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レコーディング作業において、録音後のオーディオ処理は音質やミックスのクオリティを左右する重要なステップです。特に、不要な部分のカット、フェード処理、ノーマライズの適切な活用は、プロフェッショナルなサウンドを実現するための基本技術です。本記事では、これらのテクニックを詳細に解説し、録音レベルやVUメーターの重要性、さらにはクリック音の使い方まで、レコーディングエンジニアが実践しているノウハウを紹介します。これらの技術を習得することで、よりクリーンで自然な音作りを目指しましょう。
音楽プロデューサー、レコーディング・エンジニア、マニピュレーターとして椎名林檎のレコーディングに参加。マニピュレーターとして松任谷由実のレコーディングに参加。レコーディング&ミキシング・エンジニアとして、シンセサイザープログラマーとして、また作品のサウンド・プロデュースなど多方面で活躍する。リットーミュージックより「Pro が教える Vision for Macintosh」執筆。
トラックを録音し終えたら、不必要な所、無音な所はカットしてしまいましょう。不必要な演奏者のノイズはもちろん、不意に出てしまった音等、演奏に掛からない部分は消してしまいます。また、無音でも無音のデータは読み込まれ、パソコンのパワーを必要とします。しかし、たまに、全く音が無くなるのも不自然な事もあります。空気感を残す為に、わざとカットしない場合もあります。
図 Edit Cut
ボーカルの歌っていない部分や、ギター等の演奏していない部分、時にはノイズゲート代わりにDrumsのTomの演奏していない部分をカットしておけば、ノイズゲートの様に不意に開いてしまう事もありません。
フェードはエフェクターではありませんが、意外と大切です。パンチインしたり、録音し始め、録音し終わりの所にに出来る急激な音の変化を滑らかに変化させます。録音し始めは無音から音が出て来る所ですが、小さなノイズ(機器や空気の音)でも突然出て来ると気になります。フェードを掛ける事に寄って、いつのまにか自然に音が出て来る様にします。
図 Fade In
録音し終わりの部分も同様にいつの間にか音が無くなる様にします。
図 Fade Out
どちらかというとFade Inは短め、Fade Outは長めが気付きにくいです。
クロスフェードは音と音の継ぎ目、パンチインやボーカルを選んだりした部分のつながり部分です。なるべく音の小さな部分でフェードを掛けます。
図 Short Cross Fade
どうしても音がある所で繋がなければならない場合、位相の問題が生じます。繋ぐ前までの波形と繋ぐ後の波形が逆相の場合フェードを掛けた部分は打ち消し合って小さくなってしまいます。
図 X Fade:NGのケース
フェードを掛ける音の位相を揃えてからフェードを掛けると、スムーズに繋がる場合があります。後ろの波形を動かすのですが、半波長以内だと音程が真ん中のA(440Hz)でも0.1msなので、人間がタイミングとして感知出来る程ではありませんので、半波長以内にしましょう。
図 X Fade:OK
フェードは掛ける場所の音によって、長さを調節出来ると自然に繋ぐ事が出来ますが、ProToolsは自分でフェードの長さを調整出来ますが、フェードを掛けられてもその長さ等を調整出来ないDAWも多くあります。
録音した時に、小さく録ってしまって、後処理でComp等、掛かりが悪くなってしまう事があります。ノーマライズ機能を使えば、そのトラックの最大音量部分を0dBにする様にレベルを上げる事が出来ます。ファイルを書き換えてしまう事になるので、元に戻せる様に、コピーのトラックを用意する等、しておいた方がいいでしょう。昨今は、トラック単位、クリップ単位でレベルを調整出来る機能があるので、上げすぎたら下げる事も出来ます。
しかし、小さく録ってしまった音の中にも、部屋や、マイクアンプのSN等、ノイズは存在します。ノイズも一緒に大きくしてしまうので、やはり、最初から適正音量で録音する事が大切です。
