・強弱で仕上がっていれば、本物のドラマーが叩いた録音と聴き分けがつかないレベルに到達できる、というのが現代のアコースティックドラム音源です。
ドラムトラックの打ち込みは、1つ1つMIDIデータを置いていくなかなか大変な作業です。
アコースティックドラム音源で実際にドラマーが叩いたような感じを再現しようとすると、それなりの経験と工夫が必要になります。
そこで活きてくるのが、各音源に同梱される「MIDIグルーヴ」「MIDIパターン」です。
プロドラマーが実際に叩いたフレーズをそのままMIDIデータ化したもので、自分で打ち込まなくてもプロのグルーヴを下敷きに曲を組み立てていけます。
例えば Toontrack EZdrummer 3 にはロック/ポップス/メタル/ジャズなどジャンル別に2,500以上のMIDIグルーヴが用意されており、Addictive Drums 2 でも各 ADpak/MIDIpak でフレーズが大量に提供されています。
気に入ったフレーズをそのまま使うのも、フレーズを起点に好きなようにアレンジしていくのも自由です。
Superior Drummer 3 の235GBを筆頭に、現代のドラム音源は1本で数十〜数百GB単位の容量を平気で食います。
PCを買ったばかりだと「とりあえずCドライブ/内蔵SSDに全部入れる」で済みますが、複数のドラム音源・シンセ音源・サンプルパックを買い足していくとあっという間に内蔵ストレージが破綻するので、買う前に保管先を決めておきたいところです。
ベストは USB-C/NVMe接続の外付けSSD に音源ライブラリを置く運用です。
USB 3.2 Gen2(10Gbps)以上の規格を使えば、読み込み速度は内蔵SSDに迫り、ドラム音源のサンプルストリーミングでも実用上ほぼ問題が出ません。
ノートPC環境でも持ち運びやすく、デスクトップに移っても同じSSDをそのまま使い続けられるのも利点です。
ただし、SSDには重大な弱点があります。SSDは前触れなく突然死することがある、という点です。
HDDは異音や読み書きエラーといった予兆が出やすいのに対し、SSDはコントローラの故障やフラッシュメモリの寿命到達時、ある日突然認識しなくなるケースが珍しくありません。
サンプル音源のように読み出し回数が多い用途では、書き込み寿命より先にコントローラ周りの問題が顔を出すこともあります。
そこでおすすめしたいのが、外付けSSDをメインの保管先にしつつ、必ず別の場所にも丸ごとコピーを取っておく”二重バックアップ”です。
たとえば、
の3点運用にしておくと、メインSSDが壊れても作業を止めずに済みます。

DTM君「音源に限らず、DAWプロジェクトのデータも、バックアップは必ず取ってください!データが全部飛んで戻ってこなかったボクからのお願いです😭。しかしSSDの値段も高騰しちゃってて、気軽に用意するのはなかなか難しいですよね…」
まずは生バンドに欠かせない「アコースティックドラム」を再現できるドラム音源のおすすめモデルを紹介します。長年定番として君臨しているのが
の3ブランド。
これに加えて、近年メタル~モダンロック界隈で存在感を増しているのが Steven Slate Drums「SSD 5.5」と「GetGood Drums(GGD)」シリーズです。
| 製品 | 対応OS | フォーマット | 同梱容量目安 | 付属MIDIフレーズ |
|---|---|---|---|---|
| Addictive Drums 2 | Win / macOSApple Silicon対応 | VST2 / VST3 / AU / AAX | 製品構成によるADpakごと | 各MIDIpakで多数 |
| BFD3 | Win / macOSApple Silicon対応 | VST2 / VST3 / AU / AAX | コアライブラリ55GB+ | 82+ Groove Palette |
| EZdrummer 3 | Win / macOSApple Silicon対応 | VST2 / VST3 / AU / AAX | 約18GB | 2,500+ MIDIグルーヴ |
| Superior Drummer 3 | Win / macOSApple Silicon対応 | VST2 / VST3 / AU / AAX | 約235GB(11.1ch対応) | 大量内蔵+EZX/SDX互換 |
| SSD 5.5 | Win / macOS | VST2 / VST3 / AU / AAX | 40GB+ | Groove AI+プリセット多数 |
| GGD | Win / macOSApple Silicon対応 | VST3 / AU / AAX(NKSあり) | 製品ごと | 製品ごとに付属 |

