DTM初心者向け入門講座

おすすめのオーケストラソフト音源

オーケストラ音源

オーケストラ音源は管楽器や木管楽器、金管楽器や打楽器など、オーケストラに必要なパートを一通り収録したトータル音源です。本格的なフルオーケストラから映画音楽、ジャズあらロックまで、幅広い音楽ジャンルで使用することができます。

音源自体は一昔前から存在していましたが、当時は非常に高価だったため、ユーザーの殆どがプロフェッショナルでした。機材や音源が充実している今、各社から様々なオーケストラ音源が販売されており、最近はDAWにも標準で付属されているため導入の敷居は下がっています。

音源によって収録パートは異なるものの、基本的には以下の楽器が収録されています。

  • 弦楽器:バイオリン/チェロ/ビオラ/コントラバス
  • 木管楽器:フルート/オーボエ/クラリネット/ファゴット
  • 金管楽器:トランペット/トロンボーン/ホルン/チューバ
  • 打楽器:ティンパニ/シンバル/トライアングル/カスタネット

これらのパートが収録されている音源は高価な物が多く、100万円を超える完全プロ仕様のオーケストラ音源も存在します。逆に弦楽器(ストリングス)だけを収録したストリングス音源もあり、ポップスやロックをメインに制作するミュージシャンであれば、こちらの方が安上がりかつ使い勝手も良好です。異本的にオーケストラ音源は「価格と品質が比例する」ので、音にこだわりたい方は妥協をせず、クオリティの高い製品を選ぶと良いでしょう。

予算と環境で選ぶオーケストラ音源

オーケストラ音源を選ぶポイントは「予算」と「環境」、もう一つ加えるとすれば「音楽ジャンル」です。上述にもあるように価格と品質は比例しますが、音楽ジャンルによっては「生々しすぎるサウンドが逆に合わない」というケースもあるので注意が必要です。

そんなオーケストラ音源は「自分の目的に合わせて選ぶ」のが基本です。無償で配布されている音源から、100万円を超える超ハイエンド音源まで、価格はピンからキリまでありますが、ここではオーケストラ音源の選び方を3タイプに分けて紹介します。

とにかく安くオーケストラ音源を導入したい場合(予算0円〜20,000円)

無償配布されているオーケストラ音源やDAW付属の音源を使用するのが良いでしょう。音質面や収録パート、奏法などは市販されているサードパーティ製の音源には劣ってしまうものの、音楽ジャンルによってはチープなサウンドの方が合うケースもあります。サウンドに満足できなくなったら20,000円までの予算でエントリーモデルの音源を導入してみましょう。
ここで紹介するのは、本格的なフルオーケストラは作らないものの、ポップスやロックでハイクオリティかつ生々しいオーケストラサウンドを取り入れたい場合にオススメな予算帯です。収録されているサウンドの一つ一つが生々しく、音響や鳴りにもこだわっているため、うまく音を作り込めば本物のオーケストラ隊と謙遜のない仕上がりなります。奏法も数多く収録されており、一つ持っておけばあらゆる音楽ジャンルに対応することができます。

UVI Orchestral Suite

2015年3月に登場したオーケストラ音源「UVI Orchestral Suite」は、17000ものサンプルデータに60を超えるインストゥルメンタルを収録しており、リーズナブルな価格設定ながら、ハイクオリティなサウンドを奏でるコストパフォーマンスに優れた製品です。

非常に多くのサンプルデータを収録しているものの、独自のロスレス圧縮を採用しており、4.62GBまでダウンサイジングすることに成功しています。オーケストラ音源はその容量からハードディスクを圧迫しがちなので、4GBにまとめられているのは大きなポイントと言えるでしょう。より生々しいサウンドに仕上げるため、標準でプレミアムなIRを採用したコンボリューションリバーブが内蔵されているのも魅力です。

UVI Orchestral Suite – Supernice!DTM

Steinberg HALion Symphonic Orchestra

Cubaseでお馴染み、Steinberg社のオーケストラ音源です。Cubaseユーザーはすぐに使うことができ、リーズナブルな価格ながら一通りのパートが収録されているのも嬉しいところ。ドライ気味に収録されたサウンドは、他社製のハイエンド製品と比べるとチープさを感じるものの、リバーブを駆使することでカバーできるでしょう。同社製品らしい癖の無いサウンドは、ポップスやロックとの相性も抜群です。

HALion Symphonic Orchestra – Supernice!DTM

即戦力となる優秀な音源がほしい場合(50,000円〜100,000円)

