DTM初心者向け入門講座

マスタリングに押さえておきたいオススメのソフトウェア・プラグイン

オススメのマスタリングプラグイン特集

マスタリングとはなんだろう?

現代の(DTMでの)楽曲制作に「マスタリング」という作業は欠かすことができません。マスタリングはミキシングとセットで考えられるのが一般的で、「各パートのオーディオデータをまとめて音源にする作業がミキシング」、「出来上がった音源を磨き上げて音楽にする作業がマスタリング」と覚えると良いでしょう。

マスタリングはミキシング同様、現代の楽曲制作において重要な役割を担う作業であり、この作業が上手ければ上手いほど、ハイクオリティな音源に仕上げることができるという訳です。

スタジオレコーディングでのマスタリングとは別物

このページで言及する「マスタリング」は、パソコンを使った楽曲制作におけるものを言い、スタジオでのバンドレコーディングなど、録り音そのものを重視する現場での”いわゆる”マスタリングとは趣が少し異なります。
バンドでの本格的なスタジオレコーディングのやり方 – エレキギター博士

マスタリングプラグインが必要な理由

最近では「マスタリング=音圧を上げる作業」という考えが一般的になっていますが、「全体の音質や空間の広がり」も調整するのがマスタリング作業の一環です。

そのため、音圧を上げるためのマキシマイザーだけでなく、マスタリング専用イコライザーやコンプレッサー(マルチバンドも含む)、ステレオイメージャーなどのプラグインも必要なり、市販のCDと同程度のクオリティを追求すると機材投資も相当な金額となってしまいます。そこでオススメしたいのがアマチュアDTMer御用達の総合マスタリングソフトウェアである「iZotope Ozoneシリーズ」です。

オススメの総合マスタリングソフトウェア iZotope Ozone 7

Mastering

iZotope社のOzoneはマスタリング作業に必要なツールを全て兼ね備えている総合マスタリングソフトウェアです。搭載されているエフェクトは以下となります。

・Equalizer(イコライザー)
・Exciter(エキサイター)
・Imager(イメージャー)
・Dynamics(ダイナミクス)
・Post Equalizer(ポストイコライザー)
・Maximizer(マキシマイザー)

それでは、各ツールがどのような役割を担うのか見ていきましょう。

iZotope Ozone7 – Supernice!DTM

Equalizer

eq

8バンドのパラメトリックイコライザーです。マスタリング専用ということもあり、多少無理なブーストあるいはカットをしても音質に影響を与えません。Q幅も細かく設定することができ、周波帯のピークを抑えるのに最適です。5タイプ17種類のシェルビングから選択できます。

ちなみにこのイコライザーはMS処理にも対応しています。楽曲に低音が不足していると感じた場合、M成分の低音をブーストし、同時にS成分の低音をカットすることで、簡単に厚みあるサウンドに仕上がります。ちなみに、Post Equalizerも同様のことができます。

Exciter

ex

4つの帯域
エキサイターは指定した周波帯に倍音を加えて音を煌びやかにするエフェクトです。倍音を加えることでその周波帯だけが強調され、クッキリと聴こえるようになります。ミキシングでは主にボーカルの2kHzから5kHzに掛け、音抜けの良い声に仕上げるために用いられることが多いです。

マスタリングでは、不足している周波帯をエキサイターで盛るために使います。特に12kHz以上の超高音域は不足しがちなので、そのあたりをブーストしてみると空気感のある楽曲に仕上がります。4バンドで使用することができ、用意されているエキサイターの種類は6タイプなので、楽曲に合ったタイプを選択すると良いでしょう。

Imager

img

4つの帯域に分けて調整できるステレオイメージャーです。帯域に合わせてステレオ感を強調あるいは抑えることができます。空間の広がりを擬似的に演出することができ、軽く通すだけで全体の音圧を少しだけ上げることができます。マキシマイザーで強引にリミッティングして音圧を得るよりも、ステレオイメージャーで広げてから適度にリミッティングした方が良い結果になることが多いです。

Dynamics

dyn

4つの帯域
マルチバンドコンプレッサーとマルチバンドリミッターの機能を一つにしたエフェクトです。一般的なコンプレッサーおよびリミッターのパラメータが4バンドで用意されており、それぞれ個別に設定することが可能。MS処理もできるため、うまく使えば市販のCD音源並の音圧を得ることができます。

Maximizer

max

OzoneのMaximizerには「Intelligent Releace Control(IRC)」と呼ばれる独自技術が採用されており、非常にナチュラルに音圧を稼ぐことが可能となっています。

