
コンプレッサーは楽曲制作の上で最も使用頻度の高いエフェクトの一つで、まさに必須と言えるツールです。
どのDAWソフトにも標準搭載されており、それで十分と感じることもあるでしょう。しかし制作に慣れてくると、もっと操作が分かりやすいものが欲しい、あるいは艶や音抜けなどヴィンテージ系コンプレッサーの強みを取り入れたい、といった欲求が出てきます。
そんな時にはサードパーティ製の優れたコンプレッサー・プラグインの出番です。
このページでは味付けの少ないデジタル系から、アナログ機の存在感を再現したヴィンテージ系まで、多彩な有償コンプレッサーを紹介していきます。
- プラグイン・コンプの種類
- 動作タイプ別の特徴
- 状況別:おすすめのコンプレッサー・プラグイン
プラグイン・コンプの種類
デジタル系のコンプレッサーはいわゆるDAWに付属する通常のコンプレッサー。対してヴィンテージ系はアナログのアウトボードをその由来とし、それをコンピューター上で再現したものです。
- デジタル系:音に味付けがなく素直、セッティングが柔軟、動作が軽い、純粋に音の圧縮に特化した使い方向き
- ヴィンテージ系倍音がやや豊かになる、音が太く/ヌケが良くなる、通すだけに特化した使い方も存在
音の圧縮に特化した「デジタル系」
コンピューターで音楽を作っている時点で全てがデジタルではあるのですが、音に味付けがなく素直、そしてセッティングが非常に柔軟であるものを特にデジタル系のコンプレッサーと呼んでいます。
特徴はまさに今述べたそのままで、非常に細かいレシオ設定、波形の先読みによるアタック0ms設定など、アナログではなし得ない柔軟なセッティングが可能です。
掛かり具合が視覚的にわかりやすく確認出来る、グラフィカルなアナライザーを備えたものもあります。
色付けがないために、純粋に音の圧縮に特化した使い方に向いています。
ピークを抑えるリミッティングや、音量バランスを揃える用途など、それ以上の要素がいらない時には最適。
DAWソフト付属のものはほぼデジタル系で、動作が軽いのも特徴と言えるでしょう。
ヴィンテージ系

アナログ・アウトボードの名機1176を忠実に再現した「Universal Audio 1176 Limiting Amplifier」
主に1950年代ごろから70年代ごろまでに使われたアナログのアウトボード(ラック型エフェクター)。
当時使われていた実物のアウトボードは個人が何台も買えるような額ではなく、現在生産されているリイシューの機体であっても数十万円は下らないため、これらをシミュレートしたプラグインのことをヴィンテージ系と呼んでいます。
アウトボードはアナログが故に回路を通過する際に音色の変化が避けられず、その時の音色の変質が音楽的に好まれて使用されます。
主に歪みが増すために倍音がやや豊かになり、その結果として中域が太くなったり、音のヌケが良くなったりといった副産物が得られます。
その副次効果を狙ってレシオ1:1に設定し、文字通り通すだけに特化した使い方も存在します。
動作原理は時代を追うごとに真空管、FET、オプティカル、VCAなど変わっており、それぞれによって少しずつ特徴が異なります。
動作タイプ別の特徴
ヴィンテージ系コンプレッサーは内部回路の方式によって音色の傾向が異なります。
プラグイン選びの際は、どのアウトボード(実機)をモデリングしたかと合わせて、動作タイプを把握しておくと目当ての質感に辿り着きやすくなります。
代表的な4タイプの特徴は以下の通りです。
各パラメータのかかり方や設定の使い分けに関する詳しい解説は以下のページを参照してください。
状況別:おすすめのコンプレッサー・プラグイン
ここからは動作タイプ別に、シーンに合わせて使いたいプラグインを紹介します。
デジタル系のオールラウンド型をまず1つ揃えた上で、必要に応じてOpto/FET/チューブ系を足していくと音作りの幅が広がります。
デジタル系(オールラウンド型)
Opto(光学式)タイプ
FETタイプ
チューブタイプ
おすすめのプラグイン・バスコンプ
バスとは複数のトラックをまとめたもののこと。ドラム、バックグラウンドボーカル、ストリングス、最終的な2mixなど、バストラックには様々なものがあります。
個々のトラックをうまく一つにまとめるため、全体として統一感のある圧縮を行う際に使用します。
コンプレッサーの使用目的としては主要なものの一つで、バス用のコンプレッサーも多数存在します。
バスコンプの際にはアタックを早すぎず遅すぎず、リリースは早め、レシオは軽めにしておいて、派手にかけ過ぎないのがポイント。
ヴィンテージ系ではレシオやアタックのセッティングが自動であるものも少なくありません。
また一般的に低域はパワーが強く、そちらに引っぱられて高域側の必要なところに圧縮が掛かっていかない、というバスコンプ特有の現象が起きることがありますが、そのような現象を防ぐために、低域をあらかじめコンプの範囲外に逃がす、サイドチェイン・ハイパスフィルターを備えているものもあります。
マスタリングコンプのおすすめモデル
2mixの最終段にかける「マスタリング・コンプレッサー」は、楽曲全体の音圧と一体感を仕上げる重要な工程。
低レシオで通すような使い方が基本となるため、トランスペアレントなコントロール性と、通すだけで音を整えてくれるアナログ的な質感を兼ね備えた、高品位な専用機が好まれます。
ここではマスタリング現場で人気の2機種を紹介します。
無数に存在するコンプレッサープラグイン。デジタル系なのか、ヴィンテージ系なのか、あるいはバスコンプなのか、今自分の必要としているものが何であるのかを見極めた上で導入に踏み切ると良いでしょう。
また、コンプレッサーは色々なバンドルにたくさん収録されています。必要とするコンプレッサーを中心にバンドルの導入を考えてみるのも良いのではないでしょうか。
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