本格的なオーケストラ・サウンドを作りたい、またはバンド・サウンドやポピュラー・アレンジにオーケストラ的アクセントを加えたい。そんなときに重宝します。

IK Multimedia Miroslav Philharmonik 2

2015年12月に登場したIK Multimedia社のMiroslav Philharmonik(ミロスラフ・フィルハーモニック)2は、フルオーケスラを実現する多数の楽器と奏法が1000以上のハイレゾサンプル・55GBを超えるライブラリデータで収録、同社が販売しているプラグインの開発技術を投入したプロクオリティのエフェクト群によってソフト内でのミキシングおよびマスタリングを可能にした、本格的なオーケストラ音源です。

他社でも高品質なオーケストラ音源は出ていますが、どれも本物を求めすぎて気軽に試せる価格ではないのが難点でした。Miroslav Philharmonikは単独のVST Instrumentとしてだけでなく同社のマルチ音源であるSampleTank 3の追加ライブラリーとしても使え、また一般ユーザーでも手の届きやすい価格という点が大きな魅力です。

Miroslav Philharmonikの特徴と得意ジャンル

Miroslav Philharmonikは本格的なオーケストラ音源ですので、当然のことながら大編成のオーケストラサウンドをシミュレートすることが可能です。収録されている音自体が実際にホールで演奏しているような質感ですので、EQやリバーブをあれこれ操作する必要なく手軽にオーケストラサウンドを作れるのがこの音源の利点ですね。

他にも壮大なイメージの映画音楽、ファンタジー系のゲーム音楽、ポピュラー・ミュージックのバラードアレンジなど、アイディア次第ではオーケストラのシミュレートに限らず幅広く活躍してくれます。またロック・バンドがオーケストラを従えて演奏するようなジャンルにも使うことができます。例えばシンフォニック・ヘヴィ・メタルやゴシックメタル、疾走感のあるシンフォニック・ロックを制作するときにも重宝するでしょう。


打楽器のみ他のシンセサイザーを使用している様子ですが、オーケストラだけではなくこのような壮大な映画音楽のようなサウンドも制作可能となります。

歯切れの良いサウンドは苦手

Miroslav Philharmonikにはトランペット、トロンボーン、サックスなどいわゆるブラス・セクションと呼ばれる金管楽器も収録されていますが、ファンク・ミュージックで演奏されるような歯切れのよいブラス・サウンドは苦手な印象があります。コンプレッサーが内蔵されているのでアタックを強調することは可能なのですが、やはり少々不自然な感じになってしまいますね。

これはやはりオーケストラ音源という性質上、収録されている音自体がコンサートホールで聴かれるようなウェットな質感になっているためだと思います。最初からホール・リバーブが付加されているというわけではないのですが、おそらくこの質感を出すためにわざと遠い場所から狙ってマイキングされているのだと思います。

最近ではアイドルグループが歌うようなJ-POPアレンジにもファンキーなブラス・サウンドが頻出するようになりましたが、そういった音を求めている場合はMiroslav Philharmonikのようなオーケストラ音源ではなくファンク専用のブラス音源を検討するべきでしょう。


「2」の公式動画。初代Miroslav Philharmonikの弱点とも言える早いパッセージへの反応が改善されているようにも感じますね。

SampleTank 3の拡張音源データとしても使用可能

Miroslav Philharmonikの販売元はIK Multimediaですが、同社のもっとも有名な音源といえばやはりSampleTankではないでしょうか。Miroslav Philharmonikはその最新バージョンであるSampleTank 3と互換性がありますので、SampleTank 3のライブラリー画面から音色データを読み出せるのも大きなメリットとなっています。

SampleTank 3はマルチ音源として様々な楽器や音色が揃っていますが、そのオーケストラ楽器の拡張音源としても使用することができるのです。実際にバンドサウンドやJ-POP系アレンジでもほんのアクセントとしてストリングス・セクションやクワイヤが欲しくなる部分はよくありますので、こういった場合に非常に重宝すると思います。

スタンドアローンでも使用可能

Miroslav PhilharmonikはVST・AudioUnitに対応しているため基本的にはDAWから呼び出して使用するのですが、実はスタンドアローンでも使用可能です。通常DAWはソフト自体の起動に加えて各種プラグインの読み込みがあるため、起動開始から実際に音が鳴らせるまでに数十秒は掛かってしまうものですが、Miroslav Philharmonikをスタンドアローンで起動する場合は1~2秒で完了です。そこから音色データを読み込む必要はありますが、ライブラリーを速度の早いSSDに保存しておけばそれすらも一瞬です。ふと浮かんだメロディーやアレンジを即座に記録したいと思うようなときにDAWの起動なんて待っていられませんから、そういうときこそスタンドアローン版の起動の速さは重宝します。


