おすすめのソフトウェア・ピアノ音源[記事公開日]2021年7月2日
[最終更新日]2022年03月31日

ピアノ音源

ピアノ音源はシンプルが故に「選ぶのがとても難しい音源」と言われています。各社から様々な製品が販売されていますが、ピアノ未経験の方からは「どれも同じにしか聴こえない」という声も。一体何を基準に選択すれば良いのでしょうか。

ピアノ音源の選び方

ポップスやロックがメインならDAW付属音源で

ピアノ音源は「自身が取り組む音楽ジャンル」に合わせて選ぶのがオススメです。例えば、ポップスやロック、ダンスミュージックをメインにしている場合はDAW付属の物やエントリークラスの製品で十分と言えます。

なぜなら、これらのジャンルでは高品位なピアノ音源特有の空気感や繊細な演奏ニュアンスがあまり求められないからです。それよりか、「音に厚みがあるか」、「生々しさはあるか」という点が重視されます。

最近のDAWソフト付属音源は無料ではありますがクオリティが高く、楽曲制作において必要十分な音質・機能を備えています。付属音源では満足できないという方でも、5,000円〜10,000円程度でエントリークラスの音源を購入できるので探してみましょう。

バラードやピアノソロなら妥協せずハイエンド音源を

一方、ピアノという楽器を主軸に置く音楽ジャンルの場合、「妥協せずにハイエンド音源選ぶ」ことを強くオススメします。ピアノソロをはじめ、バラードや劇伴など、生々しいピアノサウンドが求められる音楽ジャンルは多数存在しますが、完成度を高めたいのであれば高品位な音源を選択する以外方法は無いと言えます。

上述にもありますが、ピアノはシンプルな故に選ぶのが難しいと同時に「クオリティと価格が完全に比例する音源」でもあります。高品位な音源はサウンドが生々だけでなく、キーノイズやペダルノイズがナチュラルに表現されていたり、本物のグランドピアノを弾いているかのような打鍵感があります。

その一方で、あまりに生々しすぎてポップスやロックに用いるとピアノが浮いてしまうケースも多々あるので注意が必要です。

オススメのソフトウェアピアノ音源

XLN Audio Addictive Keys

XLN Audio社といえば超定番のアコースティック音源であるAddictive Drumを手がけるメーカーですが、ピアノ音源も非常に評価が高く、プロアマ問わず導入されています。

本ソフトはコストパフォーマンスに優れた製品で、価格と性能のバランスが絶妙であり、「安くてもいい音の音源が欲しい」という方にオススメ。

そのサウンドは上記のIvoryなどと比べると軽いものの、ポップスやロックのバッキングと相性抜群です。機能制限こそありますが無料版も用意されているので、興味のある方はとりあえずインストールして試してみましょう。

XLN Audio Addictive Keys – Supernice!DTM

EZ KEYS GRAND PIANO

EZ KEYS GRAND PIANO

DTM初心者でも迷わず扱える操作性と作・編曲のサポートに力を入れているユニークなピアノ音源です。最大の特徴は五度圏をモチーフにしたスマートトランスポーズ機能で、画面に表示されているコード名をクリックするだけで音が鳴るほか、「DAWのトラックまでドラッグすればMIDI出力が可能」となります。

通常、コードの打ち込みはリアルタイムレコーディングをするか、ピアノロールにマウスで直接入力していきますが、ドラッグするだけでコード進行を作り上げることができます。バッキングの制作に役立つMIDIフレーズも多数収録されており、使い勝手の良さと機能性はトップクラスの音源です。

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VIENNA YAMAHA CFX

音楽の都の名をそのまま冠したVienna社の誇るピアノ音源。ヤマハの最高峰コンサートグランドピアノYAMAHA CFXを、社が所有するSynchron Stage Viennaにおいて数ヶ月に及びレコーディング。1鍵あたり4200サンプルという驚異的な細かさのライブラリが誕生しました。録音に使われた10のマイクポジションのミックスや、EQやアンビエンス成分の調整のため、専用エンジンであるSynchron Pianosを同梱し、ピアノ単一の音源としては、最高と言える音色の幅広さを実現しました。コンサートピアノとして、クラシック系やオーケストラ系の音源にはもちろん、調整次第でジャズにもポップスにも向いたサウンドが得られる、ピアノ音源の決定打です。

