DTM初心者向け入門講座

おすすめのマルチ音源

「マルチ音源」はピアノやギター、ベースをはじめ、オーケストラなどに用いられる管楽器、弦楽器、民族楽器等など、ジャンルを問わず様々な音色を収録した音源の総称です。製品によっては音源一つで100GBを超える大容量の物もあります。

通常、ピアノはピアノ音源、ドラムはドラム音源といった具合に専用音源を揃えていきますが、マルチ音源には最初からほぼ全てのライブラリ(音色)が収録されているため、ソフト一本であらゆるジャンルの楽曲制作が可能です。

反面、音色一つ一つのクオリティは専用音源に劣ってしまうデメリットもありますが、これはマルチ音源が個々の音質よりも収録ライブラリ数に重きを置いているからです。

しかしながら、楽曲に使用する音色を全てマルチ音源に集約できる点、専用音源のように個別に立ち上げる必要がなく、結果的にCPU負荷も軽減することができる点など、導入するメリットも数多く存在します。

そんなマルチ音源は多彩なジャンルを手がけるアーティスト、作・編曲家にオススメです。各社から多数のマルチ音源が販売されているので、それぞれの特徴や収録数、ライブラリの種類などを比較してから購入するようにしましょう。

DAW付属のマルチ音源はダメなのか?

CubaseやSonar、Studio Oneなど、今現在主流となっているDAWにもマルチ音源が付属しています。付属音源ながら1000種類以上のライブラリを収録している音源もあり、通常使用する分にはまったく問題ないでしょう。

ただし、DAW付属だと専用音源はもちろん、市販のマルチ音源にもクオリティ面で劣ってしまう傾向にあります。あくまでDAWの付属音源であるため、開発コストや容量を抑えていることから、クオリティ面で劣ってしまうのは仕方ないことであると言えます。

なので筆者(DTM君)の場合、「DAW付属のマルチ音源ではダメなのか?」と聞かれた際、「自身がそのクオリティに納得できれば問題ない」と答えます。ただ、収録されている音色に満足できない場合、最低でも市販のマルチ音源を導入することをオススメします。販売メーカーの公式サイトに参考音源が用意されているのが殆どなので、付属のマルチ音源と聴き比べてみると良いでしょう。

オススメのマルチ音源

Native Instruments「KOMPLETE 11」

ソフトウェア音源メーカーの大手、NATIVE INSTRUMENTS社のソフトウェア、エフェクトプラグインバンドルです。音源およびライブラリ容量は155GBとなっており、標準モデルである「KOMPLETE 11」でさえも13,000種類以上のサウンドを収録。全てのライブラリをインストールするには相当な時間が掛かりますが、ロックなどのアコーステイック系からダンス系、エレクトロ系、民族音楽まで、ほぼ全ての音楽ジャンルに対応できる音源を一括でインストール可能。欲しい音源のみ指定してインストールすることもできます。

The Sound of KOMPLETE 11

シンセ音源「ROUND」

ドラム音源「BATTERY 4」

音源だけで30種類以上(KOMPLETE 11)、この他エフェクト類も豊富に収録されています。

他社ライブラリにも対応するKONTAKT

また、KOMPLETEは一般的にマルチ音源と称されますが、その実は「専門音源やエフェクトプラグインのバンドル」です。あくまでマルチ音源に該当するのはKOMPLETEに収録されている「KONTAKT」だけなので覚えておきましょう。そんなKONTAKTはピアノからドラム、ストリングスや民族楽器など、ハイクオリティかつ様々な種類のライブラリを収録。数多くのサードパーティー製ライブラリ(他社が開発・販売しているライブラリ)にも対応しており、拡張性にも優れています。音質、ボリューム、拡張性、全てがトップクラスのマルチ音源であり、KONTAKTさえ持っていれば楽曲制作で困る場面は無くなるでしょう。

上位版「KOMPLETE ULTIMATE」、下位版「KOMPLETE SELECT」

ちなみに、KOMPLETEには「KOMPLETE ULTIMATE」という上位版、また最新版である「11」からは下位版「KOMPLETE SELECT」が用意されています。
KOMPLETE SELECTはピアノ/ドラム/パーカッション/エフェクトなど、音楽制作の入門に最適な内容となったバンドル。。
KOMPLETE ULTIMATEにはシネマティック系音源と高機能なエフェクトプラグインを追加バンドルした物で、劇伴を制作する音楽家に向けた内容となっています。ポップスなどが中心のクリエイターには不必要かもしれませんが、音楽家を志している方や、重厚かつ生々しいインストゥルメンタルを作りたい方は導入することをオススメします。

収録音源については以下のページで確認することができます。

Native Instruments KOMPLETE 11 – Supernice!DTM

IK Multimedia「SampleTank 3」

4000種類以上の音色を33GB以上も収録したマルチ音源です。比較的リーズナブルな価格設定ながら、楽曲制作に必要な殆どの音色を網羅。初めてマルチ音源を導入する初心者の方にもオススメです。

また、フルバージョンとなるSampleTankに加え、SampleTank SEと呼ばれるエントリーモデルも用意。こちらは厳選されたライブラリ6.5GBを備えたもので、製品版の3/1以下の価格で購入できるのが特徴です。フルバージョンへのアップグレード優待も用意されているので、SEに物足りなくなったユーザーは検討してみると良いでしょう。
以下のSoundcloudのプレイリストを聞くと、「SampleTank 3」を使ってどんなことができるのかがよくわかります。107トラックもあるので、自分が気になる音源を聴いてみて下さい。

SampleTank 3に収録されている音源

無償版モデル「SampleTank Custom Shop」

ちなみに、本ソフトにはSampleTank Custom Shopという無償版のモデルもラインナップされています。これは拡張型のマルチ音源で、「欲しいライブラリを追加購入して使用できる」のが特徴です。

例えば、エレキギターの音源が欲しいとなった場合、クラシックギターやアコースティックギターなど、エレキ以外のサウンドも収録してオールインワンで販売していることが多く、価格もそれなりです。「クラシックやアコギはいらないから安くして欲しい」と思うこともあるでしょう。

SampleTank Custom Shopの音源

SampleTank Custom Shopのように「本当に欲しい音色だけを追加できる音源」なら余計な出費が無くなりとても経済的です。最初から30種類の無償ライブラリが付属するのも魅力で、ユーザー登録をするだけでCustom Shop(ライブラリ追加購入用ソフトウェア)内で使える仮想クレジットがもらえるのもポイント。SampleTankは初心者に優しく、それでいて中〜上級者も納得させる「即戦力のマルチ音源」と言えるでしょう。

IK Multimedia SampleTank 3 – Supernice!DTM

STEINBERG「HALion 5」

Cubaseでお馴染みのSTEINBERG社が開発・保守を続けているマルチ音源です。2500種類以上のライブラリを搭載しており、音作りに欠かせない優秀なエフェクト群、そして機能を兼ね備えています。快適な動作とハイクオリティなサウンドを両立している高品位な音源です。

本ソフトの特徴は最先端のサンプリングテクノロジーと強力なシンセシスエンジンを融合し、マルチ音源でありながらシンセサイザー的要素も備えている点です。

例えば、搭載しているグラニュラーシンセエンジンにより、いつものサンプル音を再構築。これによりまったく聴いたことのない、宇宙的なサウンドに作り変えることが出来ます。ただ単に収録されているサンプルを鳴らすのではなく、よりオリジナルティ溢れるサウンドに作り込めるのがHALion最大の魅力と言えるでしょう。

HALion 5 & HALion Sonic 2

強力なアルペジエーター:FlexPhraser

また、HALionにはFlexPhraserと呼ばれる非常に強力なアルペジエーターが搭載されています。これはあらゆる楽器の演奏を簡単操作で実現する機能で、作り出したフレーズをMIDIで書き出すこともでき、それをDAW内で細かく編集可能です。シンプルながらバリエーションに富んだフレーズを生み出せる便利な機能なので、作・編曲家の強い味方となるのは間違いありません。


Flexphrase Overview

余談ですが、HALionには廉価版である「HALion Sonic 2」および「HALion Sonic 2 SE」と呼ばれるシリーズも用意されています。フルバージョンのHALion 5から細かい編集機能を無くし、音色数を減らしたものとなりますが、サウンドのクオリティは同じです。ポップスやロックをメインにしているクリエイターならHALion Sonic 2でも十分な上、フルバージョンへの優待アップグレードも用意されているので、実際に試してからバージョンアップするのも良いでしょう。

STEINBERG HALion 5 – Supernice!DTM

Arturia「V COLLECTION 4」

伝説的ビンテージ・シンセサイザーをソフトウェア化させてきた Arturia では、それらソフトシンセ・シリーズをすべてまとめた上に新開発の音源を加えたバンドル・パッケージ「V COLLECTION」シリーズをリリースしています。最新版である「4」では、Arturia がここまでリリースしてきたほぼ全てのソフトシンセを収録、単体で一つづつ購入するよりも断然おトクなセットとなっています。
また、「V COLLECTION 4」から特に人気の高いモデルを抽出したバンドル「V Collection Classics」も存在します。

Arturia V COLLECTION 4 – Supernice!DTM
Arturia V Collection Classics – Supernice!DTM

フリーのマルチ音源を試してみよう

ここまで代表的なマルチ音源を紹介してきましたが、ここからは無料で利用することが可能なマルチ音源を2つだけ紹介します。

Proteus VX

Proteus200と呼ばれるハード音源のROMを移植したマルチ音源で、当時の価格は13万円以上。今はフリーダウンロードとなっており、ユーザー登録だけで使用することができます。市販のマルチ音源に匹敵するクオリティを誇り、フリーのマルチ音源としては最高峰と呼ばれているほどです。

VSTiとしてはもちろん、スタンドアローンで使うこともできるので、ライブパフォーマンスにも活躍します。プリセット音色は全1024種類。使い勝手の良いマルチ音源です。

ダウンロード:Proteus VX

UVI Workstation

大手音源メーカー、UVI社のサウンドソースを採用したフリーマルチ音源です。Ultimate SoundBank社が手がけるUVI WORKSTATIONと、UVI社のSOUNDSOURCEと呼ばれるライブラリを組み合わせて使用します。ちなみに、WavやAiffなどのファイルも読み込むことが可能です。上記のProteus VX同様スタンドアローン対応となっており、DAWが無くても立ち上げて使うことができるのも魅力です。

ダウンロード:UVI Workstation

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