IRCには3種類のタイプが存在し、IRCⅠが「全体的に厚みあるサウンドに仕上がる」、Ⅱが「クリアでナチュラルに仕上がるタイプ」、Ⅲが「メニューで選択した仕上がりになるカスタムタイプ」です。それぞれ楽曲に合わせて選択すると良いでしょう。

Ozoneはプリセットが豊富

OzeneはDTM初心者の方にオススメしたいソフトウェアです。その最大の理由として「様々な楽曲ジャンルに向けた豊富なプリセットが用意されていること」が挙げられます。

例えば、これからマスタリングする予定の音源のジャンルがバラードだった場合、バラードのプリセットを選択して微調整するだけで音源が仕上がります。音質調整はもちろん、音圧もしっかり確保することができるため、マスタリングの経験が少ない初心者の方でも安心です。慣れてきたら個々のエフェクトを調整し、自分流のマスタリングに挑戦しても良いでしょう。

オススメのマスタリング向けイコライザー

Brainworx bx_digital v3

Brainworx bx_digital v3

最高峰のマスタリングイコライザーであり、多くのプロエンジニアが導入している定番プラグインです。最大の特徴はそのクリアな音質にあり、多少無理なカットあるいはブーストを行っても自然な仕上がりになります。MS処理にも対応しているほか、V3からダイナミックイコライザーも搭載され、さらに機能性が向上しています。

また、このイコライザーにはステレオイメージャーとデュエッサーに加え、「指定した周波帯以下をモノラルに変換する」モノメーカーと呼ばれる機能も搭載されています。一見するとツマミが多くて見にくいと感じてしまうインターフェースですが、実際に操作してみると簡単にイコライジングができるので、興味のある方はデモを試してみましょう。

マスタリング向けコンプレッサー

Waves PuigChild 670

waves pc
伝説的名機であるFairchild 670をモデリングしたプラグインです。ヴィンテージコンプのモデリングとはいえその出音はハイファイであり、現代のポップスやロックと相性抜群です。

全てをパソコン内で完結させるDTMはデジタルなサウンドになりがちなので、このプラグインを通すことで豊かな倍音が付加され、ウォームで聴き心地の良いサウンドに仕上がります。MS処理にも対応しており、MとSの成分を個別にコンプレッションできるのも魅力です。

PuigChild 670がバンドルされている製品
WAVES HORIZON
WAVES MERCURY

ProAudio DSP Dynamic Spectrum Mapper v2

dsm

マスタリング用途では最高クラスのマルチバンドコンプレッサーです。最大の特徴は、2mix音源の周波スペクトラムをキャプチャーし、最適なスレッショルドの形を自動的に決めてくれることにあります。

通常、マルチバンドコンプを使ってマスタリングを行う場合、低音域と中音域、高音域に超高音域と計4バンドのスレッショルドを調整していきますが、それぞれ個別に最適なパラメータ設定をするのは大変です。「高音はあまり潰さないで中音だけ潰して、低音は少しだけ…」という具合に試行錯誤することでしょう。

その手間を省いてくれるのがキャプチャー機能で、音源の再生中にCaptureというボタンを押すだけで、自動的にスレッショルドを設定してくれます。後はリリースやアタック、ゲインを調整するだけで完成です。音質も非常にナチュラルであり、コンプレッションされていることを忘れてしまうほど、自然なサウンドに仕上がります。

マキシマイザー

Waves Lシリーズ

waves l
定番のマキシマイザー

定番中の定番、Waves社が手がけるマキシマイザー、Lシリーズです。マスターにインサートしてスレッショルドを下げるだけで簡単に音圧が上がってしまう魔法のようなプラグインになります。

ゲインリダクションが多いほど堅くアタック感の強いサウンドになる傾向があり、サビでガツンと聴かせたいロックや、EDMなどエレクトロ系ミュージックとの相性が良いマキシマイザーです。16バンドで各周波帯にリミッティングでき、定番でありつつも使いこなすにはそれなりの技術が必要となります。

WAVES L316 Multimaximizer – Supernice!DTM

Fabfilter Pro L

fab
原音重視のマキシマイザーといえばこれ。相当突っ込んでも音質が破綻せず、ナチュラルなサウンドに仕上がります。音圧よりか、「聴覚上のボリュームを上げる」イメージの方が合っているでしょう。ガツンと聴かせたい音楽ジャンルよりも、バラードやジャズなど、原音を大切にしたい楽曲で使用するのがオススメ。リミッティングの様子をリアルタイムで監視できるモニターが付いているのも魅力でしょう。

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