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SPITFIRE AUDIO ORIGINALS CINEMATIC SOFT PIANO

Spitfire社の入門用シリーズであるORIGINALS。フェルトダンピングを施したYAMAHA U3アップライトピアノをロンドンのAir Studiosにて録音。ダンピングされた柔らかな音色が情景的なサウンドを導き出し、Soft Pianoという製品の名前はそこに由来します。基本的には無料版のSpitfire LABS Soft Pianoの延長上にありますが、無料版に比べてマイクポジションが3つに増設されるなどのグレードアップが行われています。Cinematicの名の通り、クラシック音楽に向いたサウンドになっており、後述のOriginals Felt Pianoとの最大の差はその部分にあります。

SPITFIRE AUDIO ORIGINALS FELT PIANO

Originals Soft Pianoと同じく、フェルトダンピングされたピアノを収録した音源。パット・メセニー・カルテットのメンバーとして来日もした凄腕ジャズピアニスト、Gwilym Simcock氏の演奏によるサンプルが収められており、かつて同社から販売されていたGwilym Simcock Felt Pianoをそのサウンドの基としています。Spitfire Studiosで録音された7055のサンプルを、Condensor、Ribbon、Hammerの3つのマイクポジションで音色調整して使う事ができ、11のプリセットの中には、通常のピアノサウンドからシンセのような響きが得られるものまで用意されており、様々なジャンルに活かすことができるでしょう。

SPITFIRE AUDIO ORIGINALS FELT PIANO – Supernice!DTM

Synthogy Ivory II

Synthogy Ivory II

最も有名なピアノ音源としてプロアマ問わず導入されている製品です。音質の素晴らしさ、表現力、実物のグランドピアノと謙遜の無い打鍵感、どのポイントも最高峰と言えます。

世界的に有名なグランドピアノであるBosendorfer 290 Imperial Grand、German Steinway D 9′ Concert Grand 、Yamaha C7 Grandといった3台を収録。77GBを超える大容量音源であり、快適に動作させるためにはそれなりのPCスペックが必要となります。ピアノという楽器を最大限に生かせるソロやバラード、劇伴などのオーケストラ系楽曲で使用するのがオススメです。

Synthogy Ivory II – Supernice!DTM

Synthogy Ivory II Italian Grand

Synthogy Ivory II

同じくIvoryのピアノ音源ですが、こちらはグランドピアノが一種類のみ収録されています。サンプリング対象はイタリアメーカーが手がけた幻のピアノだと言われており、1970年後半に製造された名機を忠実に再現しているとのこと。上記のIvory IIには収録されておらず、単体で販売されているところにメーカーの自信が現れています。

1台のみ収録されていることもあり、販売価格はIvory IIに比べリーズナブル。「ピアノの種類にはこだわらないけど最高峰のサウンドが欲しい」という方にオススメです。1種類とはいえ、収録されているのは伝説的名機なので望みのサウンドが手に入るのは間違いありません。

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Synthogy Ivory II Upright Pianos

Synthogy Ivory II

Ivoryシリーズのアップライトピアノ音源です。収録されているモデリングはYamaha U5 Modern Upright、1914 A.M. Hume Vintage Upright、1915 Packard Honky Tonk Barroom Upright、1900’s Tack Piano with Real Tacks  といった名機と呼ばれる4台。ビートルをはじめ、世界的アーティストが楽曲に使用したサウンドを忠実に再現しています。

この音源はピアノを前面に出す音楽ジャンルよりかは、ロックやポップスなどのアレンジに取り入れると良い結果になることが多いです。ヴィンテージという言葉がピッタリの温かく丸いサウンドが特徴で、ジャズなどで使うのも良いでしょう。

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EASTWEST Quantum Leap Pianos

EASTWEST Quantum Leap Pianos

オーケストラ音源にも定評があるEastWestのアコースティック・グランドピアノ音源。
世界最高峰のグランドピアノBechstein 280/ Bosendorfer 290/Steinway D/Yamaha C7の4台を24bit、3マイクポジションで完全収録。高品位リバーブや特別なダブルトラック・エフェクトを搭載した最高級クラスの品質を誇る音源です。

EASTWEST Quantum Leap Pianos – Supernice!DTM