Miroslav Philharmonikは本格的なオーケストラをシミュレートする場合だけではなく、バンド・アレンジやJ-POPアレンジのアクセントとして使うこともできます。このような音源を一つ持っておくと楽曲制作での様々な場面で活躍すると思います。お手頃な価格で普段使いにも対応できるオーケストラ音源が欲しいという場合にMiroslav Philharmonikはおすすめのソフトシンセです。

Miroslav Philharmonik – Supernice!DTM

EastWest Hollywood シリーズ

Hollywood シリーズ

Hollywood Strings、Hollywood Brass、Hollywood Orchestral Woodwinds、Hollywood Orchestral Percussionといった計4種類の高級オーケストラ音源です。QLSOを凌駕する音質と表現力で、プロの現場で使われています。

フルインストール時の最大容量は600GB以上。パッチの読み込みに時間がかかるため、公式がインストール先にSSDを推奨している程です。アマチュアでも頑張れば手が出る価格帯ではありますが、それを快適に動作させる環境が必要となるため、やはり導入の敷居は高いでしょう。自宅でプロクオリティのオーケストラを制作したい方は検討してみてはいかがでしょうか。

EastWest Hollywoodシリーズ – Supernice!DTM

EastWest Quantum Leap Symphonic Orchestra

歴史ある定番のオーケストラ音源であり、価格とクオリティのバランスが最も取れているのが特徴です。通称QLSO。Silver、Gold、Platinum、〃Plusといった4種類のグレードを用意しており、目的に合わせて導入できるのもポイント。壮大なオーケストラや荒々しい劇伴と相性抜群です。

特徴としては、デフォルトの状態で音が作り込まれているため、そのまま打ち込むだけでハイクオリティなサウンドを鳴らすことができます。もちろん音作りはかなり細かいところまで追い込むことができるものの、ポップスやロックをメインにしている方なら、デフォルト状態で使うのもアリでしょう。オーケストラ関連の知識が無くても本格的なサウンドに仕上げられる点が魅力です。

EAST WESTのオーケストラ音源一覧 – Supernice!DTM

臨場感溢れる最高のサウンドが欲しい場合(100,000円〜)

フルオーケストラや映画音楽など、本格的なオーケストラサウンドが欲しい方にオススメです。この予算帯は目の前にオーケストラ隊がいるかとリスナーに錯覚させるほどハイクオリティな音源が揃っており、導入しているユーザーはハイアマチュア〜プロが殆どで、その多くが商業利用されています。

DTM環境が整っていないと真価を発揮できない製品が多く、導入の敷居は高めです。収録されているパートの一つ一つが驚くほどリアルですが、その生々しさ故に他パートのチープさを浮き彫りにしてしまうことがあり、音楽ジャンルによっては合わないことがあります。

AudioBro LA SCORING STRINGS

ドライで抜けが良く、ポップス系のトラックとの相性の良いストリングス音源。バイオリン/バイオリンII/ビオラ/チェロ/コントラバスの5つの楽曲を収録。オケに必要な奏法も十分に収録されている他、各楽器プレイヤーの人数の調整ができ、小規模のオケから大規模で壮大な楽曲での使用にも対応できます。クオリティは非常に高く、中上級者向けのソフトウェアとなっています。

AudioBro LA SCORING STRINGS – Supernice!DTM

VIENNA SPECIAL EDITION

QLSOと肩を並べる定番音源です。4種類のボリュームをラインナップしており、QLSO同様、目的に合わせてチョイスできるのがポイントです。音質はもちろんのこと、非常に生々しく綺麗に繋がるレガートが高く評価されており、音程の切り替わり方は生演奏と謙遜ありません。

収録されているサウンドはとてもドライな傾向にあり、良質なリバーブと組み合わせることで、様々な音楽ジャンルに対応できるポテンシャルを持ちます。その反面、ハイクオリティなサウンドに仕上げるには知識と技術が必要になるため、中級〜上級者向けの音源だと言えます。

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VIENNA SUPER PACKAGE & HDD

同社が販売する35種類のインストルゥメンタルを収録した究極のバンドルです。販売価格は100万円を超え、ユーザーの殆どがプロの作・編曲家となります。オーケストラ関連はもちろん、ジャズキットやコーラスも収録されているため、このバンドルだけでシンセ系を除くほぼ全てのサウンドをカバーすることができます。

総容量1TB、44.1kHz/24bitで収録された200万を超えるサンプリングデータはもちろん最高品位のサウンドです。現場の最前線で仕事をするプロフェッショナルの強い武器として世界中で使われています。

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以上、価格帯毎のオススメのオーケストラ音源を紹介しました。この他にも各社から様々なオーケストラ音源がリリースされていますので、気になった人は以下のリンクで確認してみて下さい。

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