Addictive Drums 2 は、ロック/ポップス/オルタナティブ/メタル/ジャズなど、バンドものの定番ドラムサウンドを手早く作れる音源として圧倒的な人気を誇るソフトウェアです。
ドラムキット本体に加えて、各マイクのインサートエフェクト・ミキシングコンソールを内蔵。スナッピーまで含めて鳴らしているような立体感のあるスネアと、抜けの良いリアルなドラムサウンドが得られます。
ドラムキットは「ADpak」と呼ばれる別売り拡張パックで増やしていく形式で、ロック/メタル/ジャズ/インディ/ヴィンテージなど用途別に多数ラインナップ。多くの ADpak は最初から派手目にチューニングされているので、起動してすぐカッコいいサウンドで打ち込みを始められます。
MIDIパターンは「MIDIpak」として提供され、ジャンル別の数千フレーズを差し替えながら使えます。初心者でも音作りしやすいシンプルなUIで、初めてのドラム音源としても定番のモデルです。
オーバードライブとディストーションを比べてみた【ギター博士】 4:42〜
ドラムは「Addictive Drums 2」のヘヴィメタル系キットを使って打ち込みされている。

DTM君「ギター博士の〜2020年頃までのドラム音源は大半が Addictive Drums です。とにかく直感的に使いやすいのがいいんですよね。他にも『XO』や『AddicTive Keys』『Retro Color』など、XLN Audioの製品はどれもシンプルな操作で完結するものが多くて、使いやすい製品ってやっぱり最初に呼び出して使いたくなるんですよね。」
Addictive Drums 2 – Supernice!DTM機材

BFD はアコースティックドラム音源のなかでも最も自由度の高い音作りが可能なソフトウェアです。
LAの「Ocean Studios」やメリーランドの「Omega Recording Studios」など業界最高クラスのスタジオで、ドラム1台ずつに10本以上のマイクを立てて綿密に録音。
タムの共鳴やシンバルのスウェル奏法、ゴーストノートやフラムといった微細なニュアンスまで再現できる、表現力重視のドラム音源です。
ドラムキットはロック/メタル/ジャズ/ブラシなどジャンルから選択可能で、最大8系統のアンビエントマイク、コンプレッサーやEQを含む33種類のエフェクトを内蔵。
グルーヴ生成ツール「Groove Editor」を使えば、内蔵パターンを起点にドラマーとジャムするように曲を構築できます。
30日間ギターチャレンジ – ギター博士
BFD3のドラム音源を使用
Addictive Drums が「派手な印象」なのに対して、BFD は「素の印象」を受けるかもしれません。それもそのはずで、Addictive Drums は予め作り込まれた音をプリセットで提供するのに対し、BFD のプリセットの多くは”素の音”に近く、自分で音作りを追い込むことが前提のため。
とっつきの良さでは Addictive Drums に分がありますが、音の表現力や作り込みのクオリティは BFD のほうが上で、生ドラムのサウンドをとことんまで追求したい人には BFD のほうが向きます。

DTM君「とはいえプリセットで最初から作り込まれた音も出せるので、昔ほど大変ではなくなりましたね。ドラムの生々しさ、荒い質感まで再現してくれるというのがボクの印象ですね。Addictiveにも、後述のSSDにもない、BFD3の音源の魅力だとボクは思います☆」
BFD3 – Supernice!DTM機材

EZdrummer は名前のとおり、誰でも簡単にリアルなドラムトラックを組めることを徹底的に追求したアコースティックドラム音源。2022年に「EZdrummer 3」へとメジャーアップデートされ、いまではUI内で叩いた音やハミングからフレーズ候補をブラウズできる「Bandmate」、各キットピースのバランスをスライダー1本で動かせる新ミキサーなど、初心者でも数クリックでまとまった音を出せる方向に進化しています。
7種類のドラムキットと2,500以上のMIDIグルーヴ/フィルを内蔵。VST3/AU/AAXに対応し、Apple Siliconネイティブで動きます。
必要ディスク容量は約18GBと軽めで、ノートPC環境でも扱いやすい点が魅力。
同社上位機の「Superior Drummer 3」とライブラリ互換があるので、EZdrummer で物足りなくなってきたら Superior に乗り換えるルートも明確です。
EZdrummer 3 – Supernice!DTM機材

Superior Drummer は「世界中で最もシリアスに使われているアコースティックドラム音源」と言って差し支えない存在で、EZdrummer の上位機にあたります。
現行は「Superior Drummer 3」。前バージョン「Superior Drummer 2」の19GBに対し、3では総容量約235GBへと一気に拡張されました。
ベルギーの Galaxy Studios(Galaxy Hall)で、グラミー受賞エンジニア George Massenburg の監修のもと、11本のルームマイクを使って収録された素材を中心に、7種類のドラムキット(14構成)、35種類のエフェクト、ステレオ/5.1/11.1サラウンドまで対応するミキサーを搭載しています。
オーディオファイルからドラムフレーズをMIDI化する「Tracker」、似たグルーヴをライブラリから検索できる「Tap2Find」など、他社にはないユニークな機能も豊富。
EZdrummer の拡張ライブラリ(EZX)や Superior 用拡張(SDX)も読み込み可能で、ライブラリ資産がそのまま活きるのも実用上の強みです。
SUPERIOR DRUMMER 3 – Supernice!DTM機材

