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リバーブは音源に残響を付加するためのもので、音楽制作には必要不可欠なものです。コンプレッサー/EQと並んで使用頻度が高く、あらゆる楽器に使用し、その種類も豊富です。音質の差が最終ミックスに出やすいエフェクトで、購入の価値が感じられるエフェクトプラグインの一つでしょう。ここではその使い方から、おすすめのプラグインまでを紹介します。

DTM君「リバーブは複雑でわかりにくいパラメータが多く、あまり考えずに何となく使ってしまいますよね。最近のプラグインでは、ボーカル用/ギター用/ドラム用と楽器毎に最適なプリセットが用意されています。はじめは楽器にあったプリセットを選択し、それを少しずつ編集していくという使い方で大丈夫ですよ。」
現代では、クリアな音源を作るために最大限まで反響を抑えて録音するのが一般的です。
そのようにして録音された音源は完全にドライな状態となっており、そのままでは不自然になるため、最低限の反響を加えてやる必要があります。
そのために使われるリバーブはRoom(ルーム)やスタジオタイプが一般的で、リバーブタイムも短めに軽く掛けることになります。
リバーブが掛かっている感覚がしっかりと得られるのは、「奥行きをつくる」目的で掛けられている場合です。
空間の演出のために使われるリバーブで、バラードなどで広がりのある空間が感じられるのは、Hall(ホール)や教会などの大きな空間の濃密な響きが足されているため。
逆にスピーディな曲では減衰を早めにして、タイトに掛けることで、リバーブが楽曲の邪魔をしないようにセッティングされます。
別々に録音された楽器や歌を、あたかも一つの部屋で演奏しているように聴かせるためには、響きの統一が必要です。そのためにもリバーブが使われます。
ルームや小さめのホールなどが一般的で、楽器によってセンド量に若干の差が設けられます。
リバーブは掛ける楽器数が多いほど、不必要にうるさくなりやすく、特に多すぎる低音はミックスの破綻につながります。
そのため、リバーブの前や後にEQを挟み、そこで低音をカットする方法がよく使われます。
またリバーブプラグインの設定項目にダンピングなどのEQ項目が含まれていることも多く、そこでも同じような効果を得ることができます。
濃密なリバーブは気持ち良く響くため、ついついかけ過ぎてしまいがち。
ですが残響が過ぎて、コードの響きが曖昧になってしまったり、楽器のアタック成分が犠牲になってしまっては、良くありません。
音源を繰り返し聞きながら適量を見極めましょう。
Type:リバーブの種類を決定。下記参照。
Predelay:リバーブ音が原音からどれぐらい離れて響き出すかを調整。リバーブの強弱に大きく関わります。
Time:残響が鳴っている時間をコントロールします。
Size:空間の大きさを設定。大きいほどスケールの大きい響きになります。
Diffusion:響き音の拡散具合を設定。上げると残響音が中央に寄っていき、下げると乱反射するように拡散します。
Decay / Tail:残響音の減衰時間を設定。上げると響きが長く続き、下げるとすぐに減衰して消えます。
Wet / Mix:エフェクト音と原音との割合を設定。リバーブは通常センドで掛けるため、100%で問題ありません。
歴史的に様々なリバーブが登場しましたが、現在ではそれらがほぼ全てシミュレートされており、プラグインとして使うことができます。
部屋の鳴りをシミュレートしたもの。空間も狭いため、響きの時間は短めで、それぞれ別々に録音されたトラックを馴染ませるためには必須のものです。似たタイプのものとして、Studioなどもこの中に入ると見て良いでしょう。
ホールの鳴りをシミュレートしたもので、小ホールから大ホールまで、様々なものがあります。音楽的に彩りを加えるためのリバーブとしては効果的で、特にバラードなどには最適。その他、反射が大きく巨大な空間を再現したものとしては、教会やトンネルなどのタイプも存在します。
歴史的に見ても最初期のリバーブで、鉄板に向けて音源を鳴らすことで、その鉄板が共鳴し、金属的な響きを得ることができるというもの。当時は鉄板を実際に運んでいたようですが、現在ではプラグインでシミュレートされているものが一般的。響きが美しいため、今でもボーカルに使用されることが多いリバーブです。
バネを張ったリバーブタンクに信号を通し、バネを伝って跳ね返ってきた音を原音に加えて作り出すリバーブ。バネの振動はしばらく続くため、それにより残響が得られ、独特の金属的な質感を得ることになります。ギターアンプに搭載され、サーフミュージックなどでは特によく使われました。通常のミックスで使われる場合は、その独特な質感が必要な時のみでしょう。
シマーリバーブは、残響音にピッチシフトでオクターブ上の音を重ねることで、えも言われぬ非現実的で幻想的な空間を生み出すリバーブ。
原型はブライアン・イーノとダニエル・ラノワが1983年のアルバム「Apollo: Atmospheres and Soundtracks」やU2「The Unforgettable Fire」で、Eventide H910/H3000ピッチシフターとリバーブを組み合わせて作り上げたサウンドにあります。
後にstrymon BigSkyやEventide H9シリーズの登場により、ペダル/プラグインで手軽に得られる定番エフェクトとして広く知られるようになりました。
幽玄な世界へ:アンビエント・リバーブ・ペダル特集 – Supernice!エフェクター
昨今このように非現実的な空間を作り出せるリバーブが増えており、宇宙的な響きを生み出すEventide Blackhole、残響のサウンドを積極的に編集できるZynaptiq ADAPTIVERBもそのような特徴を持ちます。
またAbleton Live 12付属のHybrid ReverbはIRリバーブと従来からのアルゴリズムリバーブを混成させて新たな響きを作るという、デジタルならではの独自の機能を持ち、オリジナルのリバーブを簡単に得ることができます。
このような非現実的な空間を作るリバーブは、通常のルームやホールのリバーブとは違い、多くは音作りのための積極的なツールとして使われます。
残響そのものがサウンド的に大きな役割を担い、楽曲のためになくてはならない要素として働きます。
実際の場所の響きをデータとして参照し、そこから残響を得るリバーブ。場所の響きをサンプリングしたデータはIRデータ(Impulse Response)と呼ばれるため、IRリバーブ、サンプリングリバーブなどとも呼ばれます。
実際の場所がモチーフとなるため、有名なホールやスタジオ、教会、あるいは峡谷や渓谷などの屋外に至るまで、実在の場所をサンプリングしたデータがIRデータとして販売されています。
現在ではさして珍しい存在ではなく、Logic Proの「Space Designer」やCubaseの「REVerence」など、DAWソフト付属のリバーブにもコンボリューションリバーブが搭載されているのが普通。演算が複雑なため、CPUの負荷が高いのがデメリットです。
IRデータは通常のリバーブのほか、ギターアンプのキャビネットシミュレーターなどにも使用されています。
リバーブは、主要DAWソフトウェアには必ずといっていいほど付属されているプラグインです。例えばLogic ProではChromaVerb、EnVerb、Space Designerなど複数のリバーブが用意されており、あらゆる楽器に対応できます。
しかし音質のクオリティが高くプリセットが豊富な有償プラグインはやはり別格。独自の残響空間/こだわりのリバーブサウンドは別途求めなければなりません。
ここからは有償で手に入るおすすめのリバーブプラグインを見ていきましょう。
まずは自分の作る音楽のジャンルに合ったもの、あるいは設定や編集ができそうかどうか、という辺りから選んでみると良いでしょう。ミックスに時間を掛けたくないという場合は、AI機能が付いたものを選んでみるというのも一手です。
爆発的な人気を誇るFabFilterのリバーブが、2023年11月にPro-R 2として刷新されました。
アンビエンスルームから教会までをカバーする多彩なルームモデルに加え、80〜90年代のデジタルリバーブを再現したVintageモード、金属的な響きのPlateアルゴリズムを新搭載。
最大9.1.6chまでのサラウンド/Dolby Atmosに対応し、IRファイルのインポート機能やDucking、Auto Gate、Freezeボタンなど、現代的なリバーブ機能を一通り備えています。
FabFilterならではのずば抜けた視認性の良さは健在で、複雑なパラメータと質感の変化が掴みにくいリバーブの編集をわかりやすくアシスト。
音は素直で爽やかであり、原音の良さを引き立ててくれるため、あらゆるソースに無理なく使うことができます。
FabFilter Pro-R – Supernice!DTM機材
ヴィンテージのデジタルリバーブ機(Lexicon 224/PCM70/300/480L、EMT 250など)の質感をモチーフに、22種類のアルゴリズムを切り替えて使える「ポストモダン」リバーブ。
Concert Hall/Bright Hall/Plate/Room/Chamber/Ambienceといった王道タイプに加え、Chaotic HallやCathedral、最新のChamber1979/Hall1984など独自モードまでを網羅しています。1970s/1980s/Nowの3つのColorモードで、初期デジタル機特有の帯域の狭さやモジュレーションの歪みを再現したり、現代的な透明感へ切り替えたりが自在。CPU負荷が低く価格も$50と手頃で、駆け出しのDTM初心者からプロのエンジニアまで幅広く愛用される、まさに業界の定番です。
Valhalla VintageVerb – 公式サイト
反射に依存しないという、従来のリバーブとは異なるメカニズムによる残響を生み出す革新的なプラグイン。
レイトレーシングと音源分離、AIの技術を組み合わせ、入力信号や任意のキーに合わせてリバーブテールを倍音的にチューニングします。
反響に伴う音の濁りから逃れているため、リバーブにつきものの音のだぶつきなどが皆無で、原音の明瞭さを保ちます。
フィルタリングやエフェクトなどを駆使することで、非現実的な空間も簡単に作ることができ、シンセがメインとなる音楽には特に好相性。
通常のリバーブには見られない、ややこしいパラメータの名前が並びますが、実際に音を聴きながらの設定は思うよりも簡単に行え、独創的なものを含む400を超えるプリセットが用意されています。
Zynaptiq ADAPTIVERB – Supernice!DTM機材
iZotopeがその傘下に収めたExponential Audioの技術を取り込んで、アレンジして作り上げた、同社の看板となるリバーブ。
3種のリバーブを合成し、空間を作り上げるBlend Padを筆頭に、入力信号とリバーブそのものに別個でEQを掛けられる機能、そしてそれら全てを細かく調整できる多数のパラメータがセットとなっています。
中でも綿密に掛けられるEQ機能は、リバーブによる低音のだぶつきなどを制御するために有効です。
iZotopeの代名詞とも言える、AIによって自動でリバーブを作り出すReverb Assistant機能を持っており、操作が複雑な割に誰でも使えるところも見逃せない点でしょう。
iZotope Neoverb – Supernice!DTM機材
最大7.1.4chのDolby Atmos対応サラウンドにまで対応する業務用のリバーブプラグイン。
IRデータの再合成を行い、3D空間を緻密に編集して残響を発生させるという、他のコンボリューションリバーブに見られない技術で作られています。
通常のリバーブに見られるパラメータの他、LCRの3箇所と左右バックに位置するLsRsの5箇所を動かすことで空間を編集可能。
IRデータも直接エディットでき、その編集能力はあらゆるリバーブプラグインの中でも屈指。
あらかじめ音源ソースがセットしてあり、すぐさまプレビューできたりするところもユーザーフレンドリーな設計です。
音楽制作向けにステレオ機能だけを切り出し、価格を抑えたParagon STも用意されています。
Nugen Audio Paragon – Supernice!DTM機材
前述したiZotope Neoverb同様、AI機能による自動セッティングを軸とした新世代リバーブの2代目バージョン。
sonible smartシリーズはいずれもAI機能を最大の特徴としており、その部分に非常に力を入れて作られていますが、このリバーブも例外ではなく、実際にソースを聴かせることで学習させ、そこから的確なセッティングを呼び出します。
バージョン2ではRoom/Hall/Spring/Plateの各タイプから選択できる構成へと拡張され、Distance/Size/Width/Color/Clarityといった知覚ベースの5コントロールで直感的に音作りが可能に。
さらに最大6トラック/バス間で空間を共有するGroup Modeを搭載し、トラック横断の統一感のあるリバーブ設計も実現します。
sonible smart:reverb – Supernice!DTM機材
SP2016は同社が1982年に送り出したラック型ルームリバーブを、ソフトウェアとして現代に蘇らせたモデル。
Room/Stereo Room/Hi-Density Plateの3アルゴリズム、それぞれにVintageとModernの2モードを備え、フェーダー状のシンプルなパラメータで音像を作れるようになっています。
その中でもPositionという設定項目は特筆すべきで、立ち位置を前後に動かしたときの残響の変化をシミュレートし、奥行きをこれ一つで制御できるよう、絶妙にチューンされています。
地味なインターフェースですがシンプルなだけに使いやすく、世界中のスタジオで使われた銘機だけに音質は折り紙付き。初心者から上級者まで幅広くおすすめできるプラグインです。
Eventide SP2016 Reverb – Supernice!DTM機材
複数の空間系エフェクトなどをまとめたギター用マルチエフェクターとして著名なH9。
H9はシリーズとして個別にプラグインとなっており、現在はBlackhole/MicroPitch/CrushStation/ShimmerVerb/Undulator/UltraTap/Crystals/Rotary Mod/MangledVerb/Spring/TriceraChorusの11プラグインを収めたH9 Plug-in Series Bundleとしてもまとめ買いができます。
いずれも一癖あるものばかりで、ただの残響用エフェクトではなく、音を積極的に作っていく目的で使われます。
すべてのプラグインに複数のパラメータを一挙に動かすRibbonという機能を備え、リアルタイムで質感を激変させることができ、制作のみならずライブでの使用も前提に置かれています。
ピッチシフターはEventideのもっとも得意とする分野のエフェクトであり、それを残響に適用したこのシマーリバーブも、高い完成度を誇ります。ピッチシフターの信号は自由に発生を遅らせることもでき、テンポとの同期も可能です。
Eventide ShimmerVerb – Supernice!DTM機材
公式に銀河系サウンドと名が付いており、一見してもどのようなサウンドが判別が難しいリバーブ。
実際には残響にモジュレーションやドローン効果を加え、Gravityコントロールによって減衰音を反転させるなどの処理で宇宙的なサウンドを生み出しているものです。その独創的なサウンドは大いに魅力的で、創作意欲を掻き立ててくれること間違いないでしょう。
Eventide Blackhole – Supernice!DTM機材
リバーブとディストーションが一体化するという、非常に興味深いエフェクトプラグイン。
奥行きを与えるリバーブ成分のおかげで、通常のディストーションに比べ品がある歪みが特徴です。Overdrive部分を切ることで通常のリバーブとして使うこともできます。
ヴィンテージのギターアンプなどに搭載されたスプリングリバーブをシミュレートしたもの。
減衰周波数を変更することで現実には難しいサウンドを作れるところなど、単なるシミュレートにとどまらない現代的な要素も含んでいます。

1957年にドイツで発表され、60〜70年代にあらゆるスタジオで使われたプレートリバーブの銘機EMT140をシミュレートしたプラグイン。
Plant Studios(カリフォルニア州ソーサリト)でサンプリングされた3台のEMTユニットを再現しており、ナチュラルな深みやモジュレーション、機械的なダンピングまで細かく制御できます。
導入するためには、Universal Audioが提供するApolloオーディオインターフェースまたはUAD Acceleratorといった専用ハードウェアが必要で、ハードルはかなり高いものの、その繊細な質感と美しさは他の追随を許さない完成度を誇ります。
自在に扱えるようになるためにはそれなりの慣れも必要ですが、その価値が十分にあります。
すでにUADのオーディオインターフェースを使用されている方には、真っ先におすすめしたいプラグインです。
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