DAWはボイスという考え方でトラックを管理します。それぞれのDAWによって異なりますが、数多くのトラックを使用出来ます。ソフトウェア的に制限がかなり緩和されてきましたが、トラックが多くなるとそれだけハードディスクに負担が掛かりますので、ステレオのトラックよりも、モノラルのトラックをなるべく使った方が倍のトラックを使える事になります。
又、モノラルの音をステレオで録音して、ステレオのエフェクターを掛けるとCPU(DSP)も倍のパワーを使ってしまいますから、エフェクターを掛けられる数も半分になってしまいます。音質的にもステレオファイルの音を真ん中に定位させようとしてもエフェクターの誤差等でにじんで、真ん中に定位しなくなり、少々大きめの音像になってしまいます。ドラム、パーカッション、ギター等、モノラルの方がいい楽器は沢山ありますから、積極的にモノラルトラックは使った方がいいでしょう。
マイクで電気信号に変えられた音は、ケーブルを通って、ミキサーやDAW等のマイクインに入ってきますが、そこには必ず、インプットレベルを調整するHA(ヘッドアンプ)やマイクアンプと呼ばれる物が着いているはずです。マイクから来た信号は小さく、そのままではノイズが乗りやすかったり、エフェクターで扱いづらいので、HAでラインレベルに増幅されます。入力レベルがメーターで確認出来る機種はその時点でまず丁度いいレベルになっていなければなりません。メーターで確認出来ない場合は(その後のエフェクター等を掛けない状態で)受け側のレコーダー等のメーターを確認してレベルを決めてください。
適切な入力レベルはその後のエフェクターの適切な掛かり方や適切なバランスを得る事ができますが、入力レベルで間違えてしまうと、その後、何をやってもいい音になりません。録音レベル(インプットレベル)は何よりもと言える程重要です。
レコーディングエンジニアの多くはVUメーターを好んで使います。平均値を示してくれて、実際鳴っている音を視覚的に確認しやすいメーターです。最近の殆どのDAWソフトウェア(ハードウェア)のメーターはピークメーターで実際録音しているレベルには即しています。歪みもすぐに感知できるし、ドラムやパーカッションの様な短い音に対しても反応してくれます。それでも、レコーディングエンジニアがVUメーターを好んで使うのは、録音レベルを決める時に、実際聴こえている音の量と同じ感覚で振れてくれる為です。
エレクトリック・ベースやエレクトリック・ギター等のピークの少ない音色ではDAWでは歪みにくい為、大きく録音しがちです。しかし、実際は、それほど大きく録音する必要は無く、かえって後でレベルを下げなければならない結果になり、悪い影響も出てきます。ドラムやパーカッションの様な楽器には追従しきれず、小さく表示されますが、それを考慮しても、実践的なメーターです。VUメーター、ピークメーターの両方を見て判断出来る様になる感覚を養って下さい。
写真 VU Meters
多くのレコーディングでは、クリック(メトロノーム)を使用します。DAWの基本機能として、クリックが用意されている物も多いですが、ミュージシャンが耳障りでは気になって演奏がぎこちなくなります。単純なビープ音や、高い周波数を含む音では、ヘッドホンから漏れてマイクに拾われてしまう可能性が大きくなります。
それでも、ブレイク等楽器が全く無くなってしまう部分もあったりしますから、漏れが聞こえたら、そこだけ、ヘッドホンに送る量を下げたりします。あらかじめ曲のサイズが解っている場合はDAWのオートメーション機能を使ってもいいでしょう。
写真 Click Automation
私はミュージシャンには楽曲の一部の様に聞こえて、漏れが目立たない音という事で、カウベルの音を丸く高音を削った音を用意してあります。ゆっくりな曲の8分音符の裏拍や跳ねている(Swingの)曲の為にハイハットの様な音も用意してあります。
クリックだけでは、なかなか演奏にノリが出ない時はドラムマシーンの音で、ドラムパターンの様にクリックを作ってあげた事もあります。クリック音だけでは、タイミングを合わせるという方にだけ演奏しがちで、クリック音の中でノリノリで演奏するって難しいですからね。
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