DTM君「サウンドクオリティは申し分ない、アコースティックドラム音源の到達点ですね。Addictive Drums、BFDと使い分けて思うのは、どれも個性の方向性が違ってて単純に優劣はつけられないということ。Addictiveは軽量ですぐ使えるし、BFDはドラムの生々しさを追求できる。Superior Drummerは圧倒的なクオリティと操作性のしやすさ、しかしデータ容量がネック、といったところでしょうか。」

Steven Slate のミックス志向が反映された、メタル~モダンロック界隈で定番化しているドラム音源です。最新の「SSD 5.5」では、AIによる人間らしいベロシティ/タイミング揺らぎを後付けで再現できる「Groove AI」が搭載され、打ち込みフレーズに一発でドラマーらしいリアリティを加えられるようになりました。
148のキットプリセット、135種のスネア、112種のキック、58種のタム、その他400以上のインストゥルメントが収録され、現代的なロック/メタル/ポップに必要なドラムの音色は一通り揃います。Trigger 系のサンプル差し替えにも親和性が高く、生ドラムにレイヤーする”音作り用ドラム”としても定評があります。

GetGood Drums(GGD)は、Periphery のベーシスト/プロデューサー Adam “Nolly” Getgood、ドラマー Matt Halpern、Misha Mansoor、Derya Nagle らが2016年に立ち上げたドラム音源ブランド。Modern & Massive、Invasion、One Kit Wonder シリーズなど、メタル/プログレ/モダンロックの現場で実戦的に使える音源を出し続けており、Periphery/Architects/Polyphia 系のヘヴィな現代ドラムサウンドが好きならまずチェックすべきブランドです。
代表作の「Modern & Massive」は Kontakt Free Player で動作するシンプルな構成。「Invasion」は Nolly 自身がプロデュースを担当し、スネア7/キック4/タム12/シンバル30種という大規模なライブラリを備え、メタル特化型としては最強格です。NKS対応で MASCHINE/KOMPLETE KONTROL からも扱えます。
ここからはヒップホップ/テクノ/EDM などダンス/エレクトロ系のドラムトラックに向くドラム音源・グルーヴボックスを紹介します。
サンプルベースのドラムサンプラーから、ハード一体型のグルーヴボックスまで、用途で選んでください。
ダンス系のキックは、サンプル1発で済ませずに「アタックを担うキック」と「低域を担うサブキック(808や正弦波)」を重ねるのが基本テクニック。808を使うときは曲のキーに合わせてピッチを合わせ、ベースとの低域被りはサイドチェイン・コンプや動的EQで処理します。仕上げにクリッパーで頭を潰し、サチュレーションで倍音を足すと、サブウーファーを通したときの存在感が一気に増します。
打ち込み系ドラムの定番ドラムサンプラー。アコースティックから電子パーカッション、効果音まで幅広いライブラリ、カラーコードによる視認性の高いパッド配置、サンプラー機能、波形エディタによる細部までのドラムサウンド編集など、プロも愛用する実戦派のドラム音源です。
音抜けが良く、音色を細部まで作り込みやすいのが特徴。素材の差し替えやレイヤーで、サンプル系ドラムでは表現しきれない緻密なドラムトラックを作りたい場合に向きます。
本体バージョンは長らく「4」が現行で、Komplete 26 Standard(旧 Komplete シリーズの新ナンバリング)にもバンドルされています。
BATTERY 4 – Supernice!DTM機材

「打ち込みは最小限で、ジャンルらしいビートを即出せる」ことに振り切ったのが UJAM の Beatmaker シリーズ。Trap/Lo-Fi/EDM/Pop/Dubstep/Reggaeton/Boom Bap/K-pop/House/Grime/Synthwave など、ジャンルに特化したインストゥルメントが17種類以上ラインナップされており、各キットにそのジャンル用のドラム素材・グルーヴ・エフェクトがまとまっています。
ピアノロールに数小節パターンを打ち込めば、そのまま”そのジャンルの曲”として成立するサウンドが出る、というスピード感が最大の魅力。EZdrummer がアコースティック系の最短距離なら、Beatmaker は電子系の最短距離です。
UJAM Beatmakerシリーズ – Supernice!